家入一真さんが警告!? “プロ”クリエイターたちが「食えなくなる時代」に突入か

2013年2月にネットの話題をさらった、大阪市天王寺区の「無報酬デザイナー募集」の一件。
同区のポスターなどのデザインを出掛けてもらおうと2月4日に募集を開始したのだが、「無報酬はおかしい」「プロのデザイナーをバカにしてるのか」と、業界を中心に批判殺到。これを受け、3月1日に計画・募集ともに中止となったのだが…。
これに警鐘を鳴らしたのが、paperboy&co.創業者としても知られる起業家・家入一真さんのツイートだ。
抗議する意味がわからない。無報酬でも実績を作りたい子が応募すればいいだけの話し。業界を守れ!とか言って、結局食いぶち守りたいだけなんだよ。区が無報酬デザイナー募集…抗議殺到、計画中止 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://t.co/OzI18b8Smv
— Kazuma Ieiri / CAMPFIRE CEO (@hbkr) 2013年3月3日
上記以降も家入さんはツイートを続け、抗議したという業界へも言及。
無償でもやりたいという人がいる限り、こういった公募は増えてくだろうし、そもそも今回の様な抗議行動を毎回とってたら、それこそ最終的には安価な海外に仕事を発注する様になりますよ。国内の業界的にそれでいいんですかね?
— Kazuma Ieiri / CAMPFIRE CEO (@hbkr) 2013年3月3日
と疑問を呈した。さらに、“正当な対価が支払われなくなりつつある現代”にまで持論を展開。
参入コストが急速に下がってくなかで、本当の意味で一億総クリエイターの時代がやってきてるよ。出版もデザインも音楽もファッションも絵画も、極端な事を言うと消費者数を作り手が上回る時代がくる。その中でクリエイターがやるべき事は何か。業界という名の共同幻想を守ってる場合じゃ無いんだよね。
— Kazuma Ieiri / CAMPFIRE CEO (@hbkr) 2013年3月3日
一億総クリエイター時代がくる!なんて理想郷の様に僕もみんなも口にしてたけど、そんな時代が本当に訪れた時、プロフェッショナルとアマチュア、メジャーとインディーズなんて境界線は全て曖昧になり、今までプロとして食えてた人が食えなくなるんだよ。儲かるのはプラットフォーマーだけ。
— Kazuma Ieiri / CAMPFIRE CEO (@hbkr) 2013年3月3日
避けられない流れの中で、これらの事をある意味警告の様に発信し続けてるつもりなんだけど、旧来の人たちにどれだけ伝わってるのか不安になる。表現者はニコ動の登場に喜んでる場合じゃ無いんだよ、まじで。表現者が表現だけでは食えない時代がくるんだよ…
— Kazuma Ieiri / CAMPFIRE CEO (@hbkr) 2013年3月3日
と、業界全体を憂いでいる。
これに対し、Twitterユーザーたちの反応は賛成意見だけでなく、「Webデザインはまさに1億総クリエイター状態ですが何か」「喰える人間が減るってことは、皆強制的にアマチュア化するってことか」など、異論反論までさまざまだ。
食えてたはずの仕事で食えなくなる…。時代が巡るのは“そういうこと”であるのかもしれないが、なんとも世知辛いものだ…。