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エリー・デューリング講演「思弁的美学はどのようなものになりえるか」

Elie During, "What Speculative Aesthetics Could Be"(ソウル国際美学会, 20160725) の大橋完太郎さんによる紹介・報告。
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Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

ソウル国際美学会、本日から本格的に参加。

2016-07-25 19:37:28
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

エリー・デューリングのspeculative aestheticsの講演、日本からの聴衆が少なかったようなので、あとで簡単に報告します。

2016-07-25 19:41:19
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

しかし韓国、まわりの文字が読めなさすぎて辛い。ヨーロッパの小国にいるときよりも辛さを感じる。これだけ近いのにこれだけ言語的に分離していることにやるせない悲しみを感じる。(少しでもハングル読めるように勉強してます)

2016-07-25 19:49:36
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

というわけで本日あったElie During講演"What Speculative Aesthetics Could Be"の簡単な紹介。

2016-07-25 20:28:35
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

前半は基本的にSpeculative Realismの紹介。Speculative Materialism、Object-Oriented-Ontologyの三者の流れを説明して、今回は特別に細かい差を論じるわけではない、と前置き。

2016-07-25 20:29:21
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

SRについては、Meillasouxを代表者として、OOOはハーマンを代表として紹介。この辺りは、千葉・星野・大橋の「読書人」鼎談とほぼ内容同じ。

2016-07-25 20:30:37
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

Duringは今回の国際美学会のテーマが「美学とMass Culture」だったことについても述べ、最終的にMass Cultureに対するSR的考えを最後に述べると言っていた。その前にSpeculativeなaestheticsがあるのかを考える、と。

2016-07-25 20:32:44
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

SR、とりわけOOOについて重要なのは、カント的な物自体を措定することから逃れて、「ものの引き篭もり withdrawal」という観点から考えられないか、ということ。関係性の絶対零度から物自体を再考する、とでも言えるだろうか。

2016-07-25 20:35:19
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

Duringは思弁的欲望を、逃れゆくもの、すなわち物自体を思考する欲望と定義していた。その傾向に属する論者としてあげられたのが、メイヤスー、Ray Brassier、Graham Harman、Ian Bogost、Levi Bryant、 Tristan Garcia。

2016-07-25 20:37:49
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

だがこうした潮流は独自なものではなく、シェリング、現象学、ひいてはカントやルソーにも存在していたとDuringは述べる。ここでDuringが提唱したのが逆現象学 Reverse Phenomenology。

2016-07-25 20:39:06
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

「逆現象学 Reverse Phenomenology」とは、自然的態度をカッコに入れる現象学的態度において、いかなるものが意識に上らないのか、ということを問う試みだ、とのこと。

2016-07-25 20:40:05
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

Duringはハーマンを引きながら、ここで意識に上らないものは「物そのもの」(物自体と区別した言い方だが)であり、そこではタールや自転車、銅線が実は意識と同じ意味でオブジェクトなのだという。意識との関係性では組みつくされない関係性をモノは持っているのだ、と。

2016-07-25 20:41:45
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

Duringは"any reation fails to exhaust its relata"とハーマンを引用し、意識の与件が有限なものでしかないことの証拠をメイヤスーの「原化石」概念に求める。

2016-07-25 20:43:29
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

こうした前提に立って、Speculative aesthticsおよびそれとMass Cultureの関連を述べる今回の試みは浅薄なものでしかない、と前置きしながら、例えば美学的には、崇高sublimeの新しい意味を考えることができる、と述べる(この辺り『読書人』の鼎談と被る)

2016-07-25 20:45:27
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

新しい崇高とは非人間的な崇高である。人類が絶滅した後も残る風景であり、残された湖やカメラ装置に映し出される影像や映像だと言う。その先駆例として引かれたのがヴェルトフの『カメラを持った男』の純粋に機械的なカメラアイであり、エプシュタインやクラカウアーにもその観点があるという。

2016-07-25 20:48:34
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

非人間的な崇高とは、主体のtoposや場所から解放された、志向的な審級に属さないものであり、Duringはそれを「超越論的ホームレス transcendental homelessness」と命名していた。

2016-07-25 20:50:19
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

Duringはここでラカンを引く。すべての生物が絶滅した後、鏡の像は何を意味するのか、というラカンを引きつつ、Duringは、すべての生物が絶滅した後、カメラの映すイメージは「存在する」のか?と問う。

2016-07-25 20:51:44
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

思弁的美学の第二の展開は、モノそれ自体の美、というもの。これはデュシャンを例に出したのでむしろ分かり易すぎたのだが、デュシャンの試みを、物体から対象性をうばうことで、そのものが謎めいた存在になる、と解釈していた。

2016-07-25 20:53:45
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

これは言い換えれば、存在論的に進行しつつあることが、美学=感性学的思考を失調させる、ということだ。芸術的オブジェは、こうした試みを経て、特定の場所に位置づけることができないunplacableな存在としてあらゆる場所に散種されるのだ、という。

2016-07-25 20:55:22
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

このようにして事物を「引き篭らせる」もっとも強力な芸術作品として(During本人はフィクションやSFに興味がある、という前振りをした上で)、ラヴクラフトの試みがあるのだ、とDurinhは言う。

2016-07-25 20:56:48
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

事物を引き篭もらせることは、馴染みのある存在をweirdなリアリティに変えることであり、ここから、ラヴクラウト的な恐怖 horrorの現象学が発生する、と。Duringはこれを「タウマゼインthaumazein」と言い換える。

2016-07-25 20:59:05
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

カント的な意味での、根源的な意味でのaestheticsは、このタウマゼインにあるのではないか、とDuringは言う。そうして、Duringはこれを起点にカントの超越論的感性論を三方向から再定義する。

2016-07-25 21:00:25
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

1)美的判断とは、内在的に非志向的な判断ではないか? 2)美的経験とは、概念を用いるものではなく、既存の概念を超えた思考を促すものではないか? 3)美的経験は、意識を超えて、あるいは意識の下部での、見知らぬものとの驚くべき出会いではないか?

2016-07-25 21:02:26
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

この辺り、時間が少なくなってきて議論を相当端折ってましたが・・・Duringはまず美的判断に焦点を当てて、それは法則によって経験を規制することに先立った形成 prefigurationではないかと言い、崇高については、超感性的で非感性的な判断だと言う。

2016-07-25 21:05:29
Kantaro OHASHI @kantaro_ohashi

両者はともに、世界の意味が経験において「飽和」することであり、「彼方の」経験なのだ、と定義することで、Duringはこれらを思弁的感性論のためのステップとして定義し直したことになる。

2016-07-25 21:06:52
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