内部留保が膨らむことと、それとお給料が増えない事とは関係ないのでは?
- amigoconsul
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内部留保を指す「利益剰余金」は三月末時点で前年同期比6%増の三百六十六兆円。一方で、従業員の給与は横ばいのままで、企業のもうけを働く人たちの賃金の増加と個人消費の増加につなげようとした政府のシナリオは実現していない。(2016年6月5日 東京新聞)
2016-06-05 23:10:08このような報道がなされており、内部留保が増加しているという事柄と、従業員の給料が増えていない事実を並べて書いています。
2016-06-05 23:10:19いつも内部留保の報道がなされると思うのですが、内部留保が増えたといった『事柄』を、その時々で主張したい『何か』と結び付けて報道するといったケースが多いということです。
2016-06-05 23:11:02でも、定義上(まあ、内部留保っていう言葉もあやふやなのですが、利益剰余金として考えると)内部留保が増えたからと言って、現金が金庫に積みあがるわけではありません。
2016-06-05 23:11:22例えば、(税金とかを支払った後のお金で)100万円儲けて、その100万円で機械を買ったら、内部留保は100万円増えますが、現金は一円も増えません。
2016-06-05 23:12:04このように、内部留保が増えていると言うことを強調しても、それは単なる起こっている事柄ですから、そうなんだ…と思うことはあっても、それを活用してどうのこうのにはつながらないと思うのです。
2016-06-05 23:12:59確かに、個人的には働く人が受け取る賃金が増えるといいなとは思います。やはり、個人個人がしっかりと消費をすることが景気の浮揚には大切ですからね。
2016-06-05 23:13:59この内部留保というキーワードが出てくる報道では、内部留保が膨らんでいるから投資をすべき、支払う給与を増やすべきといった話の進め方が多くなります。
2016-06-05 23:14:19しかし、投資をしても定義上内部留保は減りませんし(もっと言うと、内部留保になりうる利益を獲得するために投資を行うわけですから)、むしろ積極的な投資は(うまくいけば)内部留保の増加要因となります。
2016-06-05 23:14:44また、支払う給与を増やせと、経営者に賃上げを促すにしても、大きな企業の経営者は基本的には株主から経営を任されている人たちです。
2016-06-05 23:15:34そのため、労働市場で調達できる労働力に不必要な高い価格はつけられません。(だってある会社が従業員を300万円で雇えるのに400万円で雇う合理的な理由はありませんからね。)
2016-06-05 23:16:19また、仮に合理的な理由もないのに300万円で雇える人を400万円で雇ったとしたら、その経営者は株主から責任を追及されかねません。 株主からお金を預かってそれを増やすのが経営者の仕事ですから、最悪の場合は経営者失格の烙印を押されてクビにされてしまいます。
2016-06-05 23:17:35そのため、普通の経営者は不必要な賃上げはしないのです。(オーナー社長の場合は、他人からは責任を追及されませんが、その会社にとって意味のない賃上げはしないでしょう。)
2016-06-05 23:19:20ですから、内部留保が…と言っても、株主に対しての配当金を増やすこと以外の方法で内部留保を減らすといった事は経営者としては、目的とはなり得ないわけです。
2016-06-05 23:21:45この報道の後半部分に 「企業はいっそう(将来のコスト負担になる)人件費にお金を投じにくい環境になっている」 (2016年6月5日 東京新聞) とありますが、まさに問題はそこにあると思います。ですから、結果である内部留保がどうのこうの言っても仕方ないような気がするのですが。
2016-06-05 23:25:00