Rickyさんによる、日本の手形についての解説。

売る側が金利負担する日本の手形システムは、正にマイナス金利。
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wankonyankoricky @wankonyankorick

もらった手形の枚数数えながら、日本って本当に変な国だよなあ、と思う。。。。

2016-06-21 12:51:54
wankonyankoricky @wankonyankorick

英在学の教科書には全く載っていないけれど財務管理とか経営財務の教科書には必ず説明されていることに、手形というのは売る側が売る側自身の金利負担で買う側にファイナンスを提供している、という議論がある。まあ、考えてみれば当たり前の話なんだが。

2016-06-21 12:54:11
wankonyankoricky @wankonyankorick

@wankonyankorick 英在学じゃなくて、経済学、ね。。。。

2016-06-21 14:24:17
wankonyankoricky @wankonyankorick

近年では、手形よりも電子債権や、一括信託支払い方式(ファクタリングといわれている)のほうが多くなっているようだが、同じこと。すべて、金利は貸す側が負担する。勿論、金利分も製品価格に含まれているんでしょ?といえば、そういう面が全くないわけではない。

2016-06-21 12:55:56
wankonyankoricky @wankonyankorick

アメリカなんかだと、取引の支払条件は「検収日から30日以内。ただし15日以内に支払いの場合は〇〇%引き」というのが普通だが、日本では「月末締め翌月末120日手形払い」などとなる。つまり、4月の1日に売上げた製品の代金が入金するのは、5か月後ということだ。これが、日本の

2016-06-21 12:57:41
wankonyankoricky @wankonyankorick

少なからぬ数の製造業で普通に行われている商習慣。4月1日に売った側は、5月31日にやっと手形をもらえる。それがお金になるのには、さらに3か月かかる。その間の運転資金の金利は自分自身が負担しなければならない。買った側はそれだけの金利を仕入れ業者に押し付けることができる。

2016-06-21 12:59:31
wankonyankoricky @wankonyankorick

仕入れ業者は、どうしても120日以内に売上代金の資金化が必要なら、これを金融業者に持ち込んで、割り引いてもらうしかない。勿論、割引料(金利)は自分で負担しなければならない。

2016-06-21 13:00:43
wankonyankoricky @wankonyankorick

つまり日本というのは、資金を借りた側ではなく貸した側が金利を負担しなければならない、という世にも不思議な国。いわゆるマイナス金利なんて、ビジネスの世界では60年代からずっと普通に存在していた。

2016-06-21 13:02:06
wankonyankoricky @wankonyankorick

アメリカのファイナンスの教科書に載っているファクタリングと、日本で通常「ファクタリング」と呼ばれている者の性格を比べると、この点が非常にはっきりする。アメリカでファクタリングというのは、遠隔地へ販売したため検収まで日数がかかり、途中で資金化が必要になった時に使われる、とされる。

2016-06-21 13:03:40
wankonyankoricky @wankonyankorick

つまり、船便で発送して、検収まで1か月かかってしまうと、検収後30日以内の場合、代金の入金は最大で2か月先になってしまう可能性がある。こうしたとき、販売業者は金融業者に売上代金を担保に資金を借りる。日本は、隣の向上に売る場合でも、代金の入金が数か月先になる。つまり、

2016-06-21 13:06:21
wankonyankoricky @wankonyankorick

日本では、ファクタリングは、売り手の資金を賄うためではなく、買い手の資金を賄うために使われる。経済学で金利や貨幣政策の効果を議論するとき、こうした「売り手が書いての資金を自分の金利負担でファイナンスする」という状況が広範に存在している、ということがどの程度考慮されているのか。

2016-06-21 13:08:00
wankonyankoricky @wankonyankorick

多分全く考慮されていない。物価が上昇したからといって金利水準を引き上げたところで、金利を負担するのは資金提供する側であって資金を借りている側ではないのだから、製造業の資金需要や生産活動を通じての効果はなかなか出ない。

2016-06-21 13:11:18
wankonyankoricky @wankonyankorick

まあ、いまどき、金利による物価コントロールを語る経済学者もめったにいないようだが、しかし、ミクロ経済学の教科書などを立ち読みしていると、相変わらず金利というものが将来の所得と現在の所得の交換比率からい1を引いたものという説明がなされているようだ。

