http://toyokeizai.net/articles/-/120610
奨学金問題の根本原因は教育・雇用の歪みだ
高すぎる大学の学費は、少子化も加速させる
関田 真也 :東洋経済オンライン編集部 記者
2016/6/3
将来への負担感を感じさせない給付型奨学金の必要性を強調する、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏。貧困層は「トンネリング」と呼ばれる視野狭窄状態に陥っていることが多く、未来への投資を行う経済合理性を期待するのは難しいことを、導入の主な根拠としている(前編:「給付型」奨学金が日本の貧困層には不可欠だ)。
しかし、同時に奨学金の問題は、それだけをみると本質を見失いがちだとも指摘する。硬直的な労働市場のあり方が、「大卒」を目指す人々のマインドに大きく影響しているし、高額の学費を受け取る大学が提供している、教育内容の問題も見逃すことはできない。インタビューの後編では、こうした奨学金に連関する問題点に迫った。
進学費用は、大学関係者の人件費が重い
――日本では、教育費は親が稼いで調達するのが当然という風潮、強いですよね。しかし、高等教育にかかる費用はとても高い。
1人の子供について、大学を卒業させるまでには最低でも2000万円かかるんですよね。そのうちの半分が大学関係費用で、さらにその半分が大学関係者の人件費なんです。
――奨学金が、大学への追加の「補助金」化しているのではないかという批判もある。
ここは明確にしておきたいのですが、私はどのような大学でもいいから、誰もが進学するべきだとは思っていません。いわゆる「Fランク大学」に入って卒業しても、きちんとした教育を受けられずに奨学金を返せるメドが立たないことになるなら、意味がない。
そういう大学は、教育機関として失格だと思いますし、税金によって助ける必要なんてない。潰れるべき大学もまだまだあると思いますが、相当数、残っていますね。
――大学教育のクオリティが低いままで、給付型奨学金に予算を投入するのはいかがなものか、という意見も根強い。
今だと、すべての文系大学で「マクロ経済A」を教えているけど、中には教え方がすごく下手な人もいるのが現実ですよね。僕の大学では竹中平蔵先生が担当されていたので、それなりにわかりやすかったけど、違う学部だと教授が黄ばんだノートを見ながらぶつぶつ教壇で独り言を言っていたり……。そういう人は極端な話、研究だけしてもらえればいいと思います。
教えることに長けている先生の講義をビデオで撮って、インターネットで見られるようにすれば、それを基にディスカッションだけ大学でやるという形だってありえるかもしれない。そうすれば、教えるのが上手くない先生の人件費は減らせると思うんですよね。
――これまでの「大学」の形に縛られる必要はない、と。
これからの教育現場では、学びを促進することがうまい、ファシリテーター的な人が求められてくる。教壇で独り言をつぶやいているような教授の人件費を削減できれば、日本の大学が家計に与える負担は下げられるし、日本の少子化問題にもポジティブです。
少子化問題の元凶なのではないか
(略)
企業に福祉を押しつけることは、もう限界
編集部にこの手合が好きな人がいるのだろうが湛山の名が泣くぞ東洋経済。 奨学金問題の根本原因は教育・雇用の歪みだ 高すぎる大学の学費は、少子化も加速させる|奨学金制度はどうあるべきか 東洋経済オンライン toyokeizai.net/articles/-/120… @Toyokeizaiさんから
2016-06-03 20:47:26奨学金問題の根本原因は教育・雇用の歪みだ 高すぎる大学の学費は、少子化も加速させる | 奨学金制度はどうあるべきか - 東洋経済オンライン toyokeizai.net/articles/-/120… これか。。
2016-06-04 21:19:35駒崎氏、「教えることに長けている先生の講義をビデオで撮って、インターネットで見られるようにすれば、それを基にディスカッションだけ大学でやるという形だってありえるかもしれない」というけど、アメリカのオンラインコースの場合、ネットにアップする動画は10分までとよく言われるんですよね。
2016-06-04 21:20:57長い動画がネットにあっても、それを集中してみる学生なんて少ないからね。また、学生のネット接続環境にも影響されてしまう。講義動画は極力短くしないと、誰も見ないで終わってしまうということに。なので、講義動画を授業メインにするってのがそもそも無理なんだと思うんですよね。
2016-06-04 21:22:28お返事有難うございます。教育方法の議論をするのはいいことと思います。ただ、駒崎さんの論点は教育の人件費を削るためにということでしたね。演習と議論担当教員の給与は減らされるべき、あるいは非常勤でなんとかなるという見立てなのでしょうか? twitter.com/hiroki_komazak…
2016-06-05 11:32:29また「演習と議論にシフト」するということは一つの大学での教育方法の可能性ではあると思いますが、それに組み込まれるのがなぜインターネットでの「動画」になるのかもよくわかりません。@hiroki_komazaki
2016-06-05 11:38:24おそらく、MOOCsではない、多くのアメリカの大学で行われているオンラインコースがどういうものなのか、という情報が圧倒的に日本で不足しているのかなあという気はする。オンラインコースについて、どういう実践や調査研究の結果があり、それがどう生かされているか、など。
2016-06-05 11:52:49通常のオンラインコースにしろ、MOOCsにしろ、その限界がかなり調査もされてきたところだろうし、実践してどうだったか、という教員たちの経験談的なものも積み重ねられていることだろうと。私は普通のオンラインコースも担当するけれど、その限界はひしひしと感じている。
2016-06-05 11:56:28様々な事情から、大学キャンパスに通えない状況の学生たちのためには確かにオンラインでの授業、必要な面も大きいと思う。あとは夏学期の間は、学生がバイトなどしなくてはならず、キャンパスでの授業が成り立ちづらい。夏学期は実質、オンラインではないと私の大学も学生が集まらなくなってる。
2016-06-05 11:58:59本文読んでいますよ。その上で疑問を申し上げています。「教えるのが上手くない先生の人件費は減らせると思うんですよね」と書かれていますよね。駒崎さんのお考えのところの「教えるのが上手くない先生」はクビにするのか、給与を下げるのかなと。 twitter.com/Hiroki_Komazak…
2016-06-05 12:08:06また議論担当教員を「教えるのが上手くない先生」の代わりに雇うという意味なのかなと。だとすると今の「教えるのが上手くない先生」より、議論担当教員の給与が安いか、非常勤かでないと、駒崎さんがご主張される人件費削減にならないと思うのですが twitter.com/Hiroki_Komazak…
2016-06-05 12:11:26要するにテニュアの教員数(ポジションの数)を減らす、ということをご主張されているわけでしょうか?それにより、大学での教育の質がどれだけ下がり得るか、というご視点はありますか? twitter.com/hiroki_komazak…
2016-06-05 12:34:36Chronicle of Higher Edからいくつか記事紹介。Why Professors at San Jose State Won't Use a Harvard Professor's MOOC shar.es/1J3zPK
2016-06-05 12:39:44In Colleges' Rush to Try MOOC's, Faculty Are Not Always in the Conversation shar.es/1J3i3c @chronicleさんから
2016-06-05 12:41:03