2016年8月7日

戯曲勉強会ビオロッカ:チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる。1~25

戯曲勉強会ビオロッカによるちびちび読書です。読書のペースメーカーにもどうぞ!/全文は青空文庫にて無料で読めます。神西清(じんざい・きよし)の名訳です!!http://www.aozora.gr.jp/cards/001155/card51862.html
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戯曲勉強会ビオロッカ @BioRocca

《チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる。》を不定期連載します。ご笑覧ください。/全文は青空文庫にて無料で読めます。神西清(じんざい・きよし)の訳です。aozora.gr.jp/cards/001155/c…

2016-07-22 18:17:32
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(1)/まず題名。原題はДядя Ваня、ラテン文字ではDjadja Vanja。「ワーニャ」の正しいロシア語読みは「ヴァーニャ」。昔の湯浅芳子訳では、「ワ゛ーニャ」と書いていた。「ワ゛」の文字は、Wikiによれば福沢諭吉の発明らしい。

2016-07-22 18:27:41
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(2)/題名は『僕、ワーニャ』でなく、『ワーニャ伯父さん』。つまり、ワーニャの姪、ソーニャの視点から書かれている。この戯曲における主人公は誰なのか? ワーニャ一人だけでは説明がつかない。ワーニャとソーニャが主役なのだろうか?

2016-07-23 19:11:51
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(3)/ワーニャ伯父さんの名前はイワン・ペトローヴィチ・ヴォイニーツキイ。ワーニャはイワンの愛称。さらにさかのぼると、イワンはヨハネから来ている。ヨハネの各国語の変形は→ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8…

2016-07-24 09:19:44
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(4)/フランス語では「ジャン」。ワーニャの母は彼のことを「ジャン」と呼ぶ。フランスかぶれなのだ。当時のロシア人のフランスへの憧れは筆舌に尽くしがたいものがある。今の僕たちの視点からいえば、その憧れの対象は何だろう? やっぱりフランス?

2016-07-24 09:25:27
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(5)/ワーニャの義弟セレブリャコーフは退職した大学教授。当時のシステムはわからないけれど、60代後半くらいか。彼の後妻エレーナは27才と明記されている。実に40才差婚。ワーニャは47才(登場人物一覧には載っていないが、劇中で言及)

2016-07-25 09:11:46
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(6)/副題は「田園生活の情景 四幕」とあり、場所の設定は「セレブリャコーフの田舎屋敷」とある。田園と田舎。この2語は似た意味をもつと同時に、正反対の雰囲気をかもし出しているような気がする。

2016-07-25 22:20:26
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(7)/「田園」と聞くと、ベートーベンを思い出すからか、伸び伸びとしたイメージ。一方、「田舎」という音は素朴ではあるものの、粘着質な響きをもつ気がする。ところで寺山修司の映画『田園に死す』は田園と田舎の化学反応として見ると面白いのかも。

2016-07-25 22:25:56
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(8)/第1幕をようやく読み始めます。/庭。午後2時。曇り。最初にいるのは老婆マリーナと医者アーストロフ。マリーナは「ぶよぶよした、動きの少ない老婆」。曇り空の下、動きの鈍い老婆と、「そばを歩き回っている」医者の会話から始まる。

2016-07-26 09:45:09
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(9)/この二人の対比はかなり重要。午後2時らしく老婆は医者にお茶をすすめるが、酒飲みの医者は飲まない。昼時からウォッカを飲む飲まないの話。日常生活のリズムが完全に狂っていて、しかも誰も修正できないのだ。老婆にそんな気力も体力もない。

2016-07-26 09:51:15
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(10)/医師アーストロフの「独り言」。老婆に向かって話してはいるが、会話になってはいない。つまり彼の発言は、自分の悩みを彼女に聞いてもらって、何か解決策を提案してもらったり、少なくとも慰めてもらうことさえ目的とはしていないのだ。

2016-07-27 06:45:42
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(11)/引用:アーストロフ「…こんなことを考えたよ。百年、二百年あとから、この世に生れてくる人たちは、今こうして、せっせと開拓者の仕事をしているわれわれのことを、ありがたいと思ってくれるだろうか、とね。ねえ、ばあやさん。

2016-07-27 06:47:38
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(12)/引用続き:…そんなこと、思っちゃくれまいねえ。」マリーナ「たとえ人間は忘れても、神さまは覚えていてくださいますよ。」アーストロフ「ああそうか、ありがとうよ。いいことを言ってくれたね。」

