海道賢仁(ぱぱら快刀)氏によるデッドコネクション制作秘話
デッドコネクション知ってる人そんなに多くない気もするけど最近ミカドでも稼働してたらしいしもしかしたらけっこういるのかもしれない。幻系のゲームだよね!
2016-05-04 02:59:21ニコニコにもあるのか。 デッドコネクション プレイ動画 (1/3) Round 1~4 (9:13) #sm6494455 nico.ms/sm6494455?cp_w…
2016-05-04 03:00:48デッドコネクションは当初「MAFIA」という開発ネームで始まったプロジェクト。時期的にはウォリアーブレードと同じ頃かな。ウォリアーブレードの回でも書いたけど、ボクがアーケードの部署からX55というタイトーの家庭用ハードを作る部門に移籍した過渡期にあたります。
2016-05-04 03:35:26あ、デッドコネクションはタイトーのアーケードゲームね。ゲームセンター用。1992年発売かな。いまから24年ほど前ですね!
2016-05-04 03:37:32一画面固定もののゲームを作りたかったんです。一画面固定ものといえば、タイトーでいえばフェアリーランドストーリーとかバブルボブルとか、古くはちゃっくんぽっぷとかべんべろべえとか、ゲームデザイナーの華ですからな!一画面固定ものは!レイメイズとかDonDokoDonとか!
2016-05-04 03:42:32チャンピオンレスラーでできなかった4人同時プレイも今度こそ実現したかった。インカムで言えば単純に4倍になるからね!それに一画面固定だと多人数プレイで問題になるスクロール問題にも無縁なので好都合!
2016-05-04 03:46:31題材にマフィアを選んだのはあんまり理由はなくてなんとなく。ウェスタンガンとか意識してたかも知れないけど。戦争物でないシューティングで、マフィアものってあんまり見ないから新鮮でいいんじゃないの?エンパイアシティとかも好きだったし!って程度だったかな。
2016-05-04 03:51:23まあ例によってコスト問題その他でやっぱり4人同時プレイは実現できなかったわけですけど。ガントレットやルナークはほんとすごいな!スーパーデッドヒートとかも!
2016-05-04 04:00:01で、デッドコネクション。マフィアテーマのゲームということで、マフィアの映画をいろいろ見て勉強。具体的にはゴッドファーザーとワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ。おおまかな世界観設定とゲームストーリーはそのあたりを参考にして決めました。
2016-05-04 04:05:38デッドコネクションはゲームシステム的にはじつはかなりチャレンジした意欲作。やりたかったのは2Dパースで描画してる背景に対して一見3次元的なコリジョン処理を採用すること。
2016-05-04 04:11:12ジョイスティックで指示しただいたいの方向にあるターゲットを判定してそこに向かって銃弾を飛ばすわけですけど、背景の2D絵に合致した辻褄の合う3D処理など出来るはずもなく、つまりプレイヤーはこいつを狙って弾撃っただろうというコンテクストを判定して見た目と結果を合わせようという。
2016-05-04 04:16:45まあそういう難しいことをやろうとした。1面目とかで言えば、吹き抜けロビーの2階に登ってスティック斜め下に入れて弾を撃つと、手すりから身を乗り出して1階フロアの画面奥側の床めがけて弾を飛ばすのか、それとも画面手前側の床めがけて弾が飛ぶのか。状況に合わせてそれが変わる。
2016-05-04 04:22:39オートAIMというだけでなく、コンテクストで処理を変える。まあそういうことを狙ったのです。一画面物かつちまちま系ドット絵でしかも物理的な内部演算ではないコンテクスト処理。そういったものを狙いたかった。
2016-05-04 04:27:57という感じで仕様書とストーリーとステージデザインを書いた時点で自分本人は部署異動になったので、後に残された開発スタッフの人はその後ずいぶん苦労したと思う。後を引き継いだ「“うっかり”二郎」がうっかりしつつもなんとかまとめてくれた。
2016-05-04 04:33:18プログラムを担当したのはソニックブラストマンに引き続き当時タイトーに外注に入っていたNJKの方々。プログラマのO野木さんK山さんN口さんがこの難しいコリジョン処理をなんとか実現してくれた。感謝です。普通なら投げる。というかむしろノリノリで燃えながら突っ込んでくる車とか追加してた!
2016-05-04 04:39:05あとデッドコネクションでやりたかったのは弾痕で破壊されるステージ!これは通常時の背景BGと、銃弾で破壊された後のBG画を用意しておいて、弾が当たった場所のBGをキャラクタ単位で入れ替えていくことで実現しました。
2016-05-04 04:42:50さっきコンテクスト処理と書いたけど、弾の軌道だけでなく他にもいろいろあって、例えばキャラがステージの1階のドアに入るとすぐ2階のドアから出てくるとことか。このへんはじつはドリフのコント舞台を参考にしたイメージ。全員集合とかの。
2016-05-04 04:46:18デッドコネクションはストーリーとしては復讐劇なので、主人公チームは容赦ない。とにかく破壊しまくるし何かというと燃やす!ウィリアムスのナークぐらい情け容赦ないのだ!一画面固定でちまちましてるけどな!
2016-05-04 04:52:06デッドコネクションの劇中ストーリーとはマフィア映画やギャング映画の典型というかありがちなんだけどうまくまとまっていてよくできてるな!と今になって思う。自画自賛しておくよ!たぶん高校生のときに死ぬほど読んだレイモンド・チャンドラーの影響がかなり大きい。
2016-05-04 04:56:27デッドコネクションの1面目はホテルのロビーなんだけど、とにかく乱射してぶっ壊しまくる。キャットウォークなんかもあって立体的なバトルもできる。そんでカウンターで逃げ隠れしてるホテルの受付係は銃弾飛び交う中でも結局最後まで無事というお約束。1面目でゲームの全部が表現できてる。
2016-05-04 05:02:291面目がうまく設計出来れば、あとは世界観的にありそうな場面をたくさん用意してステージ作る。ストーリーはその見せたい場面に合うようにてきとうにでっち上げる。豪邸の庭だよな。じゃあそれマフィアの結婚式にしてそれを刑事が襲うぞとか、公園だから幹部が裏切りの取引にするか、とか話つくる。
2016-05-04 05:10:06まあそうやって仕様書つくるとこまでは良かったんだけど、その後制作途中でアーケードの部署から異動になって、細かいゲームバランスの調整とかまでは手を入れられなかったのが自分的には残念。それでもまずまずいいゲームになったとは思う。
2016-05-04 05:15:54ゲーム中にいろいろ発生する突発イベントとかはプログラマさんが自分たちでアレンジして入れてくれたもの。かなりの部分補完してもらったので助かりました。
2016-05-04 05:18:11開発ネームMAFIAはやっぱり製品名には使えないね。ってなったので正式タイトルを考えることになったけど、なかなか難しかった。なんとかひねり出したのがデッドコネクション。当時の自分の英語力ではこれ文法的に合ってんの?とかいろいろ不安だった。数年後に同名の映画とか出てきたので安心した
2016-05-04 05:22:34デッドコネクションのアトラクトデモは仕様書書けなかったので残ったスタッフにすべておまかせ。主にK藤ちゃんが仕上げてくれたけどめちゃくちゃにかっこいいなこれ!その本人は「アトラクトデモなのにゲーム画面一切出ない!新しい!まゲーム画面出せないっしょこれ!」とか言ってた。そのとおりだ!
2016-05-04 05:28:10