駆逐艦ネームシップ会議　議事録3〈駆逐艦の実力はスペックか否か〉

びりびり＠復活 @biribiri_4646

神風「司令官!春風が見つかったって本当!?」 提督「おう、ついさっき出撃していた艦隊から連絡があった。編成を組みなおしてまた出撃させる」 提督「…何か言いたそうだな」 神風「司令官、私も編成に組んで!春風を助けに行きたいの!」 提督「却下だ」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「どうしてよ!?」 提督「お前は艦娘になったばかりで戦い方もまだ分からないんじゃないのか?そんな状態じゃ味方の足を引っ張るだけだ」 神風「…」 提督「分かったなら戻って基礎訓練つけてもらえ。今編成考えてるから」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「…そうだ!司令官、編成リストとか無いの!?」 提督「んー?あるぞー」 神風「それ見せて!」 提督「まだ仮組だぞ?」 神風「いいから!!」 提督「へいへい…」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「やっぱり。この編成、駆逐艦三人も入れてるじゃない!」 提督「だからどうしたー?全員お前より戦力になるぞ」 神風「私がこの三人より強ければ組んでもらえるのよね!?」 提督「あー…まぁ…そうだな」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「だったらこの神風、この三人と一対一をやるわ!一人でも勝てばその娘と入れ換えて!」 提督「流石に勝てないだろ」 神風「勝てば良いんでしょ?!」 提督「分かった分かった入れ換えてやるよ…」 提督「だが秋月に勝っても入れ換えねぇぞ。あいつは対空の要だ」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「分かったわ。次の出撃はいつ?」 提督「資材があまりないし出撃させる奴等のコンディションも整えなきゃならんからな…5日、いや1週間後だな」 神風「じゃあ5日後に一人,6日後にもう一人とやるわ。絶対見に来てちょうだい!」 提督「へいへい分かったよ」 #駆逐艦ネームシップ会議

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電「よかったのですか?」 提督「いいんだよ、どうせ勝てない。万が一勝つことがあればその時は…」 電「その時は?」 提督「編成に組み込んでやればいい。助けるなら最善の手を使った方がいいからな」 #駆逐艦ネームシップ会議

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編成リストには、連合艦隊の仮編成が書かれていた。 第一艦隊には戦艦長門、空母赤城など主力艦娘の名が。 第二艦隊には軽巡神通、駆逐艦秋月など第一艦隊の護衛艦娘の名が。 神風は第二艦隊に書かれていた二人の駆逐艦の名を無意識に呟く。 神風「陽炎と電か…」 #駆逐艦ネームシップ会議

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-廊下- 神風「彼を知り己を知れば百戦殆からず。まずは相手の情報を手に入れないと…」 ひた…ひた… 神風「さっき司令官に書庫がどこにあるか聞けばよかったわ」 ?「あのぅ…」 神風「ひぃ!」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「急に後ろから声かけないでちょうだい!!」 振り替えると、金髪碧眼、右手に本を持ち、軍帽を被り、なぜかスクール水着を着た少女が立っていた。 ?「ごめんなさいねぇ。私、潜水艦『伊8』っていいます。『ハチ』と呼んでくださいね?」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「は、初めまして!先日着任した駆逐艦『神風』です!宜しくお願いします、ハチさん!」 伊8「よろしくね。ところで、さっき『書庫が…』って言ってたけど。書庫に用があるの?」 神風「はい!書庫に行けば過去の自分の戦歴や、他の艦の戦歴も見れると思って…」 #駆逐艦ネームシップ会議

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伊8「それならちょうどいいですね。私も今から書庫に向かうんです。一緒に行きましょう?」 神風「ありがとうございます!…ところで、なぜそのような服装なんですか?」 伊8「潜水艦の制服はこれって決まってるの。泳ぎやすくていいんだけど…ね」 伊8は苦笑する。 #駆逐艦ネームシップ会議

