真夏の俺らは罪なのさ　横編

あみ @ami_qitt25

① 『ひなぁ、俺、居らんとあかんの？』 シャツの胸元を持ち上げパタパタと空気を送り込んでも熱い風しか入らへんし なんで俺が... そんなん朝から何度呟いたかわからへん 《あかんよ、居ってくれな》 #真夏の俺らは罪なのさ pic.twitter.com/ruba0JS7Tq

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② 俺の頭を団扇で叩いて幼馴染みの雛が 奥の厨房に消えて行く後ろ姿を舌を 出したまま見送りながら 『なんでなん？』 もう、わからへん程の呟きを口から零した 《明日休みやろ？》 昨夜、いきなり俺の部屋に雛が入って 来たかと思うとこう切り出した #真夏の俺らは罪なのさ

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③ 『ああ、土曜やから...なんでや？』 《俺、 海の家やんねん、、手伝いに来いや》 『はあ？』 見上げた雛は... いやいや、なんでドヤ顔やねん そんな理由で、朝から拉致られ今に至る 『あっーい！もー、耐えられへん、、』 #真夏の俺らは罪なのさ

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④ 立ち上がりそっと帰ろうと店の外の 砂浜に1歩踏み出した時 ｢離して下さい、、｣ 声のした方を見ると、 隣のカフェのビーチパラソルの下、、 隠れて見えへんけど人が揉めてる気配、、 仕事柄ついついこうゆうのに顔突っ込んでまうのが俺の悪い癖 #真夏の俺らは罪なのさ

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⑤ 声のした方に向かい 『あーのぉ、、』 ｢あっ、、｣ 急にパラソルの下から女の子が弾かれたように飛び出して...慌てて受け止めたら、、俺の腕の中 びっくりしながら肩を掴み体制を直して ガタッ #真夏の俺らは罪なのさ

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⑥ プラッチックの椅子が音を立て倒れ チャラい男が2人出て行った 『大丈夫...ですか？』 ｢あ、はい、、ありがとうございます｣ 在り来りの会話をして手を離して 『なら、良かった、、』 そう言って振り返り元居た雛の店に戻る #真夏の俺らは罪なのさ

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⑦ 《んぁ？横、、手と足一緒に出てんで、、》 『んぁ、、』 《どないしたん？帰るんや無かったんか？》 『...そのつもりやった、、』 《なんで戻って来たん？》 『...なんでやろ？』 《横、、大丈夫かぁ？》 #真夏の俺らは罪なのさ

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⑧ 俺の目の前を雛の手がひらひらしとるけど 〈お兄、どないしたん？〉 妹の声がした気がしたけど... 〈雛ちゃん、なんかあったん？〉 《俺もようわからへん...》 2人が首を傾げる向こう側にさっきの あの子がパラソルの下を動き回っとる... #真夏の俺らは罪なのさ

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⑨ 後ろ姿を見るだけでドキドキするんは なんでやろ？ きっと、照り付ける日差しが眩しいからやと... そう自分に言い聞かせて サングラスを掛けて... #真夏の俺らは罪なのさ pic.twitter.com/nMRCpfxwGM

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⑩ 『はあ？なんやそれ？』 その日の営業終了後 店のバイト代のかわりにとビールを 渡されて1口飲んだ時 [横山君もすばる君も、勿論村上君もやで] 【強制参加って奴やね】 丸とどっくんがアホな事を言い出した #真夏の俺らは罪なのさ

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⑪ 今月末の花火大会に女の子同伴で来いと もし、女の子がおらん奴は皆にビールを奢ると... 《アホか、、》 『あほやな』 雛と2人溜息混じりに呟けば [アホちゃうわ、、賭けやんけ 男として魅力があるかの、、 なんや自信無いんか2人共] #真夏の俺らは罪なのさ

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⑫ どっくんの煽りに雛は 《亮はモテるからな》 冷静に呟きビールを流し込んで 賭けで女の子を連れて行くなんて ナンパせいって事やろ？ 昼間の彼女を不意に思い出した 『ええ匂いやったな』 それに柔らかかったし... #真夏の俺らは罪なのさ

