【マーク・ウィズ・ア・テンセイ】#3

アジャイトー @agito710515

（あらすじ：ヨロシサンの施設を脱走したハーバルを助けるため、追っ手のニンジャ、テンペストウミウシを引き受けたアジャイトー。これを辛くも撃破したが、自身も深い傷を負い瓦礫の陰で気を失ってしまう…） #agatxt

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（一方、神父が手配した護衛ニンジャ、シルヴァーバックルとエアロバイクの二者と共にハイウェイを疾走するハーバル。彼女らを追うクローンヤクザ達を迂回することで撒く作戦に出た3人だったが、新たにアマクダリのニンジャが迫る！） #agatxt

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【マーク・ウィズ・ア・テンセイ】#3 #agatxt

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DRRRRRR…重モーターサイクルは狭い路地を縫うように走る。スピードは下げざるを得ないが、これも追っ手を撒くためだ。シルヴァーバックルは車体後部で片膝をつき、背後を警戒する。その手には銃身の長いリボルバー。 1 #agatxt

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シートに跨るのは、全身を植物の葉に覆われたバイオニンジャ、ハーバル。ハンドルを握っているが、それは振り落とされぬようにだ。大柄なシルエットを持つ重モーターサイクルは重サイバネニンジャ、エアロバイクと合体しており、操縦をしているのは彼だ。 2 #agatxt

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『ま、実際役得だ』シート部分そのものであるエアロバイクはそう呟いた。「なんだって？」『なんでもない』シルヴァーバックルとエアロバイクは時にこうして、どうでもいい会話をする。シリアスに寄り過ぎないことは、人生でもイクサでも大切なことなのだ。 3 #agatxt

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だが。「……」ハーバルは1人、物思いにふけっていた。それは、道中で彼女を助けたニンジャ、アジャイトーのことであった。アジャイトーは初対面のハーバルを背負って逃げ、追っ手のニンジャ、テンペストウミウシを引き受けた。それきりだ。 4 #agatxt

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アジャイトーとの遭遇は完全なる偶然であり、彼と連絡を取る手段はない。彼のカラテがいかほどなのかは分からないが、テンペストウミウシとのイクサで傷つき、あるいは…。「……」ハーバルは嫌な考えを追い出すように頭を振る。 5 #agatxt

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実際、ハーバルがアジャイトーを気にかける必要性は無かった。だがそれを言うなら、アジャイトーがハーバルを助ける必要性も無かったはずである。ハーバルは決意を固めた。「…2人に相談があるバル」『ん？』エアロバイクが返事をした。シルヴァーバックルも耳を傾ける。 6 #agatxt

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「寄り道って可能バル？」『「寄り道？」』思わず2人は聞き返した。『寄り道って、アー、それは』エアロバイクは戸惑いながら言葉を紡ぐ。その間も操縦に乱れは無い。『アンタの命より重要？』「！」エアロバイクの鋭い言葉に、ハーバルは口をつぐむ。が。 7 #agatxt

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「……同じくらい重要」ハーバルはそう答えた。『そっ…かぁ』エアロバイクは思考を巡らし、納得した。『なら仕方が無い。座標は分かる？』「ちょっと待つバル」ハーバルは携帯IRCから地図を呼び出し、座標を重モーターサイクルへ送信する。 8 #agatxt

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「寄り道は良いが、急いだ方がいい」黙って聞いていたシルヴァーバックルが、後方を見ながら言った。『何？』「来るぞ」…ィィィイイイイイイン！狭い路地を縫うように飛行してくる、あれは一体？『えっ、何アレ』エアロバイクは我が目を疑った。 9 #agatxt

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重モーターサイクル後部のカメラアイが捉えたのは、高速回転飛行しながら迫る、巨大なスリケンであった！「イヤーッ！」スリケンからカラテシャウトが発せられる！『オイオイマジかよ！』「イヤーッ！」シルヴァーバックルがリボルバーで応戦！ 10 #agatxt

