インドで深夜(ほとんど恐喝に近い)ボッタクリに遭い、警察に駆け込んである程度の額は回収できたという話(2016年5月 ニューデリー)
- gaikitirail
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ニューデリーの駅に出た自分は、リキシャーでパハールガンジの宿を目指すことに。 が、違ちゃん曰く「パハールガンジは祭りで危険な状態で、何処の宿もまんしつだぞ」 「ハァ?俺はもうbookedなんだ。いいからパハールガンジ行け」 pic.twitter.com/mKN7dILLKp
2016-05-08 01:38:27リキシャーは怪しい路地に入っていく。怪しい交差点で止まっていると、右側から誰かがリュックを強引にひったくろうとする。 「お、おい!急げ!」 …と、連れてこられたのがこの事務所である。 事務所では「もう大丈夫ですよ」と言わんばかり pic.twitter.com/HAfKj7Hd7b
2016-05-08 01:42:55事務所では、日本語の分かるオッサンが、「私は政府の観光局の者です。日本でもナマステ・インディアと言うイベントがあるでしょう」 念のためIDカードを見せてもらう。 「ほら、お札にも同じインド政府のマークが書いてあるでしょう」 pic.twitter.com/ytXaRKAVHF
2016-05-08 01:48:19で、その割りにはメールがgmailなのはどうしてかしら? と思って外へ出ようにも、何しろ深夜のニューデリーである。 デリー日本人会のHPにも「強盗に遭ったら抵抗せず金のありかを教えること」と書いてある。 pic.twitter.com/FfVAJSi96m
2016-05-08 02:02:39チャイを勧められる。 ここにおいて、自分が取れる選択肢が、 ・ボッタクリツアー ・邦人殺害事件 の他に、 ・昏睡強盗 に広がった。 兎も角も、いかにここを安全に立ち去るかである。 pic.twitter.com/mwNSwL8Mx4
2016-05-08 02:20:23曰く、「デリーはイスラム教の祭りで危険な状態です。宿も満室です。つきましては私どものタクシーツアーでバラナシとアーグラーを…」 「取れるホテルがあるならそこだけ取ってよ」 「だめです」 pic.twitter.com/NGV5MotWpU
2016-05-08 02:23:29「バラナシの宿代、バラナシからデリーの飛行機代コミコミで82000ルピー、これでどうです?」 「ええ…?」 「選択しないのも自由です。ただし、以後あなたの安全を助けることはできません」 深夜のデリーでどこへ逃げる!? pic.twitter.com/Wl1zwXyxYg
2016-05-08 02:27:50「わ、分かった!82000ルピーな?」 とにかく邦人殺害だの帰国できなくなるだのという事態は回避したい。 82000ルピーはその身代金だと思えばいい。 何となれば車が止まった時に脱出すればいい…と思ったら荷物は全部トランクに没収。 pic.twitter.com/38WSp6yNc5
2016-05-08 02:31:20何が悲しくて、こんな蚊のブンブン入って来るような、エアコンもないような狭い車で夜明かししないといけないのか?考えることは、いかにこの車を脱出して途中駅から予定の列車にのりこむかである。 pic.twitter.com/cWi6Ilm4wM
2016-05-08 07:11:51運ちゃんが聞く「で、アーグラーが先だっけ?それともバラナシが先?」 そんな質問が出るということは、ホテルは全然予約してないという事? pic.twitter.com/aNsxY7HzVc
2016-05-08 07:27:53「俺は疲れた。少し寝るぞ」 「なぁ…モバイルバッテリーを使いたいんでトランク開けてくれないかな」 「分かったよ」 荷物を取り戻し、いつでも逃走できる。しかしここは人里離れた場所。どうにかして大きな駅のある所に行きたいが… pic.twitter.com/2Lgu9pM9l2
2016-05-08 07:36:15ところで、予定していた列車時刻は以下の通り。 ニューデリー(ANVT) 15:10 カーンプル 23:35 アラハバード 2:55 バラナシ 6:15 マウ 8:10 選択肢としては、カーンプルで降ろしてもらうか、バラナシで一泊か… pic.twitter.com/n4aJqv3q3J
