あの懐かしい「図工室の椅子」が欲しすぎてDIYしてみた

見てすぐに図工室を思い出せる稀有なアイテム
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➃オフィスチェアとして使ってみる

せっかく作ったし、トゥギャッチ編集部の皆さんにも見せてみる。

「すごい! 盗んできた!?」

「オークションで“本物”と言い張っても売れますよ!」

ありがたい。「図工室の椅子」の制作者として、それは最大級の賛辞です。

「自分も座っていいか」と聞いてくる鈴木さん。是非座ってください。図工室の椅子は水だ。独占してはいけない(ぺこば)。

鈴木さん「あっ…!」

鈴木さん「ガタガタする! 懐かしい!」

よくぞ気づいてくれました!

そう。木の加工を注文する際、脚を一本だけ数mm短くカットしてもらった。その結果、「“ハズレ”の図工室の椅子」の感覚を再現。

図工室の椅子は、妙にガタガタするほうがリアリティ―があるのだ。

自分のこだわりに気づいてくれると素直に嬉しくなる。

そこからの我々は「図工の授業の想い出」から始まり、“小学校あるある”トークに華が咲いた。

紫蘇さん「私、席替えのときは自分から最前列の席を選んでたんですよね」

そうなんですか?

紫蘇さん「一番前の席って、教卓の側面にプリントを磁石で貼り付けられるじゃないですか」

あ~~! いた! そういうクラスメイトいた! あれどこの学校でも共通だったんですね!

鈴木さん「小学校の掃除の時間、音楽室が人気高くなかったですか?」

たしかに! 教員室から離れた教室ほど、生徒の人気が高くなるんですよね! うわぁ! 懐っ!

図工室の椅子ひとつあるだけで、大人はめちゃくちゃ盛り上がれる。凄いぜ。

最後に、図工室の椅子をオフィスチェアとして活用してみる。

僕含め、インターネットの皆さんは小学生時代、図工の成績が一番良かったはずだ(職業診断で「芸術家気質」と出るアレと同じ)。

人生で一番成績が良かった時期を思い出しながら作業を行えば、仕事の能率も上がるかもしれない。

30分経過

………。

尻(ケツ)が痛い。

当然だ。木の板の上に座ってるだけなんだから。クッション性もクソもない。心なしか尻(ケツ)の熱(ネツ)も奪われてる気がする。
「ガタガタするほうがリアリティーあっていい」とか言ったけど、普通に集中力が削がれる。
あと背もたれ欲しいんだけど。

 

…嘘だろ? あの頃の僕たち、この椅子で授業を受けてたの? ヤバ。

それでも、作った以上、マイナス評価で終わらすのは忍びない。

無理矢理良い風に解釈してみた。

作業に疲れたら、椅子に顔を乗せて一休み!

まとめ

下校

そんなわけで、懐かしの図工室の椅子をDIYしてみた。

普通に…いや、めちゃくちゃに嬉しい。

そこまで難しい工作ではないので、“懐かしいモノ”が好きな皆さんは「図工室の椅子」をDIYしてみるのもいいかもしれない。楽しかったあの頃の想い出が蘇り、郷愁の念に駆られるはずだ。

そして話は全く変わるが、このWebメディア「トゥギャッチ」は2022年3月いっぱいを持って更新停止となる。

2013年から運営されている「トゥギャッチ」。自分も所属ライターとして約2年間、このメディアで記事を執筆させてもらった。

重さ約2キロの巨大シュークリームを食べたり、母親の手料理をミニチュア化したり、読者の想い出料理を募集して良い気持ちになったりした。

かなり自由に、伸び伸びと記事を書かせてもらった。それを許して貰った編集部の懐の深さには感謝しかない。

自分が携わったメディアの更新が停止になるのはとても悲しい。

それでも、どんなものにも、始まりがあれば終わりがある。

──春。

それは旅立ちの季節。

様々な感謝の気持ちを込めて、最後に、この言葉を「図工室の椅子」に彫刻刀で刻ませていただく。

ありがとうトゥギャッチ、ありがとうトゥギャッチ!

(送辞)