アイドルスレイヤー#1【アバンタイトル】
彼女にはトップアイドルへの夢があった。しかし、デビューに失敗した彼女は陽の当たらぬ仕事ばかりうけることとなった。 ハルは今日アイドルを辞めた。(2) #ナナニン
2016-06-24 21:12:26今までなんとかアイドルの仕事で弟共々凌いできたが、この先どうなるかはわからない。ただ、ハルはこのままアイドルを続けても、よい結果は得られないと感じていた。だから去った。 (3) #ナナニン
2016-06-24 21:16:25これからどうすべきか、エド地区のオイラン喫茶にでも勤めるかとぼんやり考えながら自宅への道を歩いていたハルは、「ムムッ!美少女センサーにビビッときたぁ!」という後ろからの声に振り向いた。 しかし誰もいない。(4) #ナナニン
2016-06-24 21:19:46次の瞬間、ハルは体の芯からメラメラとした熱を感じた。 「エッ……!?メラメラって感じ……!?」((ハルちゃん、君は今日からアイドルやろうず!)) どこからかの声!周りを見てみると、セブンスマートのショーウィンドウに写る少女!しかし実体なし! 「アイエエ!?」(5) #ナナニン
2016-06-24 21:25:18「あ、あなたは……!?」((細かいことは後回し♪さ、アイドルしようず!)) 「もうやりません!」ハルは反射的に返す。事務所に三下り半を突きつけたばかりだ。アイドルという言葉も聞きたくなかった。 ((んー……私のセンサーにはビビッときたんだけどなぁ)) そこへ! (6) #ナナニン
2016-06-24 21:30:29「アイエエエ!!」「スッゾオラー!」 裏通りから蹴り出される少女!後に続く黒ずくめの男たち! 「アイエエエ……、助けて……」栗毛の少女は近くにいたハルの足にすがりつく。 「ダッテメッコラー!」「ザッケンナコラー!」男二人は威圧的なスラングで威嚇!(7) #ナナニン
2016-06-24 21:39:03「お、女の子を虐めるなんてダメです!」普段は厄介事に関わらないハルだが、意味のわからぬ事と面倒に巻き込まれ、やりどころのない憤りを抱えていた! 「ザッケンナコラー!」「チェラッコラー!」なおも威圧的スラングで威嚇する男たち! 「フザケルナッ!」ハルの怒りが爆発!(8) #ナナニン
2016-06-24 21:43:13「イヤーッ!」「アバーッ!?」前に立つ男の顔を拳でサングラスごと砕く! 「ア、アイエッ!?」と後ろの男は困惑しながら殴りかかる。そこへハルの拳がクロス!リーチの長い男の拳がハルの頬にめりこむ! しかし!もう片方のハルの拳が……!(9) #ナナニン
2016-06-24 21:47:37ハルの左の拳が燃えている!その拳をクロスで動けない男の腹へ! 「メラメラって……感じです!!」「グワーッ!!」男は火だるまに! ……火だるまの男が、雨でできたばかりの水溜まりに体を擦り付けている横で、ハルは少女に手を差し伸べる。 「ダイジョブ?」(10) #ナナニン
2016-06-24 21:52:10「ア、アイエエ……」栗毛の少女は先ほどの超常的な戦いをしたハルに怯える。当然だ、ハルにもこの力は全く理解できていない。 「あ、あの、ありがとうございました!」しかしこの少女は震える足で立つと、ハルにペコリと頭を下げ、お礼を言ってみせた。 (11) #ナナニン
2016-06-24 21:57:24「えっとお名前は……」名前を聞かれながらハルは苦笑した。助けたのは自分だが、心は彼女の方がよっぽど強いかもしれない。 「ドーモ、春日部ハルです」ハルはしっかりとアイサツした。 「ドーモ、春日部ハル=サン、角森ロナです」ロナは汚れた顔に笑みを浮かべアイサツした。(12) #ナナニン
2016-06-24 22:26:35