Orphe兄貴のマイアミ鎮守府 2014年10月

とある艦これ鎮守府の記録
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orphe @orphechin

うちの最古参の一人、赤城がとうとうLV99となった。嗚呼我らはこの間いかに奴にバケツを与え、涙を飲みながら撤退してきた事か。そしていかにこの畜生が敵を無残に食い殺してきたか。 その苦難の日々も、今や懐かしい思い出だ。#マイアミ鎮守府 pic.twitter.com/EVa9Zfn76C

2014-10-02 14:59:40
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orphe @orphechin

--さてあの赤犬はどう変わるのか。 今までの艦娘を見る限り、LV99となった時点で、彼女らは軍艦時代の記憶・精神と対峙する事となる。それを拒絶するか、それとも受容するか…赤城はどちらであろうか。 ドッグで奴の帰還を待ってる間、俺はそんなことを考えていた。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:04:22
orphe @orphechin

暁の地平線が真っ赤に輝く。。海と空が、神々しい朱の色へと変わっていく。その地平線の彼方から、一匹の正規空母が四足で駆けてくる。 あれこそが。 彼女こそが。 最強の正規空母、赤城である。 「めしぃ!!!!!!!!」 その咆哮は海と空と鎮守府を震わせる。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:15:09
orphe @orphechin

「オオ…あれこそは…」 いつの間にか島風の連装砲(ノルド)ちゃんのリーダー、アーンゲール師が俺の隣に立っていた。 「知っているのか連装砲ちゃん」 「エルダースクロールズの預言通りの事が起きてしまったか」 エルダー? 「戦史叢書のことだ」 あれ預言書だったの。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:17:41
orphe @orphechin

「文明の夜明けとなる黄金時代が来る前、鉄の時代。地上を支配していたのは正規空母であった。他の艦娘や人間は空母の奴隷として生きてきたのだ。そして、空母の頂点に立ち、万物の支配者として振舞っていたのが」 「赤城ってことか」 「そうだ」 神妙に語る連装砲ちゃん。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:20:27
orphe @orphechin

「空母の支配は過酷を極めた。奴らの主食であるボーキを掘るために数多くの駆逐艦が犠牲となり、石油を作るためにたくさんの人間が生き埋めとされた。逆らう者は皆弾薬にされた」 そんな空母暗黒神話が書いてあるとは、戦史叢書ってすげえな。 「宇宙の理が全て書き記されている」 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:23:07
orphe @orphechin

「しかし、3人の駆逐艦が反旗を翻し、ミッドウェーでの決戦にて奴を雷撃処分した。赤城の魂はそのトラウマによって大きく力を減じ、海中に封印されていたのだ」 あの、米国機動部隊との戦いは 「そんなものはなかった」 真顔で言う連装砲ちゃんに、俺は沈黙せざるを得なかった。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:24:51
orphe @orphechin

「しかし今、お前の赤城は極限まで強さを高め、さらにMI/ALでも勝利を収めた。今の赤城は支配者であった時の状態に戻っている」 徐々に近づいてくる赤城。俺の背中に冷や汗が流れる。そんな化け物、俺に制御できるのだろうか。もし奴が俺らを支配しようとしたら… #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:27:21
orphe @orphechin

赤城の四足疾走が高まり、俺との距離が瞬時に縮まる。羽黒は…いない。連装砲ちゃんは…気づいた時にはダッシュで逃げてた。あのクソジジイ。 キラキラ光る赤城の顔が俺の眼前に迫りーー 顔を滅茶滅茶舐められた。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:30:42
orphe @orphechin

プロペラのように回転し俺の顔面を舐めまわす赤城の舌。大量の唾液で視界が塞がれる中、俺は頷きながら赤城の頭を撫でる。 ああそうか、結局こいつは、どれだけ強くなろうとも犬ころでしかなかった。犬ころのままだった。良かった。 「おめでとう、赤城」 赤城が吠える。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:35:06
orphe @orphechin

