茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1819回【英国の変質】連続ツイート

2016.6/26 茂木健一郎氏 【英国の変質】連続ツイート …よく知られたことだが、英国には、成文憲法がない。そもそも、Constitutionというのは、「国家の成り立ち」のことであって、具体的な条文のことではない。だから、日本における9条問題のようなことは、英国では起こらない…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1819回をお届けします。文章は即興で書いています。本日は、感想です。

2016-06-26 07:10:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

よく知られたことだが、英国には、成文憲法がない。そもそも、Constitutionというのは、「国家の成り立ち」のことであって、具体的な条文のことではない。だから、日本における9条問題のようなことは、英国では起こらない。

2016-06-26 07:12:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

そもそも、「首相」(prime minister)という職位も、ある時法律で定められた、といいうことではなく、徐々にそのような習慣が出来てきたのである。今では首相の職位は明確だが、それは法律の制定でできたのではなかった。

2016-06-26 07:13:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

慣習を積み重ねることで、現実に適応し、システムを高度にしていくという英国の知恵は、これまでうまく機能してきた。新しいアイデアや制度は、慣習という厚い地層の上に、設置されてきたのである。

2016-06-26 07:14:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

アメリカ合衆国憲法は、成文であるが、それは、アメリカの独立という「革命」が起こったからである。英国は、ラジカルな体制変更をしない、というやり方で、慣習の積み重ねをし、それが英国の叡智の核心であった。

2016-06-26 07:15:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上のような視点から、今回のEUからの離脱をめぐる国民投票、そしてその結果、また続いて起ころうとしているスコットランド、北アイルランドの独立は、英国らしくない。英国は、全く違った国家に変わってしまおうとしているように見える。

2016-06-26 07:17:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

この事態をもたらした一つの要素は、キャメロン首相のある種の「生真面目さ」かもしれない。国民投票は、キャメロン首相にとっては一つの政治的な妥協だったのかもしれない。しかし、投票結果を「誠実に実行」するという会見は、生真面目なものだったが、政治的に適切だったかどうかはわからない。

2016-06-26 07:18:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

これまでの英国ならば、国民投票をして、その多数を持って国の将来を決める、といったラジカルなアプローチは、とってこなかったのである。おそらく、英国エリートの考え方は変わっていないのだが、時代の流れとともに、異質な何かが英国の体制の真ん中に侵入してしまったのだろう。

2016-06-26 07:19:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1819回「英国の変質」をテーマに、7つのツイートをお届けしました。

2016-06-26 07:20:06