威嚇されても遊び続ける野生のオウムの動画がじわじわくる オーストラリアの平和な野鳥ライフについて聞いた
オーストラリアの公園にて、オウムの仲間であるテンジクバタンとキバタンが対峙する動画がTwitterで話題となっている。
ひっくり返って楽しそうに遊ぶテンジクバタン。そこに現れたのは、ちょっかいをかけたい(?)キバタン。似た種類とはいえ、自分より身体の大きな別の種類の鳥の威嚇を全く恐れずお腹を見せ続けているあたり、テンジクちゃんはやはり、完全にキバタンを舐め切っていますね😁 https://t.co/UPaNskMQ1j
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2023年5月20日



投稿したのは、オーストラリアのシドニーに住むAzusa(@chibitaro0612)さん。
ごろんと転がりお腹を見せた状態で、木の棒をつかみながら遊んでいるテンジクバタン。そこへ同じオウム科で体の大きなキバタンが現れるが、テンジクバタンは遊びに夢中で全く動じていない様子。
キバタンは威嚇するかのように大きく翼を広げて見せるがそれでも意に介せず、テンジクバタンは遊び続けていた。すごすごと退散するキバタンの背中にやや哀愁を感じる。

Twitterユーザーからは「こんな態度取られたら、キバタンも威嚇する気が失せちゃいますね(笑)」「テンジクは遊び方が本当にかわいい」といった感想が届いた。
Azusaさんに、オーストラリアの野鳥事情について詳しく聞いてみた。
日本のカラスやスズメくらい身近な存在
テンジクバタンやキバタンにはシドニーのどんな場所で会えるのですか?
公園や住宅街の歩道、民家の庭など、あらゆるところで出会えます。日本で言うとカラスやスズメくらい身近な存在です。
都心部からほど近い植物園や大きな公園などにも群れでやってくるので、観光客の方でも野生のオウムを楽しむことができますよ。ただし、彼らが活発に活動するのは採食の時間である朝と夕方で、昼間は樹上で休んでいるため見つけるのが難しいです。
奥にはテンジクバタンの親子が😻オウムたちが共存している姿は、見ていて楽しいですね。 https://t.co/SHkZvdVAsp
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2023年5月28日
オウムたちは人間に慣れていますか?
オーストラリアに数多く生息する鳥類の中でも、キバタンは一番人間に慣れています。
またテンジクバタンも、スポーツを楽しむ人々がいるグラウンドの片隅で採食する姿をたびたび見かけるので、慣れているのでしょうね。
動画のようなテンジクバタンの「なめきった」行動は、よく見られますか?
テンジクバタンに限らず、アカビタイムジオウムやモモイロインコなども、キバタンに対してかなり強気なのは日常茶飯事です。なかでもテンジクバタンが一番なめた態度だと思います。
あちらこちらでごろごろしているアカビちゃんたち☺️ https://t.co/hdAMzpdUUK
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2023年5月28日
おいしそうな餌場、穴掘りできる木の根元などの遊び場や、おもちゃになりそうな小石や小枝をキバタンから奪うことはよくありますし、羽繕いし合っているキバタンをわざわざ邪魔しに行くこともあります。
私が見ている限りでは、テンジクバタンは陽気で天真爛漫な印象です。そのため、キバタンをおちょくっているように見えるのかもしれません。一方キバタンは根に持つ傾向にあるようで、テンジクバタンに何かされた後はもの言いたげな目でじーっと見つめていることがあり、その対比が面白いです。
シドニーならではの鳥エピソードを教えてください。
シドニーではオウムやインコたちは身近な存在ですが、特徴的な鳴き声のワライカワセミや賑やかなクロガオミツスイ、声の良く通るフエガラスなどが庭先にやってくることもあります。
日本とのオンライン会議中に、ワライカワセミの笑い声のような鳴き声が響き、さらにキバタンがギャーギャー鳴きながら家の上を通過した時があり、「一体どんなところに住んでいるの!?」と驚かれました。
縄張りを主張するワライカワセミ。個人的には笑い声というより、🐒っぽいと思うのだけれどどうでしょう?こんなに可愛いふわふわなビジュアルと、鳴き声のギャップが面白い。 https://t.co/tm5sLJgYTt https://t.co/ROLFjt9BRT
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2023年2月7日
また、こちらの動物園では大きなオーストラリアクロトキがあちらこちらで見られるので、野鳥になじみがないうちは「バードケージから逃げ出しちゃった!?」と驚く方も多いです(私もそのうちの一人でした)。
珍しくオウムたちの餌場に入り込んできたオーストラリアクロトキ。他のオウムやインコには弱いキバタンも、他の種類の鳥さんにはなぜか強気😁 https://t.co/7ebS785HIC
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2022年12月1日
オウムの生息エリアには、天敵である大型の猛禽類や爬虫類がいないので、今回の動画のようにオウムたちが伸び伸びと暮らしています。そのような環境のため、両脚を同時に怪我で失ってしまったキバタンが1年近くも生き延びています。ハンデがあってもたくましく生きていく野鳥の姿を身近にみられるのも、オーストラリアならではでないでしょうか。
両脚のないキバタンちゃん10ヶ月記念🕊✨
両脚のないキバタンちゃんが怪我をしている姿を発見してから今日で10ヶ月が経ちました!ということで、夕方少しだけ公園へ行き、元気な姿を見ることができました。 https://t.co/AXmgBQVcWo
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2023年5月20日
「今お外に仲間いた!いたよね?」の顔のチャーリー。7年くらい前にお外の世界で怪我をしていて保護された子なので、自分をモモイロインコと分かっているようで、色んな鳥の声が聞こえる中、モモイロインコの声だけに反応します🕊 https://t.co/GIh0Am2cJ9
— Azusa 🇯🇵✈︎🇦🇺 英語学習8年目/シドニー2年目🕊 (@chibitaro0612) 2023年5月23日

シドニー在住2年目のAzusa(@chibitaro0612)さんは、オーストラリアで見られる野鳥やご自身で飼っているモモイロインコの画像を日々Twitterに投稿している。シドニーの鳥さんたちをもっと見たくなった人は、ぜひフォローしてみては。