『犬神家の一族』の歴代「逆立ち足」をイラスト化! 新たな視点で展開される横溝正史作品の考察が話題
『犬神家の一族』の映像作品における歴代「逆立ち足」のシーンを比較したイラストがTwitterに投稿され、話題を呼んでいる。
#犬神家の一族 NHK BS版後編放送終了!
逆立ち足比較表も2023年版最新版です!
#吉岡秀隆 #金子大地 #横溝美術部 #探偵堂 https://t.co/7dqEa9U8Gg
— 探偵堂 5/21文フリ か-27 (@Chizu_Yamamoto) 2023年4月29日

投稿したのは、推理小説家・横溝正史のファンで横溝作品の研究をしている探偵堂(@Chizu_Yamamoto)さん。
画像では、横溝の代表的な作品『犬神家の一族』の歴代映像作品のなかで描かれた「逆立ちにされ足だけが湖の水面から出ている遺体」のすべてのシーンを比較。それぞれの公開年や金田一耕助を演じた俳優名、概要などがわかりやすく記載されている。
Twitterユーザーからは、「どの作品も違いがあって楽しい」「2020年の池松壮亮さん版は笑いました、まさかのタライ」「やはり2006年の石坂浩二さん版が秀逸ですね」など一覧表を見て楽しむ声や感想があがっている。
横溝正史作品の魅力や研究を始めたきっかけ、また比較一覧表についての製作秘話など探偵堂さんに詳しく話を伺った。
最初に作った比較一覧表は「犬神家の家紋の考察」
横溝ファンになったきっかけは?
横溝ファンになったのは小学生ぐらいでしょうか。当時、地上波の映画番組の中で市川崑監督・石坂浩二主演の金田一耕助シリーズのいろいろな作品が繰り返し放送していたのを観たのがきっかけです。
横溝作品の研究を始めたのはいつ頃からですか?
横溝正史原作のドラマや映画などが放送される時は録画し見比べていましたが、「巡 ・ 金田一耕助の小径」学会に参加したことから本格的に横溝作品の研究を始めました。
学会は、横溝正史にゆかりの深い岡山県倉敷市が主催している観光イベントの中の催し物のひとつであり、横溝ファンの研究発表会となります。
最初の発表内容は「犬神家の家紋の考察」でした。思えばこの頃から一覧表にして見比べる研究をしていたように思います。
#文学フリマ東京36 に「探偵堂」(か-27)として参加します。
新刊は「横溝作品私的考察集」
収録考察 「メディアミックスにおける犬神家の家紋表現」
では歴代犬神家の家紋を解説。
犬神系、神社系、古典紋アレンジ系、斧琴菊合成系 に大きく分類できます。
https://t.co/YFeDwlKa4S https://t.co/jJUj4FQehn
— 探偵堂 5/21文フリ か-27 (@Chizu_Yamamoto) 2023年5月2日

「逆立ち足比較一覧表」の中で一番の好きなのは?
1976年の市川崑監督のものは「足の開き」「膝の角度」「足首の角度」など左右を揃えず「非対称の美」に満ちていて完成されていると思います。
横溝作品で今後一覧表を作成する構想はありますか?
過去に『犬神家の一族』犬神松子や『八つ墓村』要蔵の配役、『獄門島』花子の吊るされ方はイラストで歴代を比較しました。このあたりも見やすく表にしたいと思っています。



また同じ『犬神家の一族』で「佐武の菊人形」「佐智の死に様」などはリクエストをいただきましたので、いつかまとめたいですね。
3年ぶりの更新! #犬神家の一族
2023年版 スケキヨマスク比較表!
なお、54年の知恵蔵版のマスクは、木魚庵 @mokugyo_note さんにスチールを見せていただいて描き起こせました。
おかげさまで最新完全版完成です!
逆立ち足比較表は来週!
#吉岡秀隆 #金子大地
#横溝美術部 #探偵堂 https://t.co/HXpYF5o2GH
— 探偵堂 5/21文フリ か-27 (@Chizu_Yamamoto) 2023年4月22日

詳細に分析されたさまざまなシーンの比較一覧表は、作品を愛し知見を深めてきた探偵堂さんが描くからこそ、見る人も新たな面白さを発見できるのだろう。
#文学フリマ東京36 探偵堂(か-27)
新刊収録の新作原稿「犯人という名のヒロイン」。
では市川崑作品以降の横溝映画・ドラマを考察しました。
・市川作品で導入された「ダブルヒロイン構造」
・80〜90年代に定着した「犯人はいつも女」説の実態解明
・2000年代以降の原作回帰と女性の描き方
など https://t.co/hue4lnQsEV
— 探偵堂 5/21文フリ か-27 (@Chizu_Yamamoto) 2023年5月15日
探偵堂さんのTwitterアカウントでは、横溝正史の小説や映像化作品の考察、雑記などを日々ツイートしている。興味がある人はフォローしてみよう。