一夜限りしか咲かない花!「月下美人」が標本になる過程のタイムラプス動画が息をのむ美しさ

花言葉は「はかない恋」
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Twitterに投稿された、一輪の月下美人が標本になるまでを収めた動画を見てほしい。

液体に漬けてすぐの花
時間が経過し、色が変化していく様子がわかる

花びらの先からまるで崩壊していくように色素が抜けていっちゃうから、このシルクのような真っ白な輝きは例え標本にしても10分くらいしか見れないんです

…との言葉通り、輝くような白色がだんだん半透明になっていく様子がよくわかる。

このタイムラプス動画を投稿したのは、餅月(@mochimochimoon3)さん。

標本にした花は餅月さんが大切に育てたもので、2020年に初めて育成に成功し、開花する様子もタイムラプス動画で投稿している。

液体標本にするにあたって、アルコール分はホワイトリカーを使用し、花の白さをキープするために一部プリザーブドフラワー用の薬品を使っているそう。

美しくもはかない花を標本にする理由を、餅月さんに聞いてみた。

「花の美しさをなんとか保存できないか」と標本に

月下美人を標本にしようと思った理由を教えてください。

月下美人にはとても強い思い入れがあります。

黒執事』という漫画作品が大好きで、その中に「月下美人の花を贈られた人だけが参加を許される『真夜中のお茶会』」という描写があります。

とても美しいシーンで、ぜひ一度自分の目でその花を見てみたいと思ったのがきっかけでした。

『黒執事』では生や死、死者のエンバーミングがテーマとして扱われることがあり、すぐに散ってしまう月下美人の花をこのテーマをヒントに、なんとか美しく保存できないかと思ったのが標本製作のきっかけです。

月下美人が開花を迎えた時の様子を教えてください。

実際の経過時間は約2時間ですが、香りが立ち始めるとともにゆっくりと開花する序盤の様子は大変ミステリアスで、はかなさも感じます。

そして満開に至るころには、花の大きさは大人の手のひらを目一杯広げたぐらいになります。

満開に咲き誇るころにははかなさだけでなく、その大きさと香りに圧倒され、まさしく月下美人の学名“A Queen of the Night”(夜の女王)にふさわしい力強さを感じられます。

月下美人の栽培で苦労した点や、開花に成功した感想を教えてください。

苦労した点は日光と温度の管理です。どちらが足りなくても、月下美人のつぼみはすぐに落ちてしまうからです。特に月下美人は寒さに弱いため、冬場の開花調整は大変でした。

初めて開花に立ち会えた時の感想は、「生で見たいという夢が叶った」でした。

開花が始まると同時に部屋中が月下美人の香りに満たされ、文字通り酔いしれる思いでした。ユリとジンチョウゲを足して2で割ったような凛とした香りです。

植物の持つ生命力とはかなさを、まざまざと感じられた標本製作の風景。

餅月さんは通販サイトにて月下美人の標本を販売しているので、実物を見てみたい! と思った方はぜひチェックしてみては。

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