日本酒製造期間は納豆禁止!久しぶりに食べて大歓喜の杜氏さんに話を聞いた

納豆を食べられない仕事って…?
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仕事柄「納豆」を食べられない期間を乗り越え、涙ながらに喜んで食べる杜氏のツイートが話題だ。

納豆菌

納豆を「むせび泣き」しながら食べたという投稿をしたのは、富山県にある創業約200年の玉旭酒造有限会社(@Tamaasahi_Owara)の杜氏さん。
日本酒作りに欠かせない麹に納豆菌を入り込ませないため、日本酒の要となる麹造りがおわるまでは納豆を食べられないという。

麹菌と納豆菌は成育環境が似ており、増殖してしまうと「ぬるり麹」や「すべり麹」というぬめぬめした麹になってしまうためだ。

このツイートを見たTwitterユーザーからは「思う存分、召し上がってくださいね!」というねぎらいの声や「杜氏さんはずっと納豆禁止だと思っていましたが、解禁される時期もあったんですね」といった、学びのあるコメントなどが寄せられた。

解禁後に納豆を食べた時の心境や納豆菌をどう思っているかを、玉旭酒造さんに話を聞いた。

「朝といえば納豆」を封印

「むせび泣く」ほど心待ちにしていた納豆を食べた時の感想を教えてください。

恋い焦がれていた味・香り・食味に加えてネギの風味が、呑んでもいないのに羽化登仙のような心持ちでした。

納豆禁止前はいつもどのような食べ方をしていましたか?

基本的には朝食でしか食べていませんでした。

今日から造りの季節だという日の朝、気付いたら納豆パックを手にしていて、ハッと我に返り冷蔵庫棚に戻しました。新シーズンに入るんだということで、気持ちを新たにいたしました。

納豆菌
日本酒と納豆、どちらも堪能できるしあわせ

納豆禁止期間中は、ご家族も食べられないのでしょうか。

杜氏宅では妻子や両親が夕食に納豆を普通に食べていましたが、蔵に住まう社長一家は、酒造りシーズン中は全員納豆を絶っているみたいですね。

菌の扱いで気を付けていることがあれば教えてください。

酒造りは無菌状態で行うわけではございませんし、納豆菌を含めた枯草菌(こそうきん)は環境の至る所に存在しています。

有用微生物は上手に増やして活用し、不要な微生物は仮に少々入り込んでも増殖を抑制する形でうまいこと障りにならないようにする、それが日本酒醸造の技であります。

醸造に関わる方達の「納豆禁」という事実を知って、改めて酒造りの繊細さを目の当たりにした方も多いだろう。納豆片手に晩酌したくなった方は、ぜひ玉旭酒造(@Tamaasahi_Owara)さんをフォローしてみては。

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