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日本人のための英語発音の練習方法

英語発音に関する記事(http://www.eigo-sense.com/howtostudy_accent.html )を公開した背景をまとめました。 この記事には以下のようなことが書かれています。 ・特に日本人が苦手とする発音のコツ 続きを読む
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ヒロ@英語SENSE @dyankiya

さて、これから私がこの発音記事(日本人のための英語発音の練習方法 eigo-sense.com/howtostudy_acc…)を書いた背景をちょっとだけ説明していきます。

2016-05-30 22:18:39
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

まず第一に、歌の歌い方とか発音の仕方といった「声の出し方」に関係する教えはどうしても主観的で曖昧になりがちで、再現可能なメソッドなものになりにくいというところに私は問題意識を持っていました。

2016-05-30 22:19:14
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

この問題は「自分の発声器官がどう動くのかを正しく知覚している人が少ない」あるいは「発声器官に関する正しい知識を持っている人が少ない」ことに起因しています(訓練されていないネイティブスピーカーが英語の発音を正しく教えられないのは、このためです)。

2016-05-30 22:20:15
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

発声器官というのはかなり複雑なので、相当意識して訓練した人間でなければ正しく知覚できません。腹から声は出ません。アゴは上には開きません。声は胸には落ちません。

2016-05-30 22:21:07
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

こういったイメージを指導に活用することは方法論としてはアリだと思います。しかし問題は、このような主観的なイメージは他人と完全に共有することは難しいということです。

2016-05-30 22:22:13
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

もしかしたらその人のイメージの中では、お腹から声が出ているのかもしれません。しかしそのイメージを同じように生徒が(正しく)感じられるかというと、それは別の話です。

2016-05-30 22:22:49
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

ですからイメージを使うのであれば、できるだけ普遍性のあるものにして、かつ先生がそれを例示できる状況で使う必要があります。「胸に落ちた声とは、こういう声だ」と先生が再現できるのであれば、それは複雑な概念を言葉で言い表すための良い共通言語になりえます。

2016-05-30 22:23:37
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

なので文章で発音のことを伝えるときは、できるだけ音声学的に正しく、そして客観的で再現できるような方法で書かなければならないと思っています。私の記事でもイメージの表現を完全にゼロにすることはできませんでしたが、しかしできるだけ表現は厳密にしたつもりです。

2016-05-30 22:24:14
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

ただ、あまり細かく書きすぎると身体のことで頭がいっぱいになり理解しづらくなってしまうので、難しいところです。ただ、今回の記事では、一見のわかりやすさよりも正解に近いことを目指しました。曖昧な理解で曖昧に練習しても、結局何も身にならないからです。

2016-05-30 22:25:56
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

「アとエの中間」というイメージで bat が発音できるのは、もしかしたらあなただけの感覚かもしれません。あなたにとって正解であれば、それはそれで構いません。しかし、それを他人が理解できるかどうかは別の話です。

2016-05-30 22:26:40
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

「アとエ」の中間というのは、何が中間なのか。舌の位置なのか、口の開け方なのか、アゴの開き方なのか。はたまた聞こえ方のイメージなのか。その聞こえ方のイメージは、本当に他人と共有できるものなのか。あなたは即座に正解を再現できるのか。

2016-05-30 22:26:59
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

そのようなことを考えて初めて「アとエの中間」と言えるかどうかが決まります。ほとんどの人はおそらくそこまで突き詰めて考えてはおらず、単に「自分がそう教えられたから」そう言っている(思い込んでいる)可能性が高いと思います。

2016-05-30 22:27:37
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

幸いにして、音声学は近年(といってもここ数十年くらいですから最新というほどでもありませんが……)で大きく進歩しました。母音の音色に影響を与えるものは何なのか、昔よりはわかりつつあります。そのような知見を活用しない手はないと思います。

2016-05-30 22:28:08
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

次に私が書きたかったのが、発音の優先順位についてです。

2016-05-30 22:28:28
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

日本人英語の問題点として「リンキング(リエゾン)ができていない」とか「LとRが区別できない」とかいろいろ言われていますが、ところがどっこい、実際に発音が通じないパターンで一番多いのは、基本の基本「母音が間違っている」だと思います。

2016-05-30 22:28:47
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

これに加えて「アクセントの位置が間違っている」というのも英語が通じなくなる大きな原因ですが、ここはまあ、辞書を見れば分かる話ですから、中級者以上を目指すための今回の記事では取り上げませんでした。これは発音というよりも単語を覚える段階の問題です。

2016-05-30 22:29:20
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

リンキングができなくてもそれほど問題ではありません。母音が違うから、単語ですら通じないのです。子音の違いは、母音に比べるとそれほど致命的ではありません。母音が根本的に異なると、そもそも「ゆっくり、はっきり」発音しても通じないことが多いです。

2016-05-30 22:29:58
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

ところが英語発音の解説記事などを見ると、あまり母音の話題は出てきません。これは前述の理由で母音を教えるのがそもそも難しいということも影響していると思います(一方、子音やリンキングは解説しやすいです)。

2016-05-30 22:30:34
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

母音に苦戦する皆様に、分かりやすいメソッドを伝えたい。それが実は、この記事を書くときの一番最初のモチベーションでした。

2016-05-30 22:31:12
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

最後に「英語らしい声」についてですね。

2016-05-30 22:31:59
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

これについては、いろいろな学派があると言いますか、論争があるほどに一部でホットなテーマだったりします。その争いに巻き込まれたくはないので、この項目を書くかどうかはやや悩みました。

2016-05-30 22:33:01
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

また、英語らしい発声というのは、大多数の日本人学習者にとっては必要ないものかもしれないとも思いました。

2016-05-30 22:33:17
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

しかし、発音と発声というのは表裏一体のもので、つながっています。発音がこうだから、発声もこうなる――そのように説明できれば、必ずしも今すぐに英語話者らしい声が必要ない方にも、全体像を認識して納得感を得られるのではないかと思い、この部分も公開することにしました。

2016-05-30 22:33:53
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

私は、あらゆる学習ごとにおいて「全体像を把握する」ということを非常に重視しています。全体の地図があって、目指すべき場所がわかり、自分の位置を知っていれば、モチベーションが失われるようなこともなく、また自分に不必要な勉強をして時間を無駄にすることもありません

2016-05-30 22:34:22
ヒロ@英語SENSE @dyankiya

記事が長い言い訳かもしれません。が、とにかく全体像をおおまかに把握できるような、そんな内容にしたかったのは確かです。

2016-05-30 22:34:58