勤務時間中に社長とココナッツを割ろう【トゥギャッチ編集部の日常】
トゥギャッチ編集部のふ凡社鈴木です。今回はTogetter社の珍妙な日常をご紹介。
2021年6月、Togetterにて「ヤングココナッツとの格闘記録」というタイトルのまとめが作成された。

投稿主は健太〇巣ごもりカナブンさん(@kenta221B:以下、健太さん)。イオンで売られていたヤングココナッツを空けて、中に詰まったココナッツジュースを飲むまでの実況ツイートをまとめたものだ。
”格闘”とあるように、ココナッツは恐ろしい硬さで健太さんを苦しめる。健太さんはハサミ、マイナスドライバー、キリと様々なツールで挑んでははじき返され、ついには電動ドライバーまで投入する始末。最終的にココナッツウォーターを飲むまで、1時間ほどかかったそうだ。
ハァハァ……頭蓋骨みたいなの出てきた……これが本体?ストロー刺さるの??? https://t.co/UV1yXoDTkW
— 健太⭕️ネコチャンといるカナブン (@kenta221B) 2021年6月11日
ジャキン!!!!!!!! https://t.co/KbAj55Br4D
— 健太⭕️ネコチャンといるカナブン (@kenta221B) 2021年6月11日
健太さんがキレッキレの悪態をつきながらココナッツと格闘する様子に爆笑しながら
「ココナッツ、割ってみてぇ!!!!」
と思った。さっそくヤングココナッツを買い求め、健太さんの苦難を追体験する「Togetterココナッツチャレンジ」を開催する運びとなった。
ココナッツ、本当に売ってるのか?
健太さんのまとめをみてまず思ったのは、「ココナッツってイオンに売ってんだ」という驚きである。健太さんに聞いてみたところ、1玉298円だったとのこと。
輸入雑貨店なんかで、ココナッツジュースをパッケージ化した商品を見る機会は割とある。しかし、実物が売られているのを見たことがない。
Twitterで検索してみると、イオンのほかに「ローソンストア100」でも売ってるという情報を得た。生活圏内にイオンが無いので、とりあえず近所のローソンストア100をめぐる旅に出ることに。
都内でのココナッツ需要がいかほどか想像もつかないので「ごく限られた店舗でしか扱っていない特殊アイテム感」がぬぐえない。気持ち的には半ば”ダメ元”で自転車を走らせること15分、なんと2件目にして店先に並ぶ茶色の球体を発見した。
「売ってるー!!!!」
しかもケースの中には2玉しか残っていない。すごく売れてるじゃないか。
とりあえず2玉とも購入。価格は1個322円だった。大きめのハンドボールくらいのサイズなのに、ずっしり重い。ココナッツの産地で、落下した果実が直撃することによって起こる悲劇(Wikipedia『ココナッツによる死』参照)があると聞いたことがあるが、確かにこんな重さの球体が落ちてきたらタダでは済まないだろう。くわばら。
どうせなら苦しんで開けたい
購入したココナッツをオフィスに持って帰り、さっそく割ってみよう。
一応、事前にココナッツの開け方を調べたり、YouTubeの動画なんかもチェックしたが、いきなり正解のルートで開けたんじゃあ面白くない。やはり健太さんの苦しみを追体験したいじゃないか。
そこで今回は、ノコギリ、キリ、トンカチ、万能ハサミと、どうしようもなくなった時のための最終手段・包丁(動画では包丁で開けるのがベストアンサーっぽかったので)を用意。
ココナッツと戦うウエポンを揃えたところで、ついでに忙しそうに働く社長を引っ張り出してきた。

鈴木「社長、仕事なんかやってる場合ではありませんよ。今からココナッツを割ってもらいます」
社長「は?」
鈴木「ここに道具を用意したので、好きなアイテムを選んでください。お互い、思い思いのやり方でココナッツを割りましょう」
社長「は?」
かくして、社運をかけたココナッツチャレンジが幕を開けた。
ココナッツ、マジで硬い
第一手、私はキリをチョイスした。
ココナッツがいかに硬さを誇っていようが、所詮は植物。悪天や動物からの捕食など、自然界の驚異を想定した強度が関の山だろう。人類が生み出した一点突破型の加工道具にはかなうまいて。
勝利を確信して金属の先端を実に刺したところ、愚かな人類の余裕が一瞬で打ち砕かれた。
ココナッツの皮、マジで硬い。どうしようもなく硬いのだ。
全力でぐりぐりとキリをねじ込んでも、先端が一向に進まない。硬い岩盤にぶち当たっているみたいだ。
「穴1個だけならは割と簡単に開けられるだろうけど、実を割るためには表面一周する感じでまんべんなく開ける必要がありそうだな」
なんてのんきなことを考えていたが、とんでもない。穴1つ開けるのさえ四苦八苦である。
いっぽう社長は、第一手に万能ハサミをチョイスしていた。
万能ハサミはその名の通りプラスチックや金属まで切れる威力を誇るが、それは”挟めてこそ”の話。ココナッツの表皮は、キリの一点突破ですら歯が立たない硬さに加えて、挟みどころのない曲線。最大のアドバンテージを封じられたハサミは、今回最も不利に見えるが…
社長「あっ、なんかでも刺さったよ!」
鈴木「馬鹿な!」
見れば、刃の片側がココナッツの皮にしっかり食い込んでいるでなはいか。
挟むことこそできないものの、片刃をぐりぐりと動かすことで着実に刃が硬い表皮をえぐっていく。
社長「割るのは無理そうだけど、ココナッツウォーターはもう飲めるんじゃない?」

キリで奮闘する私をあざ笑うかのように、あっさりと穴が貫通していた。もっと悪戦苦闘していただかないと!!!撮れ高困るんですよ!!!
さて、肝心のココナッツウォーターのお味は…。
社長「うん、決して美味しいものではないね」
あっ、それ言っちゃうんだ。
そう、実はココナッツジュース、味がけっこう渋いし甘くもない。ココナッツミルクやココナッツ風味の料理のおいしさを期待して飲むと、そのギャップにがっかりしちゃいがちである。(単に日本人として、味覚がこの味に慣れていないだけかもしれない)
しかし、ミネラルやカリウムなど栄養は豊富で、電解質に至っては一般的なスポーツドリンクよりも多く含まれているらしい。発展途上国などでは、生理食塩水の代わりに点滴液としても使われているとか。
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