南インドの結婚式は5000人が参列してビリヤニを食べる!インド人YouTuberに詳細を聞いた

参列して料理を食べたい
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こちらのツイートはインド人YouTuberのカデル(@indoeyokoso)さんが投稿した、広い会場に人が集まって食事をしている様子。何かのイベント会場かなと思ったら、なんと友人の結婚式だそう。

参列しているのはなんと5000人、料理としてマトンビリヤニ(インドの炊き込みご飯)などが振る舞われたという。ビリヤニの材料にはマトン1トン、バスマティライス(インドのお米)が550Kg用意されたという規模だが、これでも個人の結婚式とのこと。

投稿したカデルさんはインドのタミル・ナードゥ州の出身。これがタミルではメジャーな結婚式らしい。結婚式に対する考え方やメニューについて、カデルさんに詳しい話を聞いてみた。

料理をお腹いっぱい食べることで心穏やかに祝福できる

結婚式に参加した人は親戚や友人なのでしょうか?

新郎新婦は南インドの有名な企業(繊維産業)の関係者なので、家族全員、友人、両社の全従業員が結婚式に招待されていました。通常、ビジネス関係や政治家一家の結婚式では5000人から50000人が出席します。

カデルさんのYouTube「インドへようこそ」から

ビリヤニは結婚式の定番メニューなのでしょうか。また、普段はどんなときにビリヤニを召し上がるのでしょうか。

私の出身である南インドのタミル・ナードゥ州においては、ビリヤニはイスラム教徒とキリスト教徒の結婚式でのみ提供されます。また、タミル・ナードゥ州におけるヒンズー教の結婚式の95%がベジタリアン料理だけで、約20〜100種類の料理が振る舞われます。

実際に、私の妹の結婚式で提供されたフードメニューを紹介します。この時は1000人が参列しました。

カデルさんの妹の結婚式で出されたメニュー。ビリヤニのほか、ナンやパニールティッカなど、日本のインド料理店でもおなじみの料理が勢揃い

メニュー表を見ると、メインディッシュからドリンク、デザートまでかなりの量の料理が提供されている。カデルさんによれば、タミル・ナードゥ州の文化として「お腹いっぱいになったときに心が穏やかになり、祝福できる」という信仰があるのだそう。

ところでビリヤニは、日本ではインド料理店などで食べられ、ネット上にもレシピや作ってみた動画が多数投稿されているが、南インドでは家庭でも食べるものの「特別な料理」なのだという。

ビリヤニは特別な食べ物とみなされており、週末に家庭で調理されることもありますが、ほとんどレストランで食べます。 オンライン食品配達アプリでは、ビリヤニはインドで最も注文されている料理です。

ビリヤニは誰でも作ることができます。 例えば、ふぐ料理は10年の修行が必要と聞きますが(※)、 最高のビリヤニを調理するには多くのスパイスを使うため、多くの経験と高い技術力が必要なのです。

※編集部注:ふぐの調理には「ふぐ取扱責任者試験」を受験し合格する必要があります。(東京の場合・東京都福祉保健局

カデルさんがYouTubeで紹介している「バケツビリヤニ

日本には8回来日、現在は日本語を勉強しているというカデルさん。「インド人YouTuber」として、南インドについて発信を始めた動機を聞いてみると、このような答えが返ってきた。

正直なところ、私は日本人に少し腹を立てていました。 インドを旅行する日本人の多くはバラナシ、ジャイプール、アグラに訪れているので、この3都市だけがインドだと考えているのでは、と思ったのです。

私は日本に8回訪れて多くの日本人と話をしましたが、南インドについてはまったく知られていませんでした。 日本のインド料理店でさえ、北インド料理しか提供していません(※)。 私はチェンナイ(南インド)出身なのでとても不安になり、南インドとその文化について紹介するYouTubeチャンネルを始めたいと思いました。

※編集部注:もちろん日本にも「南インド料理店」は存在します。

あくまでカデルさんの見解ではあるが、自分が生活してきた南インドを日本の人にもっと知ってもらいたいという思いが伝わってきた。YouTubeチャンネル「インドへようこそ」では流暢な日本語で南インドの文化について熱く語っている。興味がある人はTwitterの投稿と合わせてチェックしてみて欲しい。

 

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