モンスターハンター2次創作 ~吹雪の覇者~ 第一話 出会い

チラシの裏の1話目
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クワトロゾンビ @QZombie

━その男も、同じく酒場に居た。 どうやらクエストを終え、酒場に報告を終えたら夜だった為一人で食事を摂っているようである。 「なぁ、頼むよ!このクエストに行きたいんだよ!!」 食事を摂っている所に余計な雑音が入る。

2016-08-03 22:02:23
クワトロゾンビ @QZombie

普段なら歯牙にもかけないが、今宵は珍しく人もまばらだ。つい聞き耳を立ててしまう。 「ん~・・・でも、ハンターに成り立ての貴方にランポス10頭の狩りは荷が重いと思うの。」 「でもよぉ!」 どうやら、未熟者が背伸びをしたいらしい。どうでもいい。飯に戻ろう。

2016-08-03 22:02:39
クワトロゾンビ @QZombie

「仕方ないなぁ・・・じゃあ、貴方以外に誰かもう一人ハンターを連れてきてくれたら、受けさせてあげる。」 「ほんと!?じゃあすぐ探すよ!」 「あ、ちょっとこら!!」 とんだクソガキだ。あ、他の連中、察して部屋に引っ込んでいきやがった!・・・まぁ、俺のトコにはこねぇだろう。

2016-08-03 22:03:10
クワトロゾンビ @QZombie

「おっさん!あんた一人だろ!?手伝って・・・」 「他を当たりな。」 こいつ、冗談じゃない。なんで俺がガキのお守りをせにゃならんのだ。 「ちょ、ちょっと待ってくれよ!他に誰もいないんだよ!なぁ頼むよ、なんとしてもこのクエストを受けたいんだよ!!」

2016-08-03 22:03:42
クワトロゾンビ @QZombie

知るか。こちとら今しがた飯にありついているのに、なんて遠慮の無いガキなんだ。 「おい、見てわからねぇか。俺は今食事中だ。腹が減ってるんだ。オトナの対応をしてやってるのがわからねぇか。失せな。」 出来うる限り粗雑に、怒気を込めて俺は突っぱねた。が、

2016-08-03 22:03:54
クワトロゾンビ @QZombie

「頼む!!この通りだ!!」 このガキ、土下座なんざしやがった。・・・あーあ。 「チッ・・・あー、わかった、わかった・・・みっともねぇ真似すんな。話だけは聞いてやる。まずは席に着け。」 パッと上げた顔を見ると・・・なんだ、まだ元服したばっかか?こんな年のガキがハンターねぇ・・・

2016-08-03 22:04:18
クワトロゾンビ @QZombie

「あ、ありがとう!」 「あー、まぁ適当にかけな。で。なんでそんな必死こいてランポス10頭のクエストを受けたいんだよ。」 「あ、あぁ・・・」 受付の目は確かだった。座るまでに観察をしたら、間違いねぇ。こいつは素人だ。ま、ハンター成り立てって奴だろう。

2016-08-03 22:04:45
クワトロゾンビ @QZombie

こんな状態でランポス10頭なんざ、死にに行くようなもんだ。装備もハンターナイフを筆頭に貧弱なもんだしな。 さて、どんな理由なんだか・・・。

2016-08-03 22:05:06
クワトロゾンビ @QZombie

「ランポスの増えすぎたエリアがオレの育った村の近くなんだ。しかも緊急を要すって文言もある。でも、誰も受注してなくて。」 「それで、いてもたってもいられなくなって、気づいたらクエストボードから紙を取ってて・・・無謀なのは、わかってるんだ。」

2016-08-03 22:05:17
クワトロゾンビ @QZombie

成る程ね。しかし腑に落ちねぇ。そんな理由があるならさっさと受付も他のハンターに回すはずだ。 「ちと紙みせな。」 あー、こいつぁ、また、難儀だな。ランポス10頭に報酬500zは渋すぎる。もう1000zは欲しい。

2016-08-03 22:05:47
クワトロゾンビ @QZombie

成る程ね、だから他の連中に回さないでボードに張りやがったのか。えげつねぇことしやがる。 「ちと待ってな。話してくる。」 俺は席を立つと一目散に受付に向かった。 「おい」 「なんでしょうか?」

