Bill Kovachとの会話(ジャーナリズムの原則 著者) 鳥賀陽弘道記者( @hirougaya )の呟き

Bill Kovachとの会話(ジャーナリズムの原則 著者) 鳥賀陽弘道記者( @hirougaya )の呟き
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烏賀陽 弘道 @hirougaya

以前からツイッターでお勧めしている「ジャーナリズムの原則」(日本経済評論社)。あまりに感銘を受けたので、原書"the Elements of Journalism"を買って読み始めたのはご報告しましたね。

2011-02-12 15:03:14
烏賀陽 弘道 @hirougaya

アメリカに取材に来る機会があったので、そうだと思って著者のBill Kovachにメールを出して「著作を読んで感銘を受けました。ディスカッションをしたいのですが、会ってもらえませんか」とダメ元で依頼したら、「金曜日の午後なら時間が取れます」と返事が来た

2011-02-12 15:05:22
烏賀陽 弘道 @hirougaya

自分が感銘を受けた本や音楽の作者に会うというのは、何回やっても緊張します。きょうも、なんとノートをバックパックのどこに入れたのかわからなくなって(インタビューが終わってから出てきた)、ヤケクソで資料のコピーの裏に延々とメモした。笑

2011-02-12 15:08:30
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachさんは1932年生まれ。ニューヨークタイムズのワシントン支局長だった。日本でいえば政治部長ですね。耳が若干遠いのですが、オレンジ色のセーターを来て、いまもズボンのお尻にメモを突っ込んでワシントンの街を取材に歩き回っている(お尻のメモがかわいかった)。

2011-02-12 15:11:03
烏賀陽 弘道 @hirougaya

予定より1時間くらい早くオフィスに到着してしまったので、「当たってくだけろ」で押し掛けたら、ちゃんと対応してくれて、1時間半も話し込んだ。「30分の予定だったのに!!」とコビッチさんも苦笑していた。

2011-02-12 15:12:27
烏賀陽 弘道 @hirougaya

彼の本に書かれている「真実とは何か」「客観性とは何か」「ジャーナリストは何のために働くのか」「インターネット時代のジャーナリストの職責は何か」とか、ものすごく有益な話が洪水のようにあって、本が一冊書けます。

2011-02-12 15:15:36
烏賀陽 弘道 @hirougaya

どうせ「ジャーナリズムとは」なんてテーマを載せる雑誌はもうないから、またネットで発表しようかなあ。お金をどうしよう?また投げ銭かな。どうですかみなさん。

2011-02-12 15:16:51
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachさんが考えている問題認識や未来へのシナリオが、かなりの部分で重なることがわかって非常に勇気づけられた。

2011-02-12 15:19:25
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovach「メディアの経営者(business manager)は『ジャーナリズムとは何か』になど関心がない。広告クライアントも『事実とはなにか』など大切だとは思っていない」

2011-02-12 15:21:28
烏賀陽 弘道 @hirougaya

あ、投げ銭がたくさん来ている!いま気づいた!みなさん、ありがとう!

2011-02-12 15:27:55
烏賀陽 弘道 @hirougaya

@shivaken 田代くんの会社じゃないすか!笑 朝日同期入社の希望の☆!

2011-02-12 15:28:49
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachtの対論/インターネット時代のジャーナリストの職責その1 "to aggregate best information to make sense out of it" 情報を選りすぐって組み立て、その意味がわかるようにすること。

2011-02-12 15:32:48
烏賀陽 弘道 @hirougaya

make senseという言葉には「意味がわかる」「筋が通る」「腑に落ちる」「話がわかる」というニュアンスがある。「いちばんいい情報を選りすぐって集め、なるほど、と読む人がその意味を理解できるようにする」という感じでしょうか。

2011-02-12 15:34:12
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの対論 インターネット時代のジャーナリストの職責2 「この世界が動いている仕組みを解明すること」

2011-02-12 15:36:30
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 インターネット時代のジャーナリストの職責3 ブロガーやネットの受け手と助け合いながら、彼らに参加してもらうだけでなく、批判的な思考や、疑いを持って現実を見る思考をできるように示すこと。そういう市民が増えることは、権力者にはイヤなことだ。

2011-02-12 15:38:22
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 インターネット時代のジャーナリストの職責4 そうした方法を、牧師のように高いところから説いて聞かせるのではなく、自ら行動で示すことで教える。コーチングのようなものかもしれない。

2011-02-12 15:39:58
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 インターネット時代のジャーナリストの職責5 インターネットや多チャンネルテレビで、情報は洪水のように流れてくる。そうして断片的な情報の渦の中で、人々は必ず「では、なぜそんなことが起きたのだ」とWHY?を問い始める。

2011-02-12 15:41:20
烏賀陽 弘道 @hirougaya

この「WHATを知った人々は必ず次にWHYを問うようになる」というBill Kovachの見解は、偶然ですが、拙著「朝日ともあろうものが」で書いたことと一致しています。

2011-02-12 15:42:36
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 インターネット時代のジャーナリストの職責6 何を解き明かすのか?"Why it happens?" and "What it means?"(なぜそんなことが起きたのか?それはどんな意味があるのか?)

2011-02-12 15:44:45
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 インターネット時代のジャーナリストの職責7 そういった要請に答える報道は「発生もの」(breaking news)の短報ではなく、調査報道(investigative report)がもっとも適当だろう。

2011-02-12 15:46:44
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 インターネット時代にそういった報道はどうやって財源を見つけるのか? まだ答えが見つからない。一生懸命みんな格闘している。答えは誰にもわからない。It must happen(なんとかしなければならない)。民主主義の危機そのものだから。

2011-02-12 15:49:17
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachは寄付方式による調査報道団体Center for Public Integrity を運営している。例えば、アスベストの横流しを調査して報道した。

2011-02-12 15:50:45
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 財源の解決になりうるひとつの方法は、multiple use of information ではないか。ひとつの取材で得た情報を、複数の切り口でパブリックに還元していくことだ。

2011-02-12 15:52:03
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 「答えはこことここにあるよ」と机の上のパソコンと、手の中のブラックベリーを示した。「ファーストニュースはすmタートフォンで『なぜ?』に答える部分はパソコンで後からじっくり見るというスタイルになるだろう」

2011-02-12 15:53:45
烏賀陽 弘道 @hirougaya

Bill Kovachとの会話 なぜ新聞やテレビは信頼を失ったのか?1980年代にケーブルTVが普及して多チャンネル化したとき、CNNやC−SPANを見た人々は「ちょっと待て、何でこんなことを教えてくれなかったんだ」「話を全部伝えていたんじゃなかったんだ」と気づいた。

2011-02-12 15:55:39