- gc7LCharlotte
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――戦場で今まさに朽ちようとしていたアタシの命を拾い上げたのは、霞むアタシの目の前に、幸運か不幸かぷかぷかと漂っていた混沌核であった。
2016-05-31 22:13:01三つ巴の混線の中で、誰にやられたのかもわからないような致命傷を抱えて、目の前には混沌核。ただ生き残りたいだけのアタシに取れる手段はひとつしかなかった。 アタシは、その混沌核を喰らった。
2016-05-31 22:13:45そうして、アタシは一か八かの賭けに"おおむね"勝利する。 いっそ死んでしまえばよかったと思えるほどの激痛と死への恐怖へ時間が続き、次第にアタシの肉体には混沌核がほどけた邪紋が刻まれ、そしてアタシを死に至らしめるはずだった傷は癒え。
2016-05-31 22:14:13ただ一点だけ、なぜか体の末端からボロボロと身体の肉が崩れ落ちさえしなければ、"おおむね"だなんて曖昧な言葉を使わずともよかったはずだったのだった。
2016-05-31 22:14:40何が起こっているか分からずに混乱するアタシの前に現れたのは黒衣を纏った魔法師らしき人物であった。その人物は、アタシが混沌核の完全なる取り込みには失敗して肉体的には死を迎えているであろうこと、そのため結局残り7日程度で命を落とすであろうことを告げ、こう付け加えた。
2016-05-31 22:15:04『我々にはお前の命を長らえさせるための手段がある。望み通りの働きをすれば、お前にその手段を与えてやる』――と。
2016-05-31 22:15:154月1日 - 4廻目
――とあるパンドラのアジトにて
【パ/入手/調査点6】シャルロッテ@同盟はアジト最奥で封印された扉を発見!《奇妙なメダル/陰》《奇妙なメダル/陽》が揃えば(この診断に支援した者が持つものも含む)それらは失われ《希望の箱》を得る(1… appli-maker.jp/analytic_apps/… #GC七廻
2016-06-01 00:03:11「――――ッはァッ!!」 アタシは、魔法師の魔法で半壊したアジトの瓦礫の下から、やっとの思いで抜け出した。あの女はもう立ち去ったあとのようだ。嫌に静かに風もなく、周りに動くものはなにもない。何一つ雲のない空が、むしろ嫌味かなにかのように思えてくる。
2016-06-01 01:31:08『最近"パンドラ"を嗅ぎ回っている小うるさい魔法師』――アタシが殺さなくてはならない相手、シャルロッテ・ベルンシュタインは、まるで隣人の家に野菜でもお裾分けに来ましたとでも言わんばかりの気楽さで"パンドラ"のアジトのひとつに現れた。
2016-06-01 01:31:45アジトに駐留していた邪紋使いも魔法師も、それはもう大混乱の様相であった。まさか、殺すべき標的がご近所感覚でやってくるなどとは、夢にも思わない。 とはいえ飛んで火に入る夏の虫、アタシも含めて彼らは一斉にシャルロッテ・ベルンシュタインに襲いかかり――。
2016-06-01 01:32:12確認できた範囲だと、まず一条の雷光が走った。ここで数人が消し炭になる。それから、運良く肉薄したひとりの邪紋使いが、突然首から血を吹き出して崩れ落ちた。魔法師の手にはいつの間にか鋭利な剣が握られていた。パンドラの魔法師たちが魔法弾を乱れ撃ったのは、幾層もの魔法結界によって阻まれた。
2016-06-01 01:33:14最後に突然地面が大きく揺れて、建物が崩れはじめた。アタシの目の前に今にも降りかかってくる瓦礫をスローモーションのように視界に収めている向こうで、魔法師の声が聞こえた。
2016-06-01 01:33:54『あっ。全員殺しちゃ駄目じゃんしまった』 ……それはまるで、保存してあった食材を使いすぎたかのような軽い声色。 そうして、衝撃とともにアタシの意識は暗転する。
2016-06-01 01:34:14アタシの存在が気付かれなかったのか、気にも留められなかったのかは、分からない。 ただ、アタシはとんでもない"死の行軍"を征く羽目になったのだと……遅まきながら、悟った。
2016-06-01 01:34:29