『柄谷行人蓮實重彥全対話』読書メモ集

荒木優太 @arishima_takeo

「トドロフなんてのは単なる情報知識の整理屋であってね、全くなんにもない」（蓮實重彦「文学・言語・制度」）。でも名前がカッコイイよね。

荒木優太 @arishima_takeo

「たとえば白樺派はすがすがしいし、それから自然主義派は苦しいわけだけど、漱石はそのどっちでもないのですね」（柄谷行人「マルクスと漱石」）。なんとなく分かる。

荒木優太 @arishima_takeo

脳軟化症とは、頭が悪くなることではなく、倫理性を口にしながら、その倫理をつい忘れたような状態に陥って平気でいる、ということです。するとこれは、悪い意味での仏教的な世界に入っちゃうわけで、そこは一度入ると、とても心地よい。by蓮實重彦「現代日本の言説空間」

荒木優太 @arishima_takeo

頭が良いというのは国際的なことだからね、礼儀正しいというのはローカルだけど（笑）。by柄谷行人「現代日本の言説空間」

荒木優太 @arishima_takeo

「たとえば現代は、分衆の時代とかいろいろな呼び方がありますが、要するにプロレタリアートなきブルジョワの時代でしょう」（蓮實重彦「現代日本の言説空間」）。分人のパチもんみたいな概念だな。あとで調べておく。

荒木優太 @arishima_takeo

浅田彰の言説を特徴づけるものとして、最終的に否定されるべき批判の対象とかなり快く戯れて、ことと次第によっては、自分がその「絶対的スノビスム」であることも恐れないといったところがあり、それがいわゆる若手の文芸批評家どもと彼との絶対的な違いなわけです。by蓮實重彦『闘争のエチカ』

荒木優太 @arishima_takeo

「人は動物になることが可能なんです。愚鈍さというのがその状態であり、これは自然への回帰などといったこととはまるで異質の体験です」（蓮實重彦『闘争のエチカ』）。動物化する蓮實重彦。

荒木優太 @arishima_takeo

「「……は死んだ」といっても、ちっとも死んでいないのは、それの物語的機能が強いからだけではないでしょう。「……は死んだ」という考え方そのものに、すでに物語が回復している」（柄谷行人『闘争のエチカ』）。そうそう、正に。だから、「近代文学の終り」とか言い出す奴らって下らないですよね。

荒木優太 @arishima_takeo

ノヴェルとはつまりニューズですね。しかし、何がニューズなのか。それは構造（物語）に入らない出来事です。つまり断片的なものです。by柄谷行人『闘争のエチカ』

荒木優太 @arishima_takeo

たとえば、子供に話をして、「それから？」というので、でたらめに話すと、違う、そうじゃない、というでしょう。子供は知っているわけですよ。はじめてのときは別として、すでにその話を知っているのに、「それから？」と聞くわけです。by柄谷行人『闘争のエチカ』

荒木優太 @arishima_takeo

小説は、物語と違って、時間も空間もばらばらに読めるんです。by蓮實重彦『闘争のエチカ』

荒木優太 @arishima_takeo

優れた小説、優れたじゃなくてもいいんだな、長篇小説のある種の魅力というのは、全巻読まなくていいという、これは積極的な無責任さを僕たちに許してくれる数少ない場所の一つだと思う。「つづき」というのがなくてすむ。「それから？」ということもなくていい。by蓮實重彦『闘争のエチカ』

荒木優太 @arishima_takeo

「僕は、文学が日本語に吸収されたら終わりだと思う。日本語のなかで、それをどの程度外国化するかというのが小説であり、詩であり、批評なのだと思う」（蓮實重彦『闘争のエチカ』）。いいこというじゃん。「美しい日本語」とかホント下らないから、やめた方がいいと思いますよ。

荒木優太 @arishima_takeo

「たとえば爆撃みたいなことを考えたときに、核攻撃でもいいけれど、ニューヨークは安全ですよ」（柄谷行人『闘争のエチカ』）。アチャー、って感じしかない。

荒木優太 @arishima_takeo

ところで、ハスミさんって旧字体にこだわりとかあるんだろうか。もう偉くなったんだし蓮実重彦でいいだろ（謎論理）。

荒木優太 @arishima_takeo

『柄谷行人蓮實重彥全対話』読了。どちらも死んでないのに勝手に「全」対話としてまとめちゃってる謎本。柄谷よ、そして、蓮實よ。今こそ、テロとか天皇とか『伯爵夫人』とかをテーマにして緊急対談するんだ！　ユルんだ講談社の奴らに、自慢の天邪鬼で一発お見舞いしてやれ！！