走れひよこまんじゅう

ひよこまんじゅうは激怒した。必ずかの邪知暴虐の東京を除かなければならぬと決意した。
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ひよこまんじゅうは激怒した。必ずかの邪知暴虐の東京を除かなければならぬと決意した。ひよこまんじゅうには政治がわからぬ。ひよこまんじゅうは、福岡の銘菓である。頭から食べられたり、皮だけ剥がされて白あんだけ残されたりしてきた。けれどもに邪悪対しては、人一倍に敏感であった。

2016-05-10 13:26:23
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きょう未明ひよこまんじゅうは福岡を出発し、関門海峡を超え長い長い静岡県を抜け、1000km離れたこの東京駅に新幹線でやって来た。ひよこまんじゅうには父も、母も無い。マイスターによって焼かれたひよこサブレーとセットで買うとお得である。

2016-05-10 13:30:29
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走れひよこまんじゅうの続き必要です?

2016-05-10 17:58:35
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もちろん、羊羹にモナカ、カレーせんべいなどをとりそろえている。ひよこ形以外の洋菓子、和菓子も取りそろえている。近々東京オリンピックが再度行われるということだ。それゆえ、ひよこまんじゅうは、はるばる東京にやって来たのだ。先ず、アンビシャスジャパンを聞きながらホームに降り立った。

2016-05-10 18:04:15
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ひよこには竹馬の友がいた。東京たまご こまたまごである。キャラメルたまご、プリン、ロール、クッキーまである。その友をエキナカで訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったから、訪ねていくの行くのが楽しみである。

2016-05-10 18:09:51
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歩いている内に、ひよこまんじゅうはエキナカの様子を怪しく思った。なんだか歓迎されていないのだ。平日の帰宅ラッシュで、家路に急いでいる人が多いのは当たり前だが、なんだか人々から向ける眼差しに新鮮さがない。のんきなひよこまんじゅうも、段々不安になって来た。

2016-05-10 18:15:07
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路であった東京カンパネラをつかまえて、何かあったのか、以前の東京オリンピックに来たとき、ひよこまんじゅうは歓迎ムードであったと、質問した。東京カンパネラは首を振って答えなかった。しばらく歩いてとらやに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。とらやは答えなかった。

2016-05-10 18:19:32
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ひよこまんじゅうは無い両手でとらやをぷるぷるゆさぶって質問を重ねた。とらやは、あたりをはばかる低声で、わずかに答えた。 「東京は、奪います。」 「なぜ奪うのだ。」 「名物がない、というのですが、名物ばかりでございます。」

2016-05-10 18:30:42
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「はい、はじめは草加煎餅を。それから、銀座文明堂を。それから、鳩サブレを。それから、東京新国際空港を。それから、東京ディズニーランドを。それから、東京ドイツ村を」 「おどろいた。東京は乱心か。」

2016-05-10 18:34:16
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「いいえ、乱心ではございませぬ。売れるのだ、というのです。このごろは、ありとあらゆるものを東京に集めて、地方や海外でちょっと有名な店舗は、支店を出し出すことを命じて居ります・御命令を拒めばフェスを開かれ、行列を作られて、店員が死にます。きょうは、六人殺されました」

2016-05-10 18:36:57
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聞いて、ひよこまんじゅうは激怒した。「呆れた都だ。生かして置けぬ。」 ひよこまんじゅうは、単純な銘菓であった。袋に包まれたままで、東京駅ギフトガーデンにはいって行った。

2016-05-10 18:42:02
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たちまちひよこは、試食攻撃にあった。懐を探られ、ひよこまんじゅうの中からは白あんが出てきたので、騒ぎが大きくなってしまった。ひよこまんじゅうは、東京の前に引き出された。

2016-05-10 18:43:21
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「この白あんで何をするつもりであったか。言え!」 暴君二十三区は静かに、けれども足立区以外は威厳を持って問い詰めた。その東京の顔は緑の銀杏で、皇居の堀は、刻み込まれたように深かった。 「日本の名物を暴君から救うのだ。」ひよこまんじゅうは悪びれずに答えた。

2016-05-10 18:45:13
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疲れたので、一旦休憩(つづけるの!?

2016-05-10 18:46:00
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走れひよこまんじゅうはTwitterで書き続けるの辛いので、続きはwebで

2016-05-10 19:25:31
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走れひよこまんじゅうはオチを思いついてしまったので書き切るしかないのです

2016-05-10 20:36:16
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「おかしがか?」都は、おかしがったた。「仕方の無い奴じゃ。おまえには、東京に名物なしがわからぬ。」 「嘘だ!」とひよこまんじゅうは、いきり立って反芻した。「他人のものを奪うのは、最も恥ずべき悪徳だ。都は、地方の資源を吸い取って居られる。」

2016-05-11 09:38:24
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「奪うのが、正当な心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、ふるさと納税だ。好景気を望んでいるのだが。」 「なんの為の景気回復だ。自分の税をタックスヘイブンする為か。」こんどはひよこまんじゅうが嘲笑した。「他人のものを奪って、何が好景気だ。」

2016-05-11 09:38:38
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走れメロス改変シリーズは基本出オチで始めるんだけども、毎回妹の結婚式のあたりをやりくりするのが結構大変なのである。

2016-05-11 10:02:26
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「だまれ、下賤の菓子。」東京は、きっとタワーを挙げて報いた。「ツリーではどんな清らかな事でも言える。わしには、某ビール会社のアレがアレに見え透いてならぬ。おまえだった、いまに、磔になってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ。」

2016-05-11 11:40:41
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長いので続きはブログで 走れひよこまんじゅう - 最終防衛ライン3 lastline.hatenablog.com/entry/2016/05/…

2016-05-11 16:45:11

まとめ パセリは激怒した きょう未明パセリは畑を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のファミレスの厨房にやって来た。パセリには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人パセリだ。この妹は、畑の或る律気な一セロリを、近々、花婿として迎える事になっていた。 13214 pv 155 39 users 10