『シン・ゴジラ』についての杉田俊介さんのつぶやき(20160804)

省略
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杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

『シン・ゴジラ』は一番作っちゃいけない作品だったのでは。政権批判の意図があるのだろうけど、「合理的で外交力があり命懸けで専門的分業を行う強い日本人」がそんなに理想なのか。オタクや映画人集団が、なぜエリートや霞ヶ関や自衛隊ばかりに夢を託すのか。民衆や東北や犠牲者の目線がなぜ薄いか。

2016-08-03 17:03:12
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

→ここ数日考えていたけど、自分の中ではそういう結論に落ち着いた。よくある左翼的な批判に過ぎない気もするが、やはりそう思った。庵野さんたちにとって、特撮やアニメおたくが成熟して大人の責任を果たす、とはこういうことだったのか。無用もの、つま弾きものたちの『オネアミスの翼』が懐かしい。

2016-08-03 17:10:38
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

自分たちの性格や体質や組織をどう改善するのか、どうすればましになれるのか、という痛みのある考察や苦闘の痕跡がなく、意識改革さえすれば元々ポテンシャルはある、「この国はまだまだやれる」「この国は立ち直れる」という日本人=日本国家への信頼と鼓舞ばかりが語られ、不気味だった。

2016-08-03 17:21:04
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

軍事主義的な女性と、学問オタク的な女性と、将来の米大統領候補の女性しか出てこず、つまり「あらかじめ男性化された女性たち」しか出てこず、全体として異様にホモソーシャルな空間であることも気になった。あえてそうしたのかもしれないが、「あえて語らないこと」の政治性がやはりポイントなのだ。

2016-08-03 17:38:53
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

しかし、『シン・ゴジラ』は優秀な技術者やエリート(クリエイターの暗喩)を礼賛し、明らかに大衆感情やポピュリズムを衆愚的に嫌悪して見下している映画だと思うのだけれど(それは庶民の死体を殆ど映さず数値的に処理する演出からも言える)、どうしてこれだけ熱狂的に受け入れられているんだろう?

2016-08-03 17:51:38
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

『シン・ゴジラ』は、ニュータイプの国策映画の時代のはじまりを告げる記念碑的な作品じゃないかな。僕は普段、こういう言い方をしないけど、誰がどうみても政治的な(無意識の)イデオロギー映画であって、311後の疲弊や現政権への不安や期待をひそかに養分にして、熱狂的に褒めそやされている。

2016-08-03 18:21:16
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

他の方々の『シン・ゴジラ』に関するツイートを読むことを自分に対して解禁した。連続RTしてしまったら、すいませんね。

2016-08-03 21:55:23
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

『シン・ゴジラ』が夢物語を排したリアル路線、というのは意味わからん。もし若くて優秀なリーダー(総理候補)さえいれば、優秀な人材の宝庫日本は本来の性能を発揮して原発も冷温停止できる、という「ありえたかもしれない震災後の日本人」「平行世界としてのまともな日本」を描いているのに、なぜ?

2016-08-03 22:05:07
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

しかし『ズートピア』や『マッドマックスFR』が高度な娯楽性+政治性(PC)の融合を達成し、虚構と現実の落差=ズレによって、人々を無数の政治的文化的な多事争論に巻き起こんでいく映画だったとすれば、『シン・ゴジラ』は日本という(悪)場所と歴史性において確かにそれに成功していると思う。

2016-08-03 22:15:39
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

それだ!ゴジラはカヲル君的な「人間=使徒」(味方=敵)だったのか。 twitter.com/naoya_fujita/s…

2016-08-03 22:55:00
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

しかし考えれば考えるほど、『シン・ゴジラ』は、かわぐちかいじの世界観そのものという気がするけれども。

2016-08-03 22:57:34
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

→誰かひとりぐらい、自分は『シン・ゴジラ』よりも、ほのぼのと微苦笑のできる歴史修正的愛国ファンタジー怪作『ローレライ』の方が好きだ!、オタクの本懐はあっちだ、とか言っている人はいないだろうか、と探してみたけど、とりあえず見当たらなかったな。

2016-08-03 23:00:15
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

現実の庵野さんたちと、映画内の官僚や政治家や技術者たちと、作品を絶賛する人々が妙にシンクロしているのが気になった。いや、何重も距離あるでしょ。『ローレライ』にはオカルト的な構造があるので、歴史修正的に日本を救うのは軍人だ=俺たちだ、という誤解が生じる余地はなかったと思うんだけど。

2016-08-03 23:11:23
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

そうなんですけど、『オネアミス』の人々は無意味さや異端に殉じるわけで(続編の『蒼きウル』はどうなるかわかりませんが)、『シン・ゴジラ』では日本の救い主になり、権力の中枢にあっさり行っちゃう辺り、成熟なのか変化なのか一線を越えたのか… twitter.com/naoya_fujita/s…

2016-08-03 23:20:25
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

@naoya_fujita そうですね。ただ、今回とは違う成熟の道があり、大人としての責任の取り方があるのではないかなと。庵野さんたちは、あの主人公の青年たちとはタイプも違いますしね。『シン・エヴァ』では今回とはまた異なる道を見てみたいなと個人的には思いましたね。

2016-08-04 00:17:16
杉田俊介@6月『ジョジョ論』刊行予定 @sssugita

『シン・ゴジラ』について批判的なコメントをしたら、激怒した批判者たちが――なぜか政治家・官僚・自衛隊・監督たちの目線に極度に同化(一体化)している――押し寄せてきて、中々興味深いんだけど、そのうち「『シン・ゴジラ』を批判する奴らは非国民」「日本から出てけ」とか言われそう…。

2016-08-04 10:57:34