編集部イチオシ

圓道先生、読書感想文の書き方。再び。

そんな感じで。
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圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

企業間の民事・商事訴訟を主に取り扱う弁護士(島田法律事務所・第一東京弁護士会所属)。元裁判官。3匹の猫と暮らす日々。著書と民事訴訟実務、そして猫達に関するTweetが多め。最近の趣味は野外活動。ネット上での法律相談はお受けしておりません。

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圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

①小学生向け「読書感想文の書き方」について。過去Tweetのまとめは、togetter.com/li/357178 。夏休みの読書感想文の宿題の問題点は、「どう書くのか」を教わらないままに書く場合が多い点。どのように書くのか、わからないままで書くのだから、難しいのは当たり前。

2016-08-13 04:29:02
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

②では、読書感想文とは何か。読書感想文とは、本を読んで、「その本に何が書いてあったか」や「おもしろかった」とか「つまらなかった」を書くものではない。その本をきっかけに、自分が「何を感じて」「何を想ったか」を書くのが、読書感想文。

2016-08-13 04:29:45
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

③だから、読んだ本のあらすじを長々と書いて、「おもしろかった」とか「主人公がかわいそうだった」、「どきどきした」などと書いてあるのは、本当の意味での読書感想文ではない。

2016-08-13 04:30:25
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

④読書感想文は、その本をきっかけに、自分が「何を感じて」「何を想ったか」を書くべきだが、机上の空論ではなく、自分の実体験・皮膚感覚と結びつけると、良い読書感想文になる。

2016-08-13 04:30:58
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑤だから、例えば、(過去Tweetまとめで、小坂くんが書いていたケースを例にとると)、戦争を扱った物語を読んだなら、自分の祖父から聞いた戦争の頃の話を中心に組み立てたりすると、良い読書感想文となる。

2016-08-13 04:31:18
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑥そうであるからして、読書感想文の課題図書を選ぶ際には、自分の実体験・皮膚感覚と結びつけやすい本を選ぶと良い。(本を先に選ぶのではなく)実体験を起点として本を選ぶ方がうまくいく。

2016-08-13 04:31:50
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑦例えば、夏に京都を旅行して、緑寿庵清水の金平糖を食べて、金平糖の角(イガ、ともいう)がどうしてできるかに興味を持ったとする。 konpeito.co.jp/konpeito.html

2016-08-13 04:32:32
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑧そうしたら、例えば、寺田寅彦随筆集の金平糖に関する文章を読んで感想を書くことにする。さらには、実際に自分で(親と一緒に)フライパンで金平糖を作ってみる(失敗してもよい)。 cookpad.com/recipe/754784 そうやって、実体験と結びつけてこそ、良い文章が書ける。

2016-08-13 04:33:18
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑨実際に読書感想文を書くまえに、構成をきちんと考える。「起承転結」と言ったりするが、文章を書くことに慣れるまでは「転」はなくてよい。「起承結」でよい。ポイントは、「起」でいきなり読んだ本について書かないこと。

2016-08-13 04:33:39
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑩「起」は、お笑いでいうところの「つかみ」なので、いきなり本論に入らない方が良い。そこで、(本の中身そのものからちょっと離れた)実体験から書き起こす。そして、「承」では、読んだ本の内容に(文章としては少しだけ)言及する。ここで大切なことは、本の中身を書きすぎないこと。

2016-08-13 04:34:35
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑪「結」では、読んだ本と、自分の実体験・皮膚感覚から、自分が何を得たかを書く。どのようなことを学んだか、や、どのような前向きな気持ちを得られたか、などを書くと、良い。

2016-08-13 04:35:04
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑫では、具体例。寺田寅彦随筆集の「金平糖」を読んだとする(aozora.gr.jp/cards/000042/f…)。小学校低学年くらいのイメージ。まずは、「起」として実体験から入り、「承」で読んだ本に言及する。そして、「結」で学び・前向きな気持ちを書く、という構成を例示する。

2016-08-13 04:36:01
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑬「それは3日目のことでした。お父さんといっしょに作っていたコンペイトウに、やっと角(つの)が出てきたのです。」

2016-08-13 04:36:20
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑭「コンペイトウは、グラニューとうと水をたいねつ容器に入れて電子レンジで加熱して作ったみつを、フライパンの上で、かくとなるけしの実やザラメに少しずつかけて、かき混ぜる作業を、こんきよく何度も何度も繰り返して作ります。」

2016-08-13 04:37:10
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑮「小さな角が出てくるまでに、3日かかり、コンペイトウらしくなるまでに1週間かかりました。家族で行った京都旅行で見た、お店のコンペイトウみたいに形はキレイではないけれど、ちゃんとトゲトゲの形になりました。」

2016-08-13 04:37:33
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑮「寺田寅彦という人の書いた、コンペイトウという文章によると、コンペイトウになぜ角ができるかは、実はまだ、あまりよく分かっていないそうです。それでも、いったん小さな角ができると、その部分にみつがくっついて、少しずつ角が成長していく様子が分かります。」

2016-08-13 04:38:04
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑯「京都のお店で、作っている様子を見た際には、大きな回転する鍋のようなものを使って、コンペイトウを作っていました。でも、お父さんが「家でも作れる」というので、一緒に作ってみたのです。角ができるりくつは分からなかったけれど、実際に作ってみると、ひとつぶひとつぶに愛着がわきます。」

2016-08-13 04:38:35
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑰「寺田寅彦は、有名な物理学者の人だそうです。それなのに、コンペイトウのような身近な食べ物についても、研究対象としていたのは、すごいな、と思いました。僕も、理科が好きですが、寺田寅彦のように、いつも身の回りのものに関心をもって、なぜだろう、と、深く考えるようにしたいと思います。」

2016-08-13 04:39:02
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑱この具体例は、思いつきで適当に書いたもので、小学校低学年レベルの漢字か否かの確認もしていないけれど、あくまで「イメージとしては、こんな感じ」という趣旨。読んだ本には、ちょっとしか言及していないけれど、それで良い。

2016-08-13 04:39:26
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑲文章を書くことに慣れたら、「つかみ」を工夫すると良い。読み手が先を読みたくなるような書き出しを考える。過去Tweetのまとめ(togetter.com/li/357178 )もご参照ください。

2016-08-13 04:39:45
圓道至剛(まるみちむねたか) @marumichi0316

⑳(まとめ)読書感想文では、あらすじや、本そのものに対してどう思うか、は書かない。本をきっかけとして、自分の実体験・皮膚感覚として、何を「感」じて、何を「想」ったか、を書く。その際には、実体験から書き起こすとよい。最後は「学んだこと」「前向きな気持ち」で締めるとよい。おしまい。

2016-08-13 04:40:40