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-書庫- 伊8「ここが書庫です。分からないことがあったら受付の娘に聞いてみてね」 神風「はい!ありがとうございました」 ビッテ シェーンと言ってハチは本棚の林の中へ向かっていった。 その後ろ姿を見て神風は最初の違和感に気づく。 神風「素足だったんだ…」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「さて、まずは『陽炎』について調べようかしら。すいません、ちょっとお聞きしたいんですけど」 神風の声に、桃色の髪を飾り付きのゴムでポニーテールに纏めた少女が答える。 ?「はい、どうしましたか?」 神風「艦娘の戦闘記録とかってありますか?」 #駆逐艦ネームシップ会議

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?「ありますよ。ここは書庫であると同時に記録、資料等を保管する場所でもありますから」 神風「あぁよかった。無かったらどうしようかと思ってたのよ。『陽炎』って艦娘の資料ってある?」 ?「！…失礼ですがあなたは…?」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「あぁごめんなさい、自己紹介がまだだったわね。先日着任した駆逐艦神風よ。見た感じあなたも駆逐艦でしょ?」 ?「はい、不知火といいます」 神風「よろしくね、不知火」 不知火「それで、なぜ陽炎の資料が必要なのでしょうか?」 神風「あー…まぁちょっとね」 #駆逐艦ネームシップ会議

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不知火「…まぁここの資料は誰でも見れますから構いませんけど。案内します」 神風「お願いするわ」 #駆逐艦ネームシップ会議

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-書庫内、第一列本棚(通称駆逐棚)- 不知火「こちらです」 神風「…これ全部ここの艦娘の資料なの?」 不知火「いえ、ここには駆逐艦の資料しかありません。第二には軽巡、重巡、航巡。第三には空母。第三には戦艦、潜水艦、水母などの特殊艦等の資料があります」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「…多いわね…」 不知火「ここは最前線ですから。こちらが陽炎の資料です」 神風「ありがと。それにしてもすぐ見つけれたわね」 不知火「不知火はここの担当なので把握していて当然です。落ち度無いです」 神風「そりゃすごいわね」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「そうだ。ごめんなさい、もう一つ探してる資料があるんだけど…」 不知火「なんでしょうか?」 神風「駆逐艦電の資料はあるかしら?」 不知火「電のですか?少し待ってください」 神風「奥に行っちゃったわ…」 #駆逐艦ネームシップ会議

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不知火「お待たせしました」ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ 神風「…その台車に乗ってるの全部?」 不知火「はい、全部です」 神風「嘘でしょ!?」 不知火「嘘ではありません。彼女はこの鎮守府が作られ、司令が着任したときからいる最古参の艦娘です。資料は山になるほどです」 #駆逐艦ネームシップ会議

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神風「…奥から出してきたのはこの資料が棚に収まらないから?」 不知火「それもありますが、彼女はこの鎮守府最古参にてこの鎮守府最強の艦娘です。資料は厳重に保管してあります」 神風「じゃあなんで新米の私の言うこと聞いて出してきてくれたの?」 #駆逐艦ネームシップ会議

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不知火「…なぜ陽炎の資料が必要なのでしょうか?」 神風(そこに繋がるのか…これほど大事な資料を出してまで気になるのね…) 神風「…五日後に陽炎、その次の日に電と演習するの」 不知火「やはりそうですか…。司令が決めたのですか?」 神風「いえ、私の意思よ」 #駆逐艦ネームシップ会議

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不知火「…陽炎は強いですよ」 神風「それでも勝たなきゃいけない。勝って編成に組んでもらって妹を助けに行きたいの」 不知火「…そうですか」 不知火「少し待ってて下さい」 神風「今度は書庫から出てっちゃった…」 不知火「お待たせしました」 神風「はやっ!」 #駆逐艦ネームシップ会議

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不知火「これをどうぞ」 神風「…?何?このノート」 不知火「これは不知火が陽炎と出撃した時の記録をまとめたものです。そこの資料よりは細かく書いてます」 神風「いいの?これ」 不知火「…演習が終わった後にきちんと返してくださいよ」 #駆逐艦ネームシップ会議