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BLAM！BLAM！キィンキィン！スリケンの回転が銃弾を弾く！「まずいな…。てかこれはアンブッシュの範疇か？」アイサツ無きイクサはシツレイにあたる。しかし、スリケンから再びカラテシャウトが発せられる！「イヤーッ！」スリケンの速度が増す！ 11 #agatxt

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「チッ、エアロバイク＝サン！速度上げられるか！」『キツイな！』狭い路地で重モーターサイクルは動きを制限される。対してスリケンはニンジャめいた機敏な動きで徐々に距離を詰めてくる！敵を撒くための動きが仇となったか！ 12 #agatxt

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『とにかくこのままポイントへ走る！敵はなんとかしてくれ！』「無茶言ってくれるな！」シルヴァーバックルは片膝姿勢のままオジギ！「ドーモ！シルヴァーバックルです！」スリケンは回転しながら挨拶を返す！「ドーモ！カムラインです！」 13 #agatxt

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イクサの火蓋が切って落とされた！「「イヤーッ！」」シルヴァーバックルの連続射撃をカムラインが回転しながら弾く！銃弾をものともしないカムラインは確実に距離を詰めてくる！シルヴァーバックルは額に汗をにじませた。 14 #agatxt

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「イヤーッ！」ついにカムラインが重モーターサイクルに肉薄！「イヤーッ！」BLAM！「グワーッ！？」一発の銃撃音の直後、カムラインの身体が壁に叩きつけられた！重モーターサイクルを片手で掴み、逆さになっていたシルヴァーバックルが姿勢を戻した。 15 #agatxt

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おお、読者の中にニンジャ動体視力をお持ちの方はおられようか！シルヴァーバックルは銃撃の反動で体を回転させ、ブレイクダンスめいたマワシゲリを放ったのだ！一歩間違えば巨大スリケンに切り裂かれネギトロめいた死体と化していたであろう！ 16 #agatxt

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『ヒュウ！今のもしかしてピストルカラテ？』ピストルカラテとは、銃撃の反動をカラテ打撃に応用する暗黒武道である。「さてね」涼しげに答えたシルヴァーバックルは、しかし全身を汗に濡らした。（シンプルながら恐るべき相手だ。）シルヴァーバックルは警戒を続ける。 17 #agatxt

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「近接戦闘は苦手なんだよ。ポイントはまだか？」『まだかかる』「ごめんバル…」突然、ハーバルが謝った。「ハーバルが寄り道とか言ったから…。あとイクサにも参加してなくて…」『オイオイ、そんなこと気にすんなよ！』エアロバイクは明るく言い放った。 18 #agatxt

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つなぐのはシルヴァーバックル「その通りだ。我々は貴女を護衛するために来ている。無理をする必要はない」シルヴァーバックルが涼やかな笑みを浮かべた。白い歯が眩しい。ハーバルも柔らかい笑みを返した。「…ありがとうバル」 19 #agatxt

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「イヤーッ！」ダメージから復帰したカムラインが追ってくる！「来たか！」シルヴァーバックルは再びピストルカラテを構える！だが！「イヤーッ！」カムラインが突如上へ急旋回！そのまま「回復力」の看板やパイプを切り裂く！「何ッ！？」 20 #agatxt

アジャイトー @agito710515

「イヤーッ！」カムラインは空中で瞬時に変形し、看板やパイプを重モーターサイクルへ向け蹴り飛ばす！猛烈な速度で迫る看板やパイプ！「イヤーッ！」BLAM！BLAM！BLAM！シルヴァーバックルのリボルバー連射！パイプが吹き飛ぶ！ 21 #agatxt

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しかし看板は銃弾を受けてなお飛んでくる！さらに再び巨大スリケンとなったカムラインが飛来！「イヤーッ！」カムラインが看板に追いつき再び蹴り飛ばす！「器用な真似を！」シルヴァーバックルのリボルバー連射を嘲笑うかの如く、看板が勢いを増す！ 22 #agatxt