ド派手な演出での登場とは裏腹に、赤城の変化はそれほどなかった。 まあせいぜい、いつもの5倍ぐらいメシを要求し、俺のベッドを占拠し俺を追い払ったり、新たな味の追求なのか、パソコンや本を食い散らかしたり…やっぱり最悪な野郎だ。いつか処分所に連れて行く。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:38:14
orphe @orphechin

しかし、全盛期時代への回帰を果たした赤城は以前の5倍資源を要求するようになったが、それでもなんとか養っていけている。現代と昔の資源採取技術の違いのおかげだろう。この飽食の時代にあっては、かつての暴君も今はバカ食いする大型犬ポジションでしかない。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:40:44
orphe @orphechin

飯を食う赤城の頭を撫でながら俺は聴く。 「美味いか?」「うまい」かろうじて人語を話せる赤城は、俺の問いかけに応じる。「もっと食いたいか?」「くいたい」俺は何枚かの写真を懐から取り出し、ヤツに見せる。「強い奴を食いたくはないか?」赤城は鼻を鳴らし、「食いたい」 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:43:52
orphe @orphechin

「そうか」俺は頷き写真を仕舞い、赤城の首元に手を回す。くりくりした大きな黒目を見つめながら、「今はまだダメだが、いつか必ず喰わせてやる。お前には食ってもらわなきゃいけない奴らがいる」そう告げると、赤城はにたーっと笑い、「めしぃ」と言った。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:45:51
orphe @orphechin

三度目の勝負がもしあるのなら、こいつにはまた頑張ってもらうとしよう。…同族を食えるのは、お前らだけじゃないんだぜ。 #マイアミ鎮守府

2014-10-02 15:46:49
orphe @orphechin

加賀が盛大にドラを鳴らしながら珊瑚海から帰還した。新型艦発見のサインだ。赤城に跨った加賀が首に縄つけて引き連れてきたのは大鯨。潜水母艦である。 「貴方の主に挨拶をしなさい」 加賀の合図に、大鯨は袋からヘリウムを取り出し吸い込み、甲高い声で挨拶をした。うさんくせえ。#マイアミ鎮守府

2014-10-08 10:05:15
orphe @orphechin

「ソンナコトナイデスヨー」ヘリウム特有の甲高い声でしゃべり続ける大鯨。「ケッシテワタシノジゴエガフトイカラッテ、ゴマカシテルワケジャナインデス、ハイ」…名前から推察するに、お前男だろ「違うってんだろ!」変態糞親父の声優もかくやと言わんばかりのドスの効いたバリトン。#マイアミ鎮守府

2014-10-08 10:07:59
orphe @orphechin

はっ、とした大鯨はすかさず袋から新しいバリウムを取り出し一呼吸。 「テ・イ・ト・ク?ドウカシマシタカ?」先刻のプライバシー保護のためのボイスに切り替わった。俺は何も言わず鎮守府ホモ筆頭のZ1を連れてきて奴の匂いを嗅がせた。「どうだ?お前の姉アレルギーは反応するか」#マイアミ鎮守府

2014-10-08 10:09:58
orphe @orphechin

Z1は陶然としながら言う。「濃厚なテストステロン、いいね…最高だよ」 「ハハッ、ユメノクニニツレテイクヨ?」包丁を取り出しZ1に半笑いで語りかける大鯨。俺は潜水艦を呼び出し、このカマを拘束する。「よくわかった。お前はこれから30時間の遠征だ。暫く帰ってくるな」#マイアミ鎮守府

2014-10-08 10:13:19
orphe @orphechin

「Schnell、Raus!」 「ボーシッ!トーリーボーシッ!」 はっちゃんにルガーを突きつけられ、野太い声で絶叫しながら大鯨は連れて行かれた。その姿を見送りながら、加賀は大鯨の残したヘリウムを吸い込んで一言。 「イヤー、ヤルンジャナイカトオモッテマシタ」 #マイアミ鎮守府

2014-10-08 10:19:13
orphe @orphechin

上天より命ありて 生まれたる蒼き狼ありき その犬なる 赤き畜生ありき 大いなる深海より登りて来ぬ―― #マイアミ鎮守府 pic.twitter.com/kHyXxZazcu

2014-10-08 14:23:11
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