陶器の「エヴァンゲリオン零号機」造形や質感に驚きの声集まる プラモ好きの陶芸家に話を聞いた

近くでじっくり見てみたいです
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陶芸家の上村慶次郎(@2Grq2X6QEhyNon0)さんがTwitterに投稿した作品「エヴァンゲリオン零号機」。この作品を見て、造形や質感に驚かされる人たちが続出している。まるでどこかで出土した工芸品にも見えるこの零号機、なんと陶芸作品なのだ。

零号機は全長35センチ


作品を見たTwitterユーザーは自立した状態で姿形を維持していること、画像からでもわかる質感に驚嘆しており「ものすごく…生き物っぽい」「陶芸でこんなこともできるのか」といった感想が集まっている。

上村さんは上記のツイートで語っているように、昔からプラモデル作りが好きだという。プラモデル作りと作陶を両立させてしまったいきさつを伺ってみた。

「陶芸でプラモデルを造ればいいな!」と思った

エヴァを造ったいきさつについて教えて下さい。

陶芸を始めたらずっと陶芸をしていて、気が付いたら太陽が2、3回上っているくらい始めたら止まらないんです。ご飯を食べている時とかにふと、
「あ〜、プラモデルが作りたいなぁ〜」と思うのですが、その時に陶芸をすると集中が濁りモヤモヤしてよくないので、「じゃあ、ちょっと今日はプラモデルを作ろう」と思ってプラモデルを作るのですが、そうしたらすぐ「今はプラモデルを造ってる場合じゃあないんだよなぁ〜」とプラモデル作りにも集中出来なかった日がありました。

それなら「じゃあ、陶芸で(プラモデルを)造ればイイな!」と思い、どうすれば上手くいくか頭で工程を考えて、造る際の難題を把握し、改善点を潰して、その造形に合うように粘土を作って、作陶に入りました!

上村さんはエヴァンゲリオンだけでなく、幻魔大戦の「ベガ」やボトムズ、アーマードトルーパーなども陶芸で造っている。

エヴァンゲリオンを造って、新しい発見などはありましたか。

(陶芸について)いつも実験と挑戦をして、難しい課題を自分で決めてスキルを上げているのですが、このエヴァンゲリオンなどでの挑戦では「面白く難しい」という課題を発見しました。今までやったことがないことをする中で自分なりの技術や感覚がつかめたので、その得たものを仕事の方の作陶に活かせるというのが言うのが良いんです。

造ってみて、楽しいこと、大変だったことなどはありましたか。

焼成した後に結果を見て「ここはもっと追い詰めれるな!」とか「ここはもう少し工夫しなくちゃな!」と考えて次の作品に生かしています。それがうまくいって、どんどん躍動感のある造形に挑戦する時が大変さであり、楽しさでもあります。

上村さんのTwitterInstagramにある日頃の作品を見ると、恐竜や鳥類を大胆にあしらった作品が並んでいる。やはりそれらも生き物の生々しさが表現されていて、私達が抱いている陶芸作品の概念が飛んでいきそうだ。

10月15日からは京都で個展、11月からは東京・池袋にて開催される「日本画恐竜展」にも出展されるそう。上村さんの作品をじっくり見たい人はぜひ足を運んでみては。

※エヴァンゲリオン等が展示される予定はありませんのでご注意ください。



 

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