2016-07-27 06:48:24
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(13)/初演は1899年。医者の言う百年後の人たちとは私たちのことだ。私たちは彼らを現代の開拓者とみなすだろうか?あるいは神様は今現在、存在するのか?医者の「ありがとうよ」は、どんな風に耳に響いたのだろう。おそらく皮肉としては響かない。

2016-07-27 06:55:21
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(14)/働きづめの医者の苦労を私は共感し同情できる。が、「開拓者の苦労」としてではない。つまり「彼がいなければ今の私たちはない」とまでは思えないのだ。むしろ私は彼を現代人と見なして共感してしまう。しかしそれは彼の本望ではないだろう。

2016-07-28 06:41:40
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(15)/毎日治療に忙殺される医者は、現在を意味あるものとする未来を求める。治療は急患が亡くなってしまったりと彼に達成感を与えないからだ。私が彼に現代人として共感するということは、彼の感じた現在の虚しさがまだ克服されていないことを意味する

2016-07-29 05:58:35
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(16)/神様を信じることで医者は安らげるだろうか? そもそも神様が「覚え」るとは、どういうことか。神様も忘れることがあるのだろうか? おそらく「将来の人間は忘れても」ということだろうけれど。でも神様は彼のことを開拓者とは思わないだろう。

2016-07-30 08:51:46
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(17)/それでも医者は老婆に感謝する。ここに作者のいわゆる「静劇」の核心があるように感じる。異なる考えを持ちながら、衝突せずに自分の内部へと深く落ち込んでいく。同時に交際は思いやりに満ちている。これを「本音と建前」とまとめてはいけない。

2016-07-30 09:03:33
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(18)/「本音と建前」は「真実と嘘」を意味する。もし人との付き合いが嘘なら、人は楽に生きていける。なぜなら人は内心を持ち、同時にそれを外部から守ることができるからだ。医者の苦痛はここにある。彼が深く落ち込む先に「本当の自分」はいるのか?

2016-07-30 19:50:53
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(19)/いよいよワーニャが登場する。/引用:ワーニャ(家から出てくる。おそい朝飯のあとで一寝入りして、だらけた様子をしている。ベンチに腰をおろして、伊達なネクタイを直す)そう……(間)。ふむ、そう……/寝てもすっきりしない感覚。

2016-07-31 06:59:21
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(20)/睡眠時間は一杯取ったのに(それゆえに)すっきりしない目覚め。時間を消耗した分、焦りもある。後悔もある。頭の片隅がもやもやしていて、ぬるま湯にひたしたガーゼが顔面にぺっとりと張り付いている感覚。/伊達なネクタイってどんなのだろう?

2016-07-31 07:08:50
戯曲勉強会ビオロッカ @BioRocca

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(21)/なぜワーニャは昼寝の後にわざわざ伊達なネクタイをするのだろう?食事の際無用なドレスコードがあるのか。「朝飯や昼飯に何やらエタイの知れないものを食わされたり、酒を飲んだり」という言葉から食事の場が教授に支配されていることが分かる。

2016-08-01 17:09:12
戯曲勉強会ビオロッカ @BioRocca

チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(22)/食う呑む寝るだけで仕事をしない今の彼にとって「食う呑む」が思いのままにならないことは苦痛だ。しかしどうして彼はそこから抜け出せないのだろうか?彼が恋する教授の後妻エレーナの存在がその答えだろう。自堕落な生活は彼女のためなのだ。

2016-08-02 08:27:24
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(23)/しかし自堕落な生活を捧げられる女性はたまったもんじゃない。ワーニャは「彼女のせいで自堕落な生活を送っている」と考えるかもしれないが、それは自分への言い訳、責任転嫁である。彼女への率直な好意と自分への苛立ちがない交ぜになっている。

2016-08-03 08:04:01
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チェーホフ『ワーニャ伯父さん』を読んでみる(24)/散歩帰りの元教授セレブリャコーフが「庭の奥から」現れてこう言う。引用:「じつにいい、じつにいい。……まさに絶景だ。」/彼は何を見て「絶景」と思ったのだろう。ポプラの老木一本では絶景とは言えまい。ではその下のワーニャら3人を見て?

2016-08-04 10:01:07
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