2016-05-08 08:25:00ところで、問題の車のナンバーと登録番号は写真の通りである。 運ちゃんは寝たかもしれないが、こちらは荷物が気になって寝られたものではない pic.twitter.com/zQUPORnBv5
2016-05-08 08:27:35そこで一計を案じることにした。 「なぁ、運ちゃんや。カーンプルに、良い飯屋があるらしいから、そこで朝食しようぜ。払いなら俺が持ってやるよ」 「でも遠回りになるぜ」 「急いでバラナシなんて行くことないよ」 「だったら案内してくれ」 pic.twitter.com/QXO1BHHcAl
2016-05-08 08:31:42運ちゃんなりに悪い予感を感じるのか、「なぁ、バラナシ着いたらビール飲もうぜ。あと、帰りはアーグラーのタージマハルも見るよな?」 「ああ、そうだな」 そもそもそこまで付き合う気はないが、ではバラナシ→デリーの航空券をどうする気だ? pic.twitter.com/eIKYQTxPiH
2016-05-08 08:37:22航空券に関する話も案の定出た。 「バラナシからデリーにもどる航空券もキャンセルでいいよな?」 「金は俺に戻ってくるのか?」 「それは無理」 「ハァ!?」 まあいいや。どうせすぐお別れだ。 pic.twitter.com/Ii3BOTh5jL
2016-05-08 08:44:50まあ運ちゃんなりにも誠実に仕事だけはしているのだと信じたかった。 「なぁ、次インドに来る時もあんたに頼みたいから名刺くれよ」 「それはデリーの空港行ってからわたすよ」 だめだこりゃ。こいつも詐欺団の一員って自覚はあるらしいな pic.twitter.com/DpkQP8vimx
2016-05-08 09:17:12「さあ、着いたぞ」 「悪いけどお前と一緒に旅は続けられない。お前を信用できない」 引き止められるかと思ったら、意外に白けた反応だった。 もう金もらってればこんなものかね。 ただし、これでは済まさないぞ… pic.twitter.com/KNPs0fpv7m
2016-05-08 09:20:48必然、ムガールサライからニューデリーに戻る列車内は、警察にこれをどう訴え出るかの作戦会議の場となる。 どうせ「ボられた」と言って相手にされそうもないので、ヒンディー語で「धमकी」(恐喝) と、被害額をメモ帳に書くことに。 pic.twitter.com/lrOjwEvWFg
2016-05-08 10:20:38さて、列車は4時間遅れでニューデリーに到着。 急いで駅前交番に入ると、何と警官が寝ながら応対。 「恐喝!?今担当者呼ぶから待って」 携帯で何やら話すと、またすぐ寝る。 武士の情けで顔出しだけは勘弁しておこう pic.twitter.com/TzUahgJZBw
2016-05-08 10:25:36程なくして担当者が来る。偉そうなハゲの警官である。 「どうしたんです?」 「真夜中に悪い旅行会社に82000ルピー脅し取られました。断ったら安全は保障しないと言われました」 一連の写真を見せる。 「会社名は?」 「それが、航空券の発券会社とカードの引き落とし会社が別のようで」
2016-05-08 10:31:02「まあいい。電話番号は分かるか」 「運転手の電話番号なら」 「どれ」 警官が運転手に電話する。 「運転手はカーンプルまでは送ったって言ってるぞ。別にタクシーだってよかったんじゃないのか?」 警官は明らかにこちらを泣き寝入りさせようとしている。
2016-05-08 10:34:56「ふざけんな!こっちは日本でホテルから列車から予約してきてるんだ!何が悲しくてエアコンもないような車で蚊に刺されながらバカ高い旅行しなきゃいけないんだ!これは恐喝でkidnap(誘拐)だぞ!」 「お、落ち着け。ゆっくり話せ」
2016-05-08 10:39:05「…で、あんたとしてはどうして欲しい?」 「全額返せ!それだけだ」 「…よし、分かった」 携帯電話で誰かを呼び出すと、今度は制服を着ていない男が入ってくる。 旅行会社の人のようだが、警察に突き出しやがって…という顔ではない
2016-05-08 10:56:23警官が言うには、 「で、額についてなんだがな。一般的にタクシーでデリーからカーンプルに行くと1万…いや2万…いや2万4千ルピーだと言うんだ」 「で?」 「その分は払ってやってもいいんじゃないか…」 「何で?こっちはkidnapされてきたんですけど」
2016-05-08 12:09:12