「首の短い首長竜」プリオサウルス類について
今晩から「首長竜と名乗りながら頭デッカチで首の短い首長竜プリオサウルスとは何ぞや?」と言う「プリオサウルスの歴史」を始めたいと思います…明日以降になる可能性もありますが、出来る限り内容を簡単に抑えたいです。
2016-08-19 22:08:11※注意事項 ①画像の4枚は説明で出てきますので要確認 ②簡単に纏めても長い ③魚竜やモササウルス等他の海生爬虫類も登場 ④追加の画像やURLも出ます ⑤扱う時代はジュラ紀前期〜白亜紀後期前半 ⑥質問等はOK pic.twitter.com/IpA70Gu5fl
2016-08-19 22:17:09首長竜と言えば、フタバサウルスの様な「首が長く頭の小さい首長竜」と言うのが一般常識の様になっている。 しかし、首長竜には彼らの様なタイプの首長竜以外にも様々なタイプの首長竜が居る。 首が短くある頭の大きな首長竜やその中間の首長竜だ。 今回は前者のプリオサウルスについて解説しよう。
2016-08-19 22:25:49プリオサウルスの仲間が生まれたのは三畳紀後期レーニアン階〜ジュラ紀前期ヘッタンジアン頃。 この頃に誕生していたが、プリオサウルスの仲間は意外な事に最初は他の首長竜と同じ姿だったのである。 尤も、三畳紀〜ジュラ紀前期迄の海を魚竜達が支配していたのも影響しているが。
2016-08-19 22:33:22①最古のプリオサウルス「タラッシオドラコン(en.m.wikipedia.org/wiki/Thalassio…)」 生息年代は三畳紀後期レーニアン階〜ジュラ紀前期ヘッタンジアン 全長1.5〜2m。 首長竜全体の歴史としては初期の頃なので、プリオサウルスの仲間も当時は他の首長竜と同じ姿だった。
2016-08-19 22:36:40ジュラ紀前期の海を支配した大型魚竜「テムノドントサウルス(en.m.wikipedia.org/wiki/Temnodont…)」は最大全長9m、頭骨長1〜1.5mにある巨大な眼の直径は20〜25cmで、強膜輪の効果で深海や夜間でも視覚が機能し、魚類や頭足類どころか他の魚竜や首長竜も捕食していたのだ。
2016-08-19 22:44:04全長4mほどのものが多いジュラ紀の魚竜のなかにあってテムノドントサウルスは非常に大型で、また魚食に向く円錐状の歯ではなく肉食に向くナイフ状の歯を持っていました。
ジュラ紀前期の頃のプリオサウルス含む首長竜にとって、大型魚竜は恐ろしい天敵だったが、海に進出出来たのは三畳紀からジュラ紀前期に変わった頃に魚竜が沖合や外洋・深海で活動し始めた事や他の海生爬虫類が絶滅した事で沿岸や浅海でニッチに空き出来た影響もある。 首長竜は少しずつ適応していく。
2016-08-19 22:53:56ジュラ紀前期(トアルシアン)末に中生代最初の海洋無酸素事変が襲い、ジュラ紀前期を支配したテムノドントサウルスが絶滅し、三畳紀から始まった大型魚竜の時代は終わりを告げた。 代わって、ジュラ紀中期から首長竜の時代となるが、プリオサウルスが直ぐに支配した訳では無かった。(続く)
2016-08-19 23:01:54(続き) 実はジュラ紀前期に勢力を広げた「ロマレオサウルス(en.m.wikipedia.org/wiki/Rhomaleos…)」と言うプレシオとプリオの中間の姿をした首長竜がジュラ紀中期の海を支配したからである。この影響でプリオサウルスの進化は再び停滞したかに見えていたが、しかし… (続く)
2016-08-19 23:09:05(続き) ロマレオサウルスも絶滅からは逃れられなかった。ジュラ紀前期末の海洋無酸素事変とジュラ紀中期からジュラ紀後期にかけての地球温暖化が彼らを絶滅へと導いたからだ。彼らは冷涼な中高緯度の海に適応した首長竜だったからだ(dino-paradise.com/news/2015/07/y…)。 (続く)
2016-08-19 23:16:19(続き) 一方、我らがプリオサウルスの仲間は大型魚竜消滅やロマレオサウルスの衰退の影響でジュラ紀後期以降の海を支配する礎を作っていた。 尤も、ジュラ紀中期後半に一般的なプリオサウルスのイメージは既に出来ていた。 その中でも代表的なプリオサウルスであるリオプレウロドンを紹介しよう。
2016-08-19 23:25:10②ジュラ紀型プリオサウルスの代表「リオプレウロドン(en.m.wikipedia.org/wiki/Liopleuro…)」 生息年代はジュラ紀中期カロビアン〜ジュラ紀後期チトニアン 最大全長は6.4mで頭骨長の約4倍以上 ジュラ紀型プリオの特徴で頭骨の上顎側後頭部の厚みから噛む力があったと推測される
2016-08-19 23:33:54一般的なプリオサウルスはジュラ紀中期後半に誕生していた事から、ジュラ紀前期後半〜中期前半に他の首長竜と似た姿から一般的なプリオサウルスへと移行していた可能性はあるが、その頃のプリオサウルスの化石が少ない為に現時点でこれ以上の事は全く不明である。
2016-08-19 23:39:28ジュラ紀中期後半に誕生したジュラ紀型(又はリオプレウロドン型)プリオサウルスの仲間はジュラ紀後期に支配者となった。 ジュラ紀型プリオの特徴 ①全長は頭骨長の4倍以上 ②後頭部の構造から噛む力は強く、後に登場する白亜紀型プリオより強い pic.twitter.com/i0qtmEwe9f
2016-08-19 23:44:38脱字があった為に修正版 ③中生代最強の海生爬虫類「プリオサウルス(en.m.wikipedia.org/wiki/Pliosaurus)」 生息年代はジュラ紀後期 全長は4〜12m(最大13m) 体重は0.5〜16t(最大20t) 噛む力は0.9〜8.8t(最大10.3t)
2016-08-20 11:15:01このプリオサウルスと言うシノニムにはあの「プレデターX{正式な学名はプリオサウルス・フンケイ(Pliosaurus funkei)}」も含まれている。 頭骨長は1〜3mと様々で、体格毎に食性も異なる。小は頭足類や魚類、大は大型頭足類や海生爬虫類、リードシクティス(成魚以外)等。
2016-08-19 23:58:27