シイタケや舞茸などたくさんの種類があるキノコ。みなさんも小学校や中学校の理科の時間に習ったと思うが、キノコは「胞子」で増える。
上の画像はキノコが胞子を出しているところ。
この胞子を紙の上に落とし、できる模様を「胞子紋」と言う。キノコの指紋のようなものと考えていただきたい。
昨日の黒っぽい紫っぽい胞子のキノコの胞子紋。 http://t.co/4PLu4XVnCc
— ゆきのこ︎︎\☺︎/ (@doronco_yuki) 2014年10月25日
胞子紋を取るのは決して難しくない。簡単に取ることができるのだ。
スーパーでシイタケを買って、
いしづきを取り、
ついでに周りをカットして、
黒い紙の上に置き、濡れた脱脂綿を置いて、
紙コップをのせて、一晩放置すると、
胞子紋の完成!
胞子紋はこのように簡単に取ることができるのだ。かさの裏側の模様がきれいに分かり、とても美しい。
ちなみにいま私がいかにも専門家っぽく書いたが、胞子紋については、東京農業大学学術研究員矢野加奈子さんに教えてもらった。漢字が16文字も続くと、どこからが名前か分からない。
矢野さんに聞いたところ、胞子紋の可能性はもっとあるとのこと。胞子紋で家紋を作ることもできるそうだ。
#加藤清正
家紋は「蛇の目」
象徴色は「漆黒」
「漆黒」は公式に寄せて、深い紫ではなく、真っ黒にしてみた。 http://t.co/WUtKjZrYty
— ハコ (@haco_no_ha) 2014年12月13日
これは「蛇の目」という家紋。武将・加藤清正の家紋である。これを胞子紋で作ると下のようなものになる。
いしづきの部分は胞子が出ないので、普通に胞子紋を取ると「蛇の目」の家紋になる。
ただし私が作りたいのは、そういう一休さん的な家紋ではなく、もっと高度な家紋だ。矢野さんに聞いたところ、紙をくり抜いた型を使えば、可能とのこと。
たとえば、ハート型に紙をくり抜いて、
その上にシイタケを乗せて、脱脂綿、紙コップをかぶせ、一晩放置すると、
ハート形の胞子紋の完成。愛の告白にだって使える。
いしづきの部分を考えて型紙を作ることで、思いのままの胞子紋ができるのだ。また、いかにも自分の手柄のように書いたが、これも矢野さんに教えてもらった。
でんでん太鼓(カミナリさまが背負ってるヤツ)ではありません。 氏家卜全さんちの家紋 「巴」紋または「石持ち地抜き三つ巴」紋、といいます。nhk大河「軍師官兵衛」じゃあ、もうナレーションだけで「討ち死に」したんじゃないかなぁ… http://t.co/xz3Zuy9iNK
— みっちゑる(趣味の器) (@Kingofmichel2) 2014年6月10日
この家紋は「巴紋」と言うそうだ。これも胞子紋で作ることができる。
型紙を作り、その上にシイタケを置き、一晩放置すると、
完成!
とても美しい。これを着物にそのまま入れたいと思うほどだ。洗濯したら、すぐに落ちるけど。
平家の家紋の揚羽蝶がかっこいいんだからっさ http://t.co/mk9HW2PLH5
— かんぱっち T* (@kampacchi) 2014年7月1日
問題は私の家紋である。地主家の家紋は揚羽蝶なのだ。これが非常に難しい。なんでこんな家紋に私の先祖はしたのだろうか。子孫が胞子紋で家紋を作ることを考えて欲しい。
家紋を星にして欲しかった。星の胞子紋は型紙も簡単なので、すぐに作ることができる。でも、地主家は揚羽蝶…。
まずは型紙を作る。今までと違い、小さすぎると切り抜けないので、大きくなってしまった。ちなみにこの型紙作りに1時間半かかっている。さらに大きいので、シイタケひとつでは型紙を埋めることができない。
そこで、シイタケを切り、型紙の上に満遍なく置いた。シイタケは切っても胞子が出る。ちなみに、いかにも専門家みたいに書いたが、すべて農大の矢野さんに教えてもらっている。なんなら、揚羽蝶の型紙もほぼ切り抜いてもらっている。私は不器用なのだ。
その結果、地主家の家紋ができた。今にも飛び出しそうな揚羽蝶ではないか。
この方法なら何でも胞子紋で作れると思う。問題はしばらくシイタケ料理が続くことだ。実はシイタケなら何でも胞子紋が取れるわけではない。
向かって右が胞子が出るシイタケで、左がなかなか出ないシイタケ。傘が開いていないと出ないのだ。これが一袋に2つあればいい方で、大体は開いていないので、使えないシイタケの方が多い。まぁシイタケ好きなら、問題ないだろう。
キノコで作ったキノコの胞子紋!
<取材協力>