NZ クイーンズタウン滞在中に「水道水から寄生虫検出」! 現地にいた人に状況や街の様子を聞いてみた
ニュージーランド・クイーンズタウンでの旅行中、水道水から寄生虫が検出されるという事態が発生して驚いたという報告がX(Twitter)に投稿され、注目されている。
ニュースを見てたら、「クイーンズタウンの水道水からクリプトスポリジウム(寄生虫の一種・やばい)が検出され、病院がパンク状態、保健省が水道水を必ず煮沸するように市民に指示」というニュースが出てて、ほーん、クイーンズタウンってどこだっけって調べたワイ(2泊目) https://t.co/CIWSamWrqd
— Joshua Lawn 日本風洞CEO (@Joshua_J_Lawn) 2023年9月20日

投稿したのはJoshua Lawn(@Joshua_J_Lawn)さん。日本国籍のハーフ(ニュージーランド人と日本人)で、ニュージーランド滞在歴もある。
投稿当時、家族でニュージーランド全土にいる親戚に挨拶するため2週間の旅行中だった。そんな中テレビのニュースを眺めていると、「クイーンズタウンの水道水からクリプトスポリジウム※という寄生虫が検出された」と流れてきたのだ。
「クイーンズタウンってどこだっけ?」とマップを開くと、まさに自分が今いる場所。この時すでに2泊目だったが、自分たちが大変な事態に巻き込まれていると気づいたのだ。
※塩素耐性が強い寄生虫。経口摂取することで感染症を起こし、食欲不振・嘔吐・腹痛、下痢などを呈し重篤化する場合もある。
なんか昨日スーパーで飲料水が炭酸水まで全滅してたのはこれか、、、、。水道水飲んでないけど普通に口ゆすいだり顔洗ったりしてるわ、、、(死)
— Joshua Lawn 日本風洞CEO (@Joshua_J_Lawn) 2023年9月20日
昨日はスーパーも自販機も水が1個もなかったけど、今日はニュージーランド中の水が集められている感じでパレットで水が補充されてた
それでもすごい勢いでみんな水買ってる。
まあ、保健省から「皿を常温の水道水で洗うのも危ない」とか言われてるから需要がすごそう
自分も買った https://t.co/EpMlTEHhWD
— Joshua Lawn 日本風洞CEO (@Joshua_J_Lawn) 2023年9月21日

この時地域の保健省からは、水道水を必ず煮沸して使用するようにといった指示※が出ていた。さらに前日、Lawnさんが行ったスーパーでは飲料水が軒並み売り切れていたが、翌日には無事入手できたそうだ。
※QUEENSTOWN LAKES DISTRICT COUNCIL〈Cryptosporidium outbreak - advice and informatio〉
一連の投稿を見たX(Twitter)ユーザーからは、「水道水にクリプトスポリジウムが出たとは、マジでヤバいやつです。お気をつけて」「水道水が寄生虫で汚染されるなんて考えただけで怖い。早く元通りになるようお祈りします」と、事態を案じる声が集まっている。
旅先で災難にあったLawnさんに、現地の様子をくわしく聞いた。
今いる場所だと自覚なく「なんか大変そうだなあ」
ニュースで「水道水のクリプトスポリジウム汚染」と聞いた時のお気持ちは?
クイーンズタウンはかなり広い範囲の名称なので現地では一般的により細かい地名、例えばケルヴィン・アロータウン・キングストンなどで呼ぶのが一般的です。
そのため、自分たちがクイーンズタウンにいるという自覚があまりなく、初日は「なんかニュースでクイーンズタウンが大変らしい、大変そうだなあ」とテレビを見ながら思うにとどまった次第です。
例えば、埼玉県に出かけた人が、「自分は関東にいる」というよりは「埼玉県にいる」という思いが強いのと似たような感じです。
スーパーや街の人たちの様子や現地での報道はどのようなものでしたか?
まだ騒動に気づいていない初日はどこのお店を探しても水も炭酸水もなく、「明日入荷します」という貼り紙がされていました。
それを見てもいまいち意味が分からず、オーストラリアの内陸部に住んでた時の経験から「水不足かな?」と軽く考えていました。
特に大きな騒ぎはなく、ホテルの受付からもなんの説明もなく、ただ「水がどこにもないだけ」の状態でした。
報道に関しては、ニュージーランドは人口が少なく日本のように都道府県ごとのニュースがなく全国ニュースで見ただけだったので、現地に住んでる人も危機感があまり感じられない、さらには事態を知らない人さえいるような感じでした。
事態に遭遇したお気持ち・学んだ教訓があれば教えてください。
ニュージーランドはインフラもかなりしっかりしたいわゆる先進国です。なのでかなり危険な寄生虫が、よりによって水道水を汚染し集団感染を起こした、というのはかなり驚きました。
一方で、調べてみると日本も含め、世界各国で大規模な集団感染の実例が近代でも多く起こってることに驚き、「塩素消毒にも紫外線殺菌にも耐え、おそろしく粒子が小さい恐ろしい寄生虫」がまだこの世にいる恐ろしさを感じました。
また、妻が体調を崩したのですが、検査の結果感染ではなくただの水あたりだったので、無事日本に帰国できました。
総じて、水道水を安心して飲める日本のありがたみをひしひしと感じるとともに、インフラを支える関係者、技術者に敬意を表したい気持ちになりました。
大変な事態に遭遇しながらも、その後は無事日本に帰国したLawnさんご家族。
現時点(2023年10月3日)では水道水の汚染について収束のニュースは見えていないが、一刻も早く落ち着くことを祈るばかりである。