藁を被った人たちが寒い中踊る上山市のお祭り「加勢鳥」とは?楽しみ方を地元の人に聞いた

寒いけど藁の中は上半身裸…
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怪奇愛好家であるTwitterユーザーの大沼兄昌 / オオヌマケイスケさん(@OnumaKeisuke)が投稿した山形県上山市の伝統行事の動画が話題になっている。

藁をかぶっている人たちが「加勢鳥(カセドリ)」

藁(わら)をかぶった人たちが輪になって踊っているこの光景、山形県上山市で毎年2月に開催されている「カセドリ(加勢鳥)」と呼ばれる民俗行事の様子だ。「カッカッカーのカッカッカー」と歌いながら歩く「カセドリ」に、街の人が水をかけたり、新しい手ぬぐい・タオルを巻いたりしている。

この加勢鳥の動画は、以下でも配信されている。

トゥギャッチ編集部では、山形県上山市PR活動『かみのやまさいぐべ』を担当しているもんじゃやき@山形県上山市PR活動(@Monja_Yamagata)さんに加勢鳥の魅力について聞いてみた。

お祭りでありながら「寒さとの戦い」でもある

加勢鳥のお祭りとはどんなものか、教えてください。

毎年2月11日に開催される、ケンダイと呼ばれる藁蓑をかぶった若者(火伏せの神様「加勢鳥」)に祝い水をかけて、五穀豊穣や商売繁盛、火の用心などを祈る江戸時代初期から伝わる上山市の民俗行事です。

本来であれば、一日中市内を練り歩き、商店、旅館、施設等での演舞を行いますが、今年は市内の練り歩きや旅館等での演舞は行わず、上山城とかみのやま温泉駅前の2ヵ所で、「コロナ終息」という願いも込めて開催されました。

今年、加勢鳥の藁の中に入っている人たちは誰でしょうか?

今年はコロナ禍のため規模が縮小され、中に入る人は上山市在住の「加勢鳥」保存会員のみとなりました。

本来であれば、加勢鳥保存会員の他に一般の参加者を募集し、誰でも中に入ることが出来ます。 主に若手の男性が中に入りますが、全体の1割ほど女性の方も中に入っています。

この人たちは、水をかけられたりして寒くないのでしょうか?

実際に中に入った人は、すごく寒いと言っていました。 年によっては雪が降る中での開催となり、服を着ていても寒い日に上半身裸(ほぼ裸)の状態で市内を歩き、ましては絶え間なく水をかけられるので、「そりゃあ寒いだろうな」と思いました。

加勢鳥は「誰でも参加できる」

もんじゃやきさんが「加勢鳥」を知ったきっかけを教えてください。

初めて知ったのは小さい頃ですね。テレビや新聞で取り上げられていたことがきっかけです。

もんじゃやきさんから見た「加勢鳥」の魅力は何でしょうか?

見るだけではなく、実際に参加出来るというのが、加勢鳥の魅力だと思っています。世界中の誰でも加勢鳥になる(中に入る)ことが出来ますし、加勢鳥に水をかけたり、手ぬぐいやタオルをケンダイの頭部に巻くことも出来ます。

今回、もんじゃやきさんが加勢鳥のお祭りを初めて生で見た感想は。

加勢鳥になる人は寒いという感情を一切出さず、水をかける人は楽しそうな様子で、なんだか自分までも元気をもらいました。

画面や写真越しでは伝わらない、人それぞれの努力や、加勢鳥というものの迫力を感じられました。 来年はコロナが終息し、通常通り開催される加勢鳥を、また見に行きたいと思っています。

もし上山市に訪れる機会があったら、ぜひとも生の加勢鳥を見てみては。

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