2016-08-03 22:06:23
クワトロゾンビ @QZombie

俺は紙を広げて緊急を要すの文面を指で突きながら 「なんで他のハンターに回さないんだ。あのガキを死なすつもりか。」

2016-08-03 22:06:46
クワトロゾンビ @QZombie

「やだなぁ、誰もそんな事言ってないじゃないですかぁ。私はハンターをもう一人連れてきたら受けさせてあげるって言ってるんですから。 それに、この報酬じゃ他のハンターに回せませんよ。いくら村の危機だからって、ねぇ?」 このアバズレが。 「てめぇそれあいつにも言ったのか。」

2016-08-03 22:07:02
クワトロゾンビ @QZombie

そういうと受付がケラケラと静かに笑って 「まさかまさか。あんな純粋な目で見つめられたらお姉さんそんな本当のこと言えないわよ。かるーく濁してPTを組む様に仕向けてあげたのよ。」 「毒婦め。こういう場合はギルドが援助するのが常だろうがよ。」

2016-08-03 22:07:19
クワトロゾンビ @QZombie

「そんな正論振りかざさないで下さいよ。こっちだって火の車なんですから。それに精々500zしか出せない村、滅ぶしかないですよねぇ・・・」 こ、の。金の亡者が。 「いいだろう、あいつは死なせるには惜しい。手前の実力をわかっていてこれを成そうとしている。俺が出張る。」

2016-08-03 22:07:40
クワトロゾンビ @QZombie

「えっ、マジっすか。」 ぽかんとしている受付を放置して奴の所へ。 「おう待たせたな。」 「あ、おっさん。ど、どんな話してたの?」 怒気がここまで届いちまったらしい。あぁ、人もいねぇからなぁ。 「なぁに、ちとな。あぁ、このクエストな。受けてやってもいいぞ。但し俺がリーダーだ。」

2016-08-03 22:08:12
クワトロゾンビ @QZombie

「ほ、本当に!?ありがとう!!えぇっと、オレ、ガリウスってんだ!」 「ヴァルムだ。よろしくな。さて、緊急だったな。しゃあねぇな、準備があるから早朝に行くぞ。もう馬車もない。」 「わ、わかった!」 ガリウスの承諾を受けて再度受付へ。

2016-08-03 22:08:29
クワトロゾンビ @QZombie

「おう受けるぞ。俺がリーダーだ。文句無いな。」 「アッハイ」 やれやれ・・・。

2016-08-03 22:08:40
クワトロゾンビ @QZombie

翌、早朝。 やれやれ、ガリウスのやつもう居やがる。 「お、ヴァルム!そろそろ馬車の時間じゃないか!?」 まったく、元気だけは有り余ってやがる・・・ 「おう、まぁまだ20分くらいある。飯食って弁当貰うぞ。」 「おう!」

2016-08-03 22:09:12
クワトロゾンビ @QZombie

飯もそこそこに弁当を貰い、馬車へ。そこでガリウスに色々と話をさせた。 曰く、ハンターになったのはつい最近で、今は採集クエストを中心に下積みをしているとの事。 モンスターといっても、精々がアプトノス、ケルビ、強くてブルファンゴをなんとか程度。

2016-08-03 22:09:27
クワトロゾンビ @QZombie

まぁ、大方の予想通り、新米が辿る道を進んでるわな。本人も自分の実力は理解しており、ランポスはタイマンでも きついだろうと言っていた。わかってるじゃねえか。そこまで頭が回る奴を死なせたくはねぇな。

2016-08-03 22:09:44
クワトロゾンビ @QZombie

「あぁ、それとPTを組んだ場合のクエストの報酬の分け方を説明しなきゃだな。クエストを受けるのに 契約金が発生すること。ま、ひよっこでもこれは知ってるか。」 「そりゃ知ってるよ。で、報酬が・・・え~?」 まぁ、やっぱ知らんか。

2016-08-03 22:09:57
クワトロゾンビ @QZombie

「はいはい続けるぞ。成功報酬にリーダーが契約金の二倍を貰える事。報酬額はメンバーの人数で折半になること。 特に契約金と報酬額の折半については金が絡むのでギルドで管理してるってのも忘れるなよ。」 「契約金はわかってたけど、契約金はリーダーだけで、報酬も500zを半分こ・・・」

2016-08-03 22:10:13
クワトロゾンビ @QZombie

ガリウスはちとしょんぼりしてたが、これが現実である。今回は俺がリーダーでガリウスはメンバーだ。 「だがな、リーダーは相応の責任も持つんだよ。」 「責任・・・」 そこも説明しなきゃ、だよなぁ。

2016-08-03 22:10:31