債務・債権としての貨幣 貨幣は常に誰かにとっての負債である

名目貨幣(それ自体は何の使用価値ももたない貨幣)はなぜ流通・貯蓄価値を持つのか、を突き詰めて考えると、貨幣が信用取引(貸し・借り)を反映したものであるという理解に至る。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

知恵袋で回答したもの 「Q:そもそも借金のない国ってあるのでしょうか?」 ⇒「通貨は”借金”によって供給される」「そもそも通貨自体が負債」「ドイツの国債発行削減は他国の借金に依存している」「アメリカの双子の赤字が国際経済を支えてきた」detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_de…

2016-07-11 18:36:09
NoTimetoRetire @23sato4

不換紙幣という歴史的に特殊な通貨に関しては会計上の処理としてそうなるが、例えば暗号通貨は誰の負債でもない。 twitter.com/motidukinoyoru…

2016-07-11 18:38:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

不換紙幣というより、国定通貨と呼ぶべきなのだが、国定通貨は歴史的に特殊でも何でもなく、むしろ最も普遍的な通貨形態である。(金本位制などの方が特殊なもの) 古代の「トークン」などは典型的な国定通貨制度と言える。 twitter.com/satofumi3/stat…

2016-07-11 18:43:20
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

暗号通貨の場合、受け取る側にとっては「将来暗号通貨によって財を払ってもらえるという意味での債権」である、払う側にとっては「将来暗号通貨を出されたら財を差し出さなければならないという意味での負債」だ。 この関係が成り立つならばどんなものでも通貨にはなり得る。 @satofumi3

2016-07-11 18:45:23
NoTimetoRetire @23sato4

細部にこだわってしまうが、金貨が"国定通貨"ということもありえたわけで、それは負債ではない。 twitter.com/motidukinoyoru…

2016-07-11 18:45:39
NoTimetoRetire @23sato4

@motidukinoyoru 暗号通貨を債権というなら見合う債務は誰が負う?

2016-07-11 18:47:37
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

しかし、このような暗号通貨の最終需要は不安定である。将来の暗号通貨による財購入を拒否される危険があるからだ。 そこで国定通貨では、納税という最終需要を設けることで、通貨流通の安定を導いている。 もちろん、デノミなどの危険が迫れば、国定通貨も不安定化する。 @satofumi3

2016-07-11 18:47:41
NoTimetoRetire @23sato4

@motidukinoyoru "貨幣"は信認があれば貨幣ですよ。貨幣の定義の細部はありますが、大筋のところそんなものです。

2016-07-11 18:49:01
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@satofumi3 書いた通り、「将来暗号通貨を出されたら財を差し出さなければならない」市場参加者である。財でないものによって財を差し出さなければならないという関係は、明らかに負債の形式を示すものである。他者に渡す「通貨」は、いわば物々交換の「前借」として機能するのである。

2016-07-11 18:50:36
NoTimetoRetire @23sato4

そういう理論は整合的に体系化できるでしょうか? twitter.com/motidukinoyoru…

2016-07-11 18:52:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

信認とは何に依存するのか、突き詰めれば「貨幣の支出先が安定的に存在する」ことに尽きる。国定通貨の場合、納税という形で支出先が安定しているため、納税者同士の流通が成立する。 暗号通貨の場合、必ずしも最終需要が確定していないので、その流通も不安定になる。 @satofumi3

2016-07-11 18:55:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

逆に、これ以外に通貨を整合的に体系化する論理を知らない。 「通貨とは、支払者にとっては物々交換の前借であり、受取者にとっては将来財を受け取るための債権である。」 どこかおかしいと思ったところがあるなら、お聞かせ願いたい。興味がある。 @satofumi3

2016-07-11 18:57:17
NoTimetoRetire @23sato4

@motidukinoyoru 不特定者に対する"債権"というような考え方をしておられるようですが、それはよく理解できません。また、違うことですが、貨幣の根底に物々交換があるというのも必ずしも確定した事実ではありません。

