大人気稲作ゲー『天穂のサクナヒメ』をプレイしながら「リアル米作り」もやる【第1回】

バーチャルとリアルの二毛作に挑戦します
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稲作、いきなりわからないことだらけ

いざ稲作パートに突入。ゲームでは、サクナヒメが探索を進める間に田右衛門という大食漢が苗づくりまで進めてくれる。実際にプレイヤーが操作するのは、田植えからのスタートだ。

リアルで浸種の工程を体験している分、田右衛門の苦労がわかる

「じゃ、田植えをどうぞ」と田右衛門から苗を渡されるわけだが、ここが凄いぞサクナヒメ。田植えをどうやったらいいのか、まったくチュートリアルが出ないのである。教えてくれることといえば、「稲をつかむ」と「植える」のボタンだけ

稲の間隔とか、どれくらい植えたらいいかとか、もっとこう、あるだろう!!!!

稲作知識ゼロの私は、どうすればいいのかわからない。「あ、これマジで調べないと何も分からないやつだ」と悟った私は、「田植え 間隔」でGoogleの検索窓をたたいた。すると…

消費者の部屋:こどもそうだん」の1ページより

農林水産省のHPがヒットした。「農水省のHPが攻略wiki」は、マジだったのだ。

株の間隔は約30cm、1か所につき2~3株を植える、という情報を得たので、さっそく実践に移る。すると、今度は田植えの操作がめちゃくちゃ難しい

リアル田植えと同様、サクナヒメが進行方向に背を向けて進めていくのだが、入力した方向キーと逆向きにサクナヒメが動くので、脳がバグを起こす。真っすぐ等間隔に植えるなんて、夢のまた夢である。

動画はこちら↓

1か所に2苗ずつ、ひいひい言いながらすべての苗を植え終わった。完了したタイミングで、「密植」とアナウンスが出てきた。

もちろん、密植という単語も初見。良いのか悪いのかわからないが、サクナヒメが「ふむ。かなり間隔を狭めて植えてみたぞ☆」みたいなことを無邪気に報告してきたので、一抹の不安がよぎる。大丈夫かこれ。

収穫・脱穀、精米も手作業

田植えが終わったら、稲の成長を待ちつつ探索を進める作業がメインとなる。

これ本当にゲームだよね?

植えた稲は、成長のステイタスを確認することができる。このステイタス画面もなんのこっちゃさっぱりという感じだが、「量」「味」「硬」「粘」「美」「香」など、お米のプロフェッショナルくらいしか使わないんじゃないかというワードが並んでいるあたり、めちゃくちゃ細かくお米の状態を作りこんでいることだけは分かる。

稲の生育中は、生えてきた雑草を抜いたり手入れの作業が主だ。このあたりから、ちょくちょくゲーム内でもヒントが出てくるようになる。稲のステイタスを確認する時、サクナヒメが「もうそろそろ水を抜いたほうがいいかの」みたいなことをつぶやき、次やるべきことをなんとなく示してくれるのだ。

とはいえ、画面に出てくる「天気とか気温」など、細かな要素についての説明はない。「多分、これ稲の生育に影響してるんだろうなぁ」と思いつつ、一旦はスルー。

収穫までの時間も検討がつかなかったが、やっているうちに「ゲーム内で3回日をまたぐと1つの季節が過ぎる」ペースであることがわかった。

ゲームを始めて3日後、ついに「初めての収穫」を迎えた

収穫以降の作業の作りこみも半端ではない。「稲刈り」、「稲架(はさ)掛け」からの天日干し、「脱穀」、「籾摺り(もみすり)」、「精米」まで全ての工程を手作業で行うことになる。

籾摺りの動きなんて、「稲を掴み→こき箸にあてがい→稲を引く」と、操作が3段階に分かれている細かさよ。(動画↓)

精米作業は、米を突く回数によって「歩合」が変わる。この精米度合いが、どんな意味を持ち、ゲーム本編にどのような影響を与えるかもわからないのだが…。

よく分からないままに手を動かしていると、一連の作業が完了した。記念すべき、最初の新米が完成したのだ!

「稲作、難しすぎない?」開発元のえーでるわいすさんに疑問をぶつけてみる

新米完成後、育てた米の評価が表示された。相変わらずステータスの詳細が分からないが、サクナヒメの反応を見る限り、初回は「不作も不作」だったらしい。うん、だよね。

さらに、初回の記録を見ると、天候や気温だけでなく、水かさや雑草・虫の被害といった要素が生育に影響していることも分かった。

本当に、どれだけ作りこんだら気が済むんだというほど細かい。

さて、これで稲作のファーストステップが一通り終わった。しかし、最初からあまりに「わからない要素」が多すぎて、初見の印象は「このゲームの稲作、難しすぎない?」だ。この正直な気持ちを、「天穂のサクナヒメ」開発元のえーでるわいすさんにぶつけてみた。


ふ凡社鈴木「サクナヒメ、一期目から稲作がめちゃくちゃ難しいと感じました。最初分からないことが多い設計になっているのは、どんな意図があるのでしょうか?」

えーでるわいす:これは完全に誘導ミスで、実際には難易度は全然高くないです。「言われてないことはやらなくていい」ように作られているのですが「必要なことを伝えてくれない」の方で大多数の方が解釈してしまうような作りになってしまっていました。

極論、土壌養分さえ切らさなければどんな形であれサクナは成長していくので、気軽に遊んでもらっても大丈夫です。


ふ凡社鈴木稲作部分をここまで細かく作りこんだ理由を知りたいです!」

えーでるわいす:既存の農業ゲームが多数存在する中での差別化を考えたことがスタートです。日常的に食べているお米がどのようにして作られているかは僕自身も知りたかったことで、それを、日本の田舎の自然や古民家での生活を通して体験したいという思いがありました。


ふ凡社鈴木「リリース後の反響について予想外だったポイントはありましたか?」

えーでるわいす:第一に、ここまで沢山の方々に興味を持っていただけたこと、第二に、にわか知識で作られた稲作要素を本職の方にも暖かく受け止めていだだけたことです。精進します。


ふ凡社鈴木「サクナヒメとリアル米作りを同時進行でやる当企画について、一言コメントいただけると嬉しいです!」

えーでるわいす:先は長いと思いますが収穫時の喜びはひとしおだと思います。大事に育ててください!

 

なるほど!!!サクナヒメ、最初は手探り状態で進めることが前提で、ゲームの随所にちりばめられている「攻略のヒント」をキャッチしていくと、稲作のやり方が自然に分かっていく設計になっているようだ。

安心した、序盤はわからなくてもいいんだ!最初の手探り感を思いっきり楽しむこともまた、サクナヒメの魅力の一つなのだろう。

いやあ、楽しい。サクナヒメとリアル稲作、どちらもめちゃくちゃ楽しいぞ!!!

ゲームもリアルも、稲作はまだまだこれからというところ。引き続き、トゥギャッチでダブル稲作の様子を報告する予定だ。ふ凡社鈴木の稲作スキル向上にこうご期待。

 

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