2016-06-21 13:13:44
wankonyankoricky @wankonyankorick

つまらん話だが、こうしたところにも経済学の一般理論とかいうものの性格が表れているような気がする。。。。

2016-06-21 13:15:14
wankonyankoricky @wankonyankorick

結局のところ、金利とは「貨幣」を一時的に調達する費用に過ぎない。手形によって「ファイナンス(資金調達)」される、と、説明されているけれど、実際のところ、これは自分自身の負債を貨幣の代わりに使っている、ということで、「貨幣」を調達する費用とは、実は別のものだとわかる。

2016-06-21 13:20:29
wankonyankoricky @wankonyankorick

受入企業側が仕入企業に対し手形で支払いをする場合、これによって「貨幣」を一時的に調達する必要がなくなるので、金利を支払う必要もない。財務の教科書には、「これもお金を調達していることになる」と説明されているが、実際には「お金を調達しないでもすませることができる」というべき。

2016-06-21 13:22:23
wankonyankoricky @wankonyankorick

売上代金として、手形を入手した側も、自分自身が支払うときには、自分の手形を振出すか、受け取った手形を譲渡することで支払いをしている限り、金利は必要ない。金利を払う必要が出てくるのは給与支払いや納税など、「貨幣」でなければ支払えない支払いをする場合。

2016-06-21 13:23:39
wankonyankoricky @wankonyankorick

要するに、現実のビジネスでは、金利を支払うかどうかは、「貨幣」をひっつようとするかどうかで決まってくるのであって、観念的な「将来の所得」などではない。その点は長期であろうと短期であろうと同じ事。短期金利は貨幣市場で決まり、長期は実物で決まる、など、いつもの経済学者のご都合理論。

2016-06-21 13:25:14
wankonyankoricky @wankonyankorick

今のような超過準備があふれかえるようになる前は、長期金利は金融市場における将来の短期金利についての予想で決まってしまう。今後短期金利が上昇していく、と予想する金融機関は長期で資金を調達し、短期で運用するだろう。インターバンク市場では、夜間・休日の資金需要(オーバーナイト物)は

2016-06-21 13:27:35
wankonyankoricky @wankonyankorick

必ず存在したから、長期で資金を調達しておくほうが有利だと思えば長期で調達し、自分が当座必要としない資金は短期で運用する。逆に今後の短期の金利がそれほど上昇しない、と予想する金融機関は、長期資金の出し手となる。それで長期金利は決まってしまう。

2016-06-21 13:28:59
wankonyankoricky @wankonyankorick

こうした裁定行動を通じて、長期のインターバンクレートや国債の金利も決まってしまう。そして金融機関が企業や個人に貸出するときには、こうしたインターバンク市場での長期金利にスプレッドや、スコアリングや個別の査定により決まる個々の借手の事情を勘案したマージンを載せる。

2016-06-21 13:32:55
wankonyankoricky @wankonyankorick

「実物金利」なんてものを計算できる金融屋はいない。これは、借手との間に情報の非対称性があるだのなんだのは関係ない。たとえ情報が対称であっても、事情が大きく変わるわけではない。なぜなら貸す側にとっては貸しているものは自分自身の負債に過ぎず、限界費用が発生するわけではないから。

2016-06-21 13:37:02
wankonyankoricky @wankonyankorick

仮に実物金利を計算し、それをベースにインターバンク市場で資金調達をしようなどと考えている金融機関があれば、たちどころに倒産してしまうだろう。なぜなら長期金利は短期金利との裁定で決まり、そして短期金利は、基本的には中央銀行が決定しているから。

2016-06-21 13:38:38
wankonyankoricky @wankonyankorick

ありもしない将来の所得を今の貸付の資金として調達できるわけではないし、いまいくら借入残高が増えたからといって、それで将来の所得が減少するわけではない。国債残高が増えたからといって、長期金利が急騰するわけではない。

2016-06-21 13:42:26
wankonyankoricky @wankonyankorick

などと、手形を数えながら考えていたら、印紙代の金額を間違いました。。。。

2016-06-21 13:43:12