レシートスキャン用の商品が漫画家に売れているのはなぜ?予想外の需要を開発者に聞いた
「反射光に邪魔されずレシートをスマホでスキャンするために作った商品が、なぜか漫画家に売れている」というツイートがTwitterで話題だ。
モノづくりは本当に面白い
反射する光に邪魔されることなく、スマホでレシートをスキャンするための道具を作ったら、交換用の低反射シートだけが漫画家さんに売れ始めるなんて誰も思わないんよ
そしてどこからそれが噂になってるのかさっぱり震源がわからないので、知ってる方本当教えてください🙇♂️🙇♂️🙇♂️ https://t.co/ZNptRrfQX1
— 山下義弘 / ドケットストアの人 (@tyarinko) 2023年3月4日
ウワサの商品は、黒いハードカバー製のバインディングボードと低反射シートを組み合わた「toto レシートスキャンボード」というもの。低反射シートによってレシートをスマホのカメラなどでスキャンする際に光の映り込みを抑えられるのだ。
商品本体だけでなく、交換用パーツの低反射シートまで漫画家やデザイナーに注目されているという。いったいなぜ?


交換用パーツなのでパッケージもシンプルですが価格も税込400円とお求めやすくなっています
無反射ガラスなんかと比べてもエントリーしやすいのが人気集中の秘密か…
https://t.co/F3nOwVY7Vt
— 山下義弘 / ドケットストアの人 (@tyarinko) 2023年3月4日
商品の考案者であり開発者でもある山下義弘 / ドケットストアの人 (@tyarinko)さんは、予想外の需要の発信源についての情報を求めつつ、このてん末に「モノづくりは本当に面白い」とつぶやいている。

一連の投稿に対してTwitterユーザーからは「これ楽譜スキャン用でも便利そう!」「アナログ絵を写真で撮りたいときに欲しいわこれ」とさまざまな用途への利用の可能性を考える声や、「チェキサイズがあると嬉しいですね」といった新たな要望もあがっている。
自身が考案した商品が、予想外の用途でヒットしていることに関して、山下さんに話を聞いた。
ラフ画の取り込み等で活躍
漫画家さんに売れていることはどのようなきっかけで気付きましたか?
一部のお客様から声をいただいていたおかげで知りました。
デザイナーさんから「ラフ画の取り込み等にも便利に使っている」という声をいただきました。紙に描いたラフスケッチ等をレシートスキャンボードとスマホで撮影して取り込むと、スキャナーを使う手間が省けて手軽でいいそうです。
なるほど、ラフ画の取り込みなどにも応用できると聞くと、交換用シートだけ購入する漫画家さんの需要もなんとなく想像がつく。
想定外の売れかたをしている事実にどんな感想を抱いてますか?
とても面白いと感じています。
もともと、電子帳簿保存法の変更によって、領収書・レシートをスマホカメラでデジタル化する機会が増えていくことを見込んで作った商品でした。
しかしスマホのカメラ機能の進化による変化が、ほかの業界でもいろいろと起きています。帳簿管理以外の用途でも、反射にまつわる不便を解決したいという声があることはある程度予測していたものの、実際に便利だと感じていただいた方の声を聞くまでは受け入れられるか不安もありました。
新たに商品化を検討しているアイデアはありますか?
今回のツイートでいただいた反応は、実証実験をしなければ本当に利便性があるのかわからないこともあり、まずは試作をしながらTwitter上などで反応をいただきつつ開発していければと思います。
A4コピー用紙をスキャンしたいという声に応えられるモデルや、携帯性を高めた小型モデル、そしてチェキやカード用のスリーブなどは実際に開発を行っていきたいと考えております。
@umiryu ありがとうございます! チェキ専用サイズ! 面白いですね カードゲーム用のスリーブと合わせて検討します!
— 山下義弘 / ドケットストアの人 (@tyarinko) 2023年3月6日
「開発した商品が別の需要で売れている」という発信をきっかけに商品が注目され、さらに新たな要望が生まれ、新商品の誕生に向けて開発者が動き出すという事態にいたった本件、まさに「モノづくりは本当に面白い」!