2016-07-11 19:03:53
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

国定通貨の材質などは問題にならない。金貨にせよ石貨にせよ粘土にせよ紙にせよ電子データにせよ、納税手段として認められた時点で政府負債という形式の最終需要が確定し、納税者同士の交換手段としての基盤となる。 twitter.com/satofumi3/stat…

2016-07-11 19:05:02
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

私の主張は「”物々交換から貨幣媒介への発展”は”経済学黎明期の寓話”であり、実際に存在したのは信用取引である」という考えに依拠していることには強調しておきたい。 そして、それ自体は価値の無いものである貨幣で財を獲得できるなら、債権と呼ぶしかなかろう。 @satofumi3

2016-07-11 19:09:23
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ある者の保有する金融資産は常に他者にとっての金融負債。 さもなくば、それ自体は効用を持たない代物(金にせよ、紙にせよ、データにせよ)が資産として機能しない。当該金融資産による財交換に他者が応じるという約束(これは他者にとって負債契約に他ならない)が不可欠。 @satofumi3

2016-07-11 19:14:23
NoTimetoRetire @23sato4

たとえば、バブル的に価値の膨らんだ絵画群が取引の会計処理に使われると仮定しましょう。そのとき、その群の個別絵画は債権なのでしょうか、それとも実物資産なのでしょうか。 twitter.com/motidukinoyoru…

2016-07-11 19:14:27
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

絵画の持つ実物価値によって変わる。 そもそも絵画(だけではないが)の実物価値それ自体が不安定であり(社会的評価に大きな影響を受ける。バンドワゴン効果)、一概には言えないが、例えば財産家により価値の貯蔵手段として所有されたなら、金融資産に近いものになる。 @satofumi3

2016-07-11 19:17:26
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

絵画の場合、「三億円で売れるもの」として交換・流通する場合と、「三億円(即ちそれに相当する自身の財生産)を出してでも手元に置きたい消費財」として購入される場合とで、金融資産かどうかの性格が著しく変わってしまう。そもそもあらゆるものが通貨になりうるわけだが。 @satofumi3

2016-07-11 19:19:36
NoTimetoRetire @23sato4

@motidukinoyoru このままこの議論から立ち去るのも後ろ髪を引かれる思いなので、ひとこと私見を述べますと、絵画は実物資産であり、取引において生じた債権・債務の計算手段および解消手段として使える、といったところでしょうか..

2016-07-11 19:21:37
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

金融資産と実物資産の違いは、それ自体が財やサービスを生産する生産手段になるかどうかにあるが、絵画の場合、絵画の公開がサービスとして機能するなら、実物資産としての意味も持つことになる。 貴方がどういう意図で絵画を例示されたのかは分からないが、極めて面白い。 @satofumi3

2016-07-11 19:23:12
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

老婆心ながら申し上げておくが、貨幣的性質はあらゆる物が持ちえるということは強調しておきたい。 それは実物資産においても当然あり得るし、それどころか財やサービス自体も通貨たりえるのである。実物貨幣と呼ばれ、歴史上実在したものである。 @satofumi3

2016-07-11 19:27:21
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ここにまとめたように、通貨は本質的に市場参加者(生産者)にとっての負債である。しかし、現在は形式的には政府負債or銀行負債となっている。 銀行負債は、銀行が他銀行や政府に対する決済能力(政府負債としてのベースマネー保有・調達)を持っていることに端を発するので、政府負債だけを考える

2016-07-16 09:40:07
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

通貨が形式的に政府負債であるのは、「納税に対する前借」という形式で発行されるからだ。これによって、もし通貨が市場参加者同士の貸借関係(信用取引)を形成し、事実上参加者同士の負債・債権として機能したとしても、それと同時に納税機能としての債権・負債性を常に保持することが出来る。

2016-07-16 09:42:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

非政府通貨の場合は、生産者が通貨受取を行うか行わないかに不安定性がある。なぜなら、通貨の需要が生産者のみに依存するからである。ここで、納税という安定的な通貨需要を市場に課すと、生産者の通貨需要もまた安定的になり、市場参加者の通貨による信用取引関係もまた安定することになる。

2016-07-16 09:44:12