ま、そんなこんなでやってきたエルランゲンでしたが、これは予想を超えてすごいコミックフェスティバルでした。まずドイツで最も大きなコミックフェスティバルで、主だった出版社がみんな来てる。いわばコミックのエルランゲン・ブックフェア。しかもインデペンデント系も同人誌系も超充実!
2016-05-31 08:25:16アメコミもあれば、BD(バンドデシネ。ヨーロッパ系のコミック)もあれば、マンガもあれば、グラフィックノベルもある。ほんとうに多種多様。ドイツはコミックは基本的に輸入文化で独自のコミック文化はあまりなかったのだけれど、逆にそのために、今はものすごく国際的で多様な市場になってる。
2016-05-31 08:27:242000年ごろには、ドイツでコミック作家として食べていける人はほとんどいないと言われていたのだけれど、今は明らかに状況が変わっている。ドイツ人の漫画家さんも確実に増えていて、しかも確実にレベルが上がって上手になってる。続)
2016-05-31 08:30:26しかも以前は少女マンガ隆盛だったのだけれど、今は女性作家が多いのは相変わらずだけれど、「恋愛ばかりの少女マンガはつまらない」と、少年マンガ風の作品を描く女性作家が増えてきている。でも、「世界で一番BLが好きな国」であるのは相変わらずで(笑)、BLパネルがめちゃくちゃ面白かった。
2016-05-31 08:33:54彼女たちによると「西洋では内面のある主人公はみんな男。女はステレオタイプ。深い内面を描こうとすると男の方が描きやすい」(⇔「少女マンガは内面を描く」)。また、攻め・受けが最初からあるのでなくてもっとリアルで、もっと骨格や筋肉がきちんとしたキャラクターが描きたい。面白かったのは(続
2016-05-31 08:38:45パネリストの一人の女性作家が描いている作品が、一見するとBLというよりゲイマンガ。一方、一人だけ男性パネリストがいて、彼はゲイでゲイの感覚を描きたいと言っていたのだけれど、彼のほうが表紙は、一見するとBLっぽい。なぜそうなったかというと、女性作家は美大出身で、デッサンの時、(続く
2016-05-31 08:41:43かなり毛深くて男っぽい男性モデルの裸像を描いた時、それまでのみんな同じ顔した美少年より、こういうキャラクターを主人公にした方が面白いのでは?と思ってそういう作風になった。一方、男性の側は、ドイツのゲイ向け出版社はマンガを出したがらない。マンガで描こうとするとBL読者向けになる。続
2016-05-31 08:44:52だから、ゲイの感覚を描きたいのだけれど、圧倒的に女性読者の多いドイツの「マンガ」というジャンルで経済的に成り立たせるためには、女性読者を意識せざるを得ない。だから入口はBL風にしている。自分の作品はゲイマンガとBLのハイブリッドなんだ、と。「マンガ」文化の位置づけの違い。
2016-05-31 08:48:35@honeyhoney13 ドイツのゲイ向け出版社とはお付き合いがありますが、確かにそこは小説などは独語版を出していますが、マンガやコミックス(BD形式のものとか、アメコミ風ゲイコミックとか)は英語でしか出しません。その理由は市場の小ささだそうです。
2016-05-31 09:03:40@tagagen そうなんですよね。ドイツでは、男性向けのマンガ市場はとても小さいんですよね。でも、コミックのほうは男性読者も多い気がするのですが、たしかにマンガ(女性読者が多い)の方がはるかに大きな市場のようなので、そうなるんでしょうね。日本ともアメリカとも違いますよね。
2016-05-31 09:07:01エルランゲン(エアランゲン)、今年も谷口ジロー先生のお名前が。応酬での存在感は抜群だなぁ comic-salon.de/de twitter.com/honeyhoney13/s…
2016-05-31 08:12:28さて、ロシアのコミックショップで計算機を手にしたお姉さんに「こんなに大量に買う人はこの先5年はいないだろう」と言われた私ですが、その後エルランゲンのコミックサロンを満喫して、今日からハンブルグに来ています。最初はエルランゲンってどこ!?サンクトペテルブルグからどうやって行くの?続
2016-05-31 08:08:37.@DaisukeP エルランゲンでは谷口ジロー展も大々的にやっていたんですが、同時にトルコとインドのマンガ展も!すごい勢いでマンガとコミックの人気が高まりつつあるドイツは、メキメキ「国際漫画都市」になりつつある印象を受けました。しかもコミック情報誌や批評誌が多くてレベルが高い!
2016-05-31 08:55:15しかしエルランゲンは「宝の山」だった。ちょっと歩くと「これは買わねば!」という本や雑誌があるので、どんどん買って、さて、どうやって持って帰ろう?
2016-05-31 09:08:45しかし、ベーシックな文化としては共通して活字信仰が非常に強く「絵」に否定的なドイツとロシアで、こうも現在のマンガ(コミック)文化の位置づけに差があるとは。基本の姿勢が似ているので、余計その違いが目立った。まあミュンヘンの入国審査では、「コミックだって!?」と嫌な顔をされたのだが。
2016-05-31 09:14:44