ロジックとアイデアル、または現実と空想の思考法について

人は思考をする過程において、しばしば事実の積み重ねを離れ、自由な空想をするものですが、それは時として危険な妄想に呑まれてしまうリスクを孕んでいます。妄想に呑まれず、かつ空想を自由に羽ばたかせるためにはどのような思考法が良いのでしょうか? 考察します。
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"Scuola di Atene"
Artist : Raffaello Santi
Year : 1509–1511
Type : Fresco
Location : Apostolic Palace, Vatican City


TL上でこのようなツイートを拝見しました。


山猫だぶ㌠ 2日目東M46b@C99 @fluor_doublet

計画を立てよう。そこには、ロジックで斬れるところと、それからはみ出す新規知見がある。後者は状況に応じて何回も論理でテコ入れしなければならない。

2016-08-04 15:32:09
山猫だぶ㌠ 2日目東M46b@C99 @fluor_doublet

たぶん、分野によって、ロジックのニュアンスがちょっと違う。研究のスタンスが違うのだ。オレの考えるロジックと、彼の考えるロジックは、意味合いがずれてる。

2016-08-04 15:43:10
山猫だぶ㌠ 2日目東M46b@C99 @fluor_doublet

より現実系に近いと、ロジカル君がテキトーな大風呂敷を広げて、現実の複雑さに対応できず、あとで回収できずに周りが苦労して落としどころを模索するってのはよくある話で。しかしまぁ作業仮説は必要だ。 いやまあそれは置いといて。

2016-08-04 15:46:17
山猫だぶ㌠ 2日目東M46b@C99 @fluor_doublet

ロジカル、と、アイデアル、がごっちゃになってんだな。

2016-08-04 15:48:20
山猫だぶ㌠ 2日目東M46b@C99 @fluor_doublet

もちろん、多数の因子を含んだ複雑系でも、ロジックは要る。効率よく目的を達成するために、実験計画法のような統計学的なロジック手法と、現象の本質に肉薄した理論的な仮説立てと、センスがいる。センスの部分に、経験に基づくが論理で丸められないものと、まったくのカンとがある。

2016-08-04 16:04:11
山猫だぶ㌠ 2日目東M46b@C99 @fluor_doublet

最近になって、あるひとの「カン」のすごさを思い知らされた。「カン」とは、なんだろうか。

2016-08-04 16:11:38

確かにロジック(論理)とアイデアル(空想)を混ぜて語ってしまうのは混乱のもとでしょう。突然その部分だけを見た人は驚いてしまうかも……。

ただしその反面、個人的にTwitterは“思考実験”の場であるとも考えています。今日は私が現実と空想をどのように分けて(あるいは敢えて分けないで)考えているかについてご説明しましょう。

そして「カン」とは何なのか、についても同時に考えます。


静かに @shi_zu_ka_ni

まあ、最近俺が好き勝手に展開してる政治に対するツイートはロジックではなくアイデアルに属するものだよな。それはよく分かってる。だから自分でもそれを「思考実験」と呼んでいるし、実験だから失敗もすれば予想も外れる。それでいい。

2016-08-04 18:04:50
静かに @shi_zu_ka_ni

物事に対する思考のアプローチというのは大体二つに別れていると考えていて、まず事実ベースの事柄を丁寧に重ねていって結論に達する手法。これを俺はロジックと呼んでいる。または“現実レイヤー”とも。

2016-08-04 18:07:05
静かに @shi_zu_ka_ni

事実ベースなので一応証拠は揃うし、後で検証することも可能。だが、しばしばそれでは理解出来ないことも起きる。また事実どうしの矛盾によって考えが止まってしまうこともある。

2016-08-04 18:08:32
静かに @shi_zu_ka_ni

そんな時に必要となるのがロジック、“現実レイヤー”の別の概念としてのアイデアル。俺がいうところの“空想レイヤー”だ。ここは先に述べた“思考実験”が行われる場所でもある。

2016-08-04 18:09:46
静かに @shi_zu_ka_ni

それは手持ちの事実をもとに、そこから更に物証の制約なく類推できる可能な限りの数の思考を展開し、その中から妥当と思われる論を直感によって選ぶことで、最終的に“現実レイヤー”とはまた違った真実を探り出そうという試みである。

2016-08-04 18:10:30
静かに @shi_zu_ka_ni

ただ、問題なのは多くの人が“現実レイヤー”か“空想レイヤー”か、どちらかでしかものを見ようとせず、各々別の思考の手法を試みないので、どっちで行ってもやがて手詰まりになってしまうことだ。

2016-08-04 18:11:04
静かに @shi_zu_ka_ni

“現実レイヤー”でばかり考える人は、“空想レイヤー”でばかり考える人を夢想家、妄想家、陰謀論者と揶揄するし、逆は逆で視野狭窄、思考停止、石頭と罵るだろう。だがどっっちも間違いだし、同時にどっちも正しいと思う。

2016-08-04 18:11:25
静かに @shi_zu_ka_ni

個人的にはそれらは言っているとおり“レイヤー”なのだから、二つを重ねて見ればいいということだ。重ねて見たときに違う地図が見える。どっちの思考方法でも必要とされるスキルは違うし、違った検証方法、思考方法で考えることが出来れば一方で行き詰まった時に、他方が必ず助けになるはずだ。

2016-08-04 18:12:08
静かに @shi_zu_ka_ni

そしてもっとも大事なことは、それらを交互、あるいは同時に処理するという考え方を鍛えることによって、双方のスキルがスパイラル的に上達するだろうということ。

2016-08-04 18:12:25
静かに @shi_zu_ka_ni

これが極まれば最終的にある事象を見たときに、一瞬でその中に潜む真実を暴き出すことが出来るようになるし、また驚くほど飛躍した発想で、今度は逆にある事象をショートカット出来るようになれるのではないか、と思っている。

2016-08-04 18:12:41
静かに @shi_zu_ka_ni

それが人をして「勘が鋭い」という状態を生み出すのではないかな。

2016-08-04 18:16:06