第三回おそチョロわんこそば

雪那🎲⛩️ @setuna_matu

【ジャスマネ】誰もいない事を良い事にマネちゃんの腕を引いてソファに押し倒す。突然引っ張られた事で特に抵抗もなく倒れた彼は簡単に僕の腕の中に納まる。「おそ、くん…？」不安そうに見上げてくれる彼が愛しくて、眼鏡を勝手に外して顔を寄せる。ねぇ、そろそろ僕の物になってくれない？マネちゃん

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【ジャスマネ】おかしい。気のせいだと信じたい。それは子を思う親のように、一人立ちしようと思っている様子をそわそわと遠くから見つめているのだとばかり思っていた。気づきたくなかった。気づいてよかった。ふぅ、コーヒーの苦味が口に広がる。さあ、一仕事…出来るだろうか。

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【ジャスマネ】 珍しく、煙草を吸っている彼を見つけた。足音を立てないように背後から近付き、肩に顎を乗せる。「マネちゃん」「わ、びっくりした」「僕にも吸わせて」手首を掴んで吸いかけの煙草に顔を寄せると、手で口を塞がれた。「こら、未成年は駄目」「じゃあこっち」笑って唇を奪ってやった。

雪那🎲⛩️ @setuna_matu

【リーマン】「なぁこれやっといて」渡された書類の上には赤い付箋。わざとらしいアイツの主張に溜め息が出る。それでも返事と言わんばかりに緑の付箋をつけて書類を片して渡す。二人で決めた今日の夜会おうという合図。二人だけの秘密が嬉しいのは…ここだけの話だから絶対アイツには言ってやらない。

雪那🎲⛩️ @setuna_matu

【リーマン】エレベーターが開きアイツが入ってくる。他の人はいない完全なる二人きり。途中で誰かが乗ってくればその時間は終わるからほんの少しだけ。触れたくても誰かが入って来たらと思うと手を伸ばせない僕に気付いたのか、身体に隠すようにアイツが手を握ってくる。…あぁもうちゃんと触れたいな

雪那🎲⛩️ @setuna_matu

【リーマン】あぁもうなんだよアイツは！いくら同期と言ってもあそこまで強く言わなくてもいいだろうが！むしゃくしゃして明日仕事が休みだから適当なバーに入る。適当に入ったけどまぁ酒が飲めればいいや。案内され見るとどうやらオカマバーっぽい。…あれ、あそこにいる奴何処かで、って、えぇ！？

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【リーマン】 開いたエレベーターの中、先に乗ってたそいつと目が合った。無言で肩を並べて動く階数を見遣る。なんかクマすげぇなこいつ、ちゃんと寝てんの？最近ヤッてねぇけど今夜無理かなぁなんて。思ってた、ら、「…あとで」扉が開いた瞬間、チョロ松が俺の手を一瞬握って、笑った。え、まじか。

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【リーマン】 就業時間も随分と過ぎた深夜。残業で残ってたおそ松と一緒にエレベーターに乗り込めば、ダンッと壁に押し付けられた。「…ん？！」荒々しく唇を塞がれて首に掛かった指でネクタイを緩められる。乱暴に咥内を荒らされて膝を震わせると、扉が開いた。「さっさと帰んぞ」家まで待てよ馬鹿。

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【リーマン】 「あいつ絶対そのうち泣かす！」オカマバーで酒を煽りながら上司にそう愚痴っていれば、かしゃん、とグラスが倒れる音が背後から聞こえた。思わず振り返れば、ばっちりと会う目線。「げ、」え、何その格好、お前なんでこんなとこいんの。思わず剥き出しの脚に視線が行ったのは、内緒だ。

ﾌｸﾞﾊﾟﾝﾁきぬさや( '-' @MotimotiSasan

【リーマン】「なん、でお前がここに！？」昼間は真面目な会社員。そんな僕だが夜は別の顔を持っていた。露出の多いドレスに身を包むという普通の会社員とはかけ離れた職業。客だって同じく一般人は来ない、はずなのに。「それはこっちのセリフだよ…」まさかライバルにそういう趣味があったなんてね。

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【リーマン】全く。なんでこんなになるまで言わないんだか。知ってはいたよ？どれだけ頑固で頼ることを知らないかと。せめて俺くらい頼ってくれたっていいのに。そう思いながら足を早める。こんなに走るの辛かったかな。だけど、走る。あいつのために。だからさ、頑張ったご褒美、ちゃんとくれないかな

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【リーマン】深夜。淡々と作業を進めていたが流石に疲れた。階段を使うべきなんだけど、無理。ちょうどよくエレベータが来てると思えば…あぁ、そういうことか。会釈をして乗り込む。何も言わない。下へと降りていく。そっと手に暖かみを感じる。本当、狡いんだから。でもこれでまた頑張れそうだ。

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【リーマン】なんでかわかるんだよな。それはきっと同じ思いだからか。ガミガミいいながら向けられている敵意も。遠くからでもよく分かる視線。自分に向けられるときとそうじゃないときと明らかに違う。普通なら身を引くべきなんだろうけど、負けるものか。だって、こればかりは譲れない。

雪那🎲⛩️ @setuna_matu

【中3】進路表、と書かれた紙を見て溜息を吐く。そろそろ進路を考えなければいけない時期だが僕らの成績から高い所を狙える訳ないし、何より学費が大変だから無理。とすればやっぱり近い所しか選択肢はない。それに、何だろう、アイツの傍から離れる未来が見えないんだよなぁ。…離れたくないけど

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【中３】人間には自我が芽生え、そうしてアイデンティティたるものを確立していく。それはゆっくり時間をかけて。最初は生まれてから自分を認識し始めて、経験だったり環境だったりそうして確立していくものだったりする。そして今壁にぶち当たる。僕は兄に行為を抱いたことによって。

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【中3受験生】 「高校生活ってどんなんだろうな」「受かってから言えよ」向かい合わせにした机の上の参考書。一向に進まないそれに二人でだらだらと机に伸びているとポンと頭に手を置かれて顔を上げる。軽く合わさる唇に溜息を吐いた。 「勉強しろよ」「んー、あとで」流されてしまう僕も、大概だ。

雪那🎲⛩️ @setuna_matu

【警マネ】「すみません落し物したんですけど」近くの交番を覗けば何処かで見た事がある顔が迎えてくれる。何処かで見た事が…「あれ、お前もしかして」「え、…ってお前もしや！？」声をかけられ、漸く思い出す。待てよお前に会いたくなかったんだけど、何でお前馬鹿なだったのに警官になってんの？

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【警マネ】 「おはようございます！」気怠い体を動かしながら歩いていると爽やかな声を投げられる。あー、おまわりさんも朝から大変ですね、なんて気持ちで声の方に顔を向け、固まった。「おそ松…？」「え、チョロ…？」数年ぶりに見た顔に、驚きと共に消し去ったはずの想いが、音を立てた気がした。

原稿中につき低浮上ありーしゃ @areesha_arsha

【警マネ】別に仕事が楽しくないわけじゃない、むしろ楽しい。ただ公務員だったら、だなんて頭をよぎることはある。って財布がない。これから急がなきゃいけないというのに。駆け込んだ交番のおまわりさんはだるそうにしている。「これ、あなたのでしょ？アイドルマネージャーね…」それが出会いだった