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⑬ いやいや、そんなん考えてどないするん 煙草を咥えて... あ、禁煙しとったんや 箱に戻して 『まあ、俺が奢れば済むことやな』 そう呟いて寝転がった #真夏の俺らは罪なのさ pic.twitter.com/sKaXYpGLkg

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⑭ 翌日も雛にこき使われながら チラチラと暇さえあれば隣のカフェを 見る 彼女が休憩なのか纏めてた髪を解いて 友達なのか何人かの女の子達と話しながらTシャツとショーパンを脱ぐとビキニで海に向って浜辺を歩き出した... #真夏の俺らは罪なのさ

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⑮ 間もなく何人かの男達が声を掛けて、、 そりゃそうや...あんな可愛ええんやから 《ぼーっとしてへんで仕事して下さいよ》 雛にトレイの角で小突かれて我に帰る あんな娘と...俺じゃ釣り合わへん #真夏の俺らは罪なのさ

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⑯ 苦笑いしながら店の奥に向かう俺を彼女が見てるなんて全く知らへんかった ****** 「今晩、、」 『へっ？』 ビーチパラソルを片付けて居たら後ろから声を掛けられ持ってた物をバラバラと落とした 「あ、ごめんなさい、急に声なんて掛けて、、」 #真夏の俺らは罪なのさ

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⑰ 『あ、いや...、、』 落としたパラソルを拾ってくれ手渡しながら 「昨日はありがとうございました、、 ちゃんとお礼言って無かったから」 『え？あ、ええのに、、そんなん、、』 パラソルを抱えて歩き出すと彼女も横に並んで #真夏の俺らは罪なのさ

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⑱ 『...あ、えーっと、、』 「あ、ごめんなさい、、なんとなく」 『な、なんとなくなん？』 彼女を横目で見ると、一瞬驚いた表情をしてそれからクスクス笑いながら 「はい、なんとなく一緒に居たいなって」 『え？、、』 「駄目でしたか？」 #真夏の俺らは罪なのさ

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⑲ 『いや...』 彼女が何を考えて居るかわからへん... 店の前に雛が仁王立ちでこっちを見てはる 『あのさ、、』 「はい？」 雛が店の中に入ったのを確認して 『なんでなん？』 「何がですか？」 #真夏の俺らは罪なのさ pic.twitter.com/3tY4Og6tLH

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⑳ 『いや...ありがとう、拾ってくれて』 それで、、終わり... これ以上の接点もあらへんし 「...、、え？、、」 『え？、、』 彼女が立ち止まりじーっと俺を見てるのは薄暗い中でもなんとなくわかったから 『ちょっと待っとって...』 #真夏の俺らは罪なのさ

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21 そう言って店の中に入りパラソルを置いてショーケースから缶ビールを２本持って 『ごめんな、これ...』 1本を手渡しまだ片付けてないビーチベッドに腰掛ければ彼女も一緒に隣に座る 「頂きます」 一言声を掛けるとプシュと缶を開けて #真夏の俺らは罪なのさ

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22 コクっと飲み込む、それを見てから 俺も缶を開けゴクゴクと喉に流し込む なんとなくそのまま、何も話さず 波の音だけが２人の間に流れてて そんな沈黙に耐えられ無くて... 立ち上がると、、 彼女の華奢な手が俺のシャツの裾を掴むから... #真夏の俺らは罪なのさ

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23 その手首を握り返すと彼女が持っていた缶が落ちて暗闇でもわかるぐらい白い砂を黒く染めてく ...まるで俺の今の気持ちみたいやんか 広がって行く染みから彼女に視線を移せば絡まり熱くなる、、 「あたし、、」 それ以上は言わせへん... #真夏の俺らは罪なのさ

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24 気付けば彼女に重なり唇を奪って... ほんのりとビールの苦味と甘い彼女の 香りを味わいながらゆっくりとビーチ ベッドに押し倒しTシャツの裾から手を差し込み 滑らかな肌の感触に酔いが回りそうや #真夏の俺らは罪なのさ pic.twitter.com/ypI3ivzmTh

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25 こんなん、あかんって分かってるのに 理性では制御出来ひん、 そのまま彼女のショーパンに手を掛けて... 「ま、って...、」 彼女の泣きそうな声で我に返る 『ご、ごめん...、』 慌てて、離れると彼女が服を直して 「ごめんなさい...」 #真夏の俺らは罪なのさ