【久々に】インフルエンザに利く薬【ウイルスの話】
「ラピアクタ」だしてる塩野義が開発中。感染までは仕方ない→ウイルスが細胞侵入後、自己複製に使う酵素エンドヌクレアーゼの働きを止めて、細胞の中でウイルスが増殖するのを止める、とな。そして「どうしても経口剤で実用化したかった」らしい。そうでしょうね。
2016-05-09 16:21:43あれ?インフルエンザの薬の話は前にもやったんだけど、この酵素の話は初耳です。
なんかもう最初から間違っている。
@Butayama3 @pollyanna_y インフルエンザの場合、「ポリメラーゼの一部」が、このエンドヌクレアーゼだったりする。
2016-05-09 17:07:25あれ、ポリメラーゼの一部?
@pollyanna_y @Butayama3 この辺は、かなり最近になって判ってきた内容だったり。 この図がわかりやすいかなあ。 biology.kenyon.edu/BMB/Jmol2010/R…
2016-05-09 17:10:47@pollyanna_y @Butayama3 インフルエンザウイルスで「ポリメラーゼ」と呼ばれているものは、3種類のタンパク質(PA, PB1, PB2)が「合体」して出来た「タンパク質複合体」なのだけど、この3つそれぞれの役割が判明したのが割と最近(つっても2009)なのね。
2016-05-09 17:16:31@pollyanna_y @Butayama3 うち、純粋に「核酸を複製するポリメラーゼ」としての中心的役割を担ってるのはPB1だったことが判明。これがインフルエンザウイルスのゲノムを複製して増やすと同時に、必要なウイルス蛋白合成のためのmRNAの「元」を作る。
2016-05-09 17:19:45@pollyanna_y @Butayama3 んで、PAとPB2が巧妙というか……これ2つが協力して「ヒト細胞の中で作られてる宿主のmRNAをつかまえてきて、その先端にある『効率よくタンパク質作るための目印』となる配列を切り取り、それをウイルスmRNAにつなぐ」役目
2016-05-09 17:26:21@Butayama3 @pollyanna_y この「目印」がcap構造ね……見つけられる、というか、この部分があるとmRNAとして安定したり、翻訳(mRNA→タンパク質)が促進されるのよ。 ja.wikipedia.org/wiki/5'%E3%82%…
2016-05-09 17:32:02@Butayama3 @pollyanna_y 他のウイルスの場合、種類によっては自分で合成したmRNAの先端に自前の酵素でcap構造作れるタイプもいるけど、インフルエンザの場合そうではない。なので宿主mRNAのを切り取って(=エンドヌクレアーゼによる切断)くっつける。
2016-05-09 17:35:05@Butayama3 @pollyanna_y ここで言うエンドヌクレアーゼは、この「インフルエンザウイルス・ポリメラーゼ複合体」の中では、PAの一部がその役割を果たしている。なので、今回のは平たく言うと「インフルエンザウイルス PA(の機能の一部)の阻害剤」ってことに。
2016-05-09 17:40:18@y_tambe @pollyanna_y はーい。 ふーん、インフルエンザの薬と一口に言っても、色々な攻め方があるんですね。
2016-05-09 17:47:44@Butayama3 @pollyanna_y この、宿主mRNAから「帽子 cap」をもぎ取るとき、まずPB2が帽子をつかんで(=capと結合)、PAが頭を切り取り、PB1で作られてたウイルスmRNAの先頭にくっつける。頭を切り落とされた、宿主mRNAはうまく働かなくなり(続
2016-05-09 17:51:03