茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1780回【市場に合わせること、市場に逆らうこと】連続ツイート

2016.5/6 茂木健一郎氏 【市場に合わせること、市場に逆らうこと】連続ツイート …「市場」というのはとても大切な存在で、自分を磨き、育てようと思ったら、過酷な市場の中に身を置くしかない。その中で切磋琢磨され、批判され、比べられて、それでもがんばることで、何かが育っていく…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1780回をお送りします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、感想です。

2016-05-06 06:42:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

「市場」というのはとても大切な存在で、自分を磨き、育てようと思ったら、過酷な市場の中に身を置くしかない。その中で切磋琢磨され、批判され、比べられて、それでもがんばることで、何かが育っていく。

2016-05-06 06:43:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

もちろん、ニッチ(ひだまりのようなもの)を見つけることも大切だが、そこに隠れて嵐をやり過ごしているだけだと、自分の芯の中の何かが、磨かれずにだんだん曇っていってしまう。だから、市場の嵐に身を晒す覚悟は、いつもなければならない。

2016-05-06 06:44:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

しかし、市場は一種類ではないことも事実である。いわゆる「メジャー」なものの背後にある感性が、自分の魂と相容れないこともある。それは、若いときにはしばしば起きる現象だ(いや、人生のベテランになっても同じなのだが、単に感性が摩耗して忘れてしまうだけかもしれない)。

2016-05-06 06:45:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

だから、私たちは、二つの種類の勇気を持たなければならない。一つは、市場の嵐に身を晒して、その中で磨かれ、選択される勇気である。もう一つは、その時々の市場の横暴にかかわらず、自分の魂を貫く勇気である。

2016-05-06 06:46:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

難しいのは、市場の中で戦う勇気と、自分の魂を貫く勇気が、往々にして両立しないことだ。難しそうで実は容易なのは、市場の圧力に負けて、自分の魂から離れたふるまいをすることである。結果としてその人は成功を得るかもしれないけれども、長い目で見ればその人のためにも、市場のためにもならぬ。

2016-05-06 06:47:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

河合隼雄さんとお話したとき、「自分の中心を外さない」ことの大切さを聞いた。市場の厳しさに身を晒すことはどうしても必要だが、その際、「自分の中心を外さない」ことを続けられれば、その人は、自身にとっても、世の中にとっても、一つの福音となる。

2016-05-06 06:48:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

別の見方をすれば、適応というものの二面性である。適応はすべきだが、適応し過ぎてもいけない。特に、市場に合わせることを適応と言うならば、みんなが適応することは、単に複写を多数生み出す結果になることも多い。

2016-05-06 06:49:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

希望が持てるのは、爆発的にヒットするものは、必ず、鋭利なオリジナリティを秘めているということだ。市場に逆らうことが、結果として市場ではやされ、市場を拡大することにつながることもある。そこにこそ悪夢と夢が交錯する創造の場があると言えるだろう。

2016-05-06 06:50:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1780回「市場に合わせること、市場に逆らうこと」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2016-05-06 06:50:52