ドラゴン長門シリーズ【その8・対話編】

ドラゴン長門＠連載用アカウント @doragon_nagato

～某日、雨の日～ 武蔵「提督よ」 提督「なんだ？」 武蔵「唐突にすまんが、おつかいを頼みたい」 提督「はぁ？なんでまた？」 武蔵「なんででもだ。何でも良いから買いに行ってほしい」 #ドラゴン長門

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提督「嫌に決まってるだろ…雨降ってるし仕事終わってないし…」 武蔵「業務ならば霧島がやってくれるさ。とにかく、今日提督はお買い物に行かねばならんのだ」 提督「？　意味がわからん…」 武蔵「いいからいいから！」 提督「ま、待て！押すなって！なんで行かせたがる！？」 #ドラゴン長門

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武蔵「色々あるのだ、色々な」 提督「その色々を説明して欲しいんだが…」 武蔵「あ、ついでにチョコを買って来てほしい」 陸奥「私はチョコアイスで」 夕立「私は生クリームケーキ１ホール！」 提督「いきなり出てくんな！そして一つ異様に高ぇ！」 #ドラゴン長門

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～数十分後～ 提督「…結局、買出しに行かされる羽目になった…」 提督（なんだってこんな雨の日に仕事放って買出しに…まぁあいつらに付き合わされて普段から仕事できてないけども…。でもその度に明石さんに手伝ってもらってるからなぁ…ん？） 提督「あそこにいるのは…？」 #ドラゴン長門

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Bis 「…」 提督（…ビスマルク？雨降ってるのに、なんで公園の片隅に傘差して座ってるんだ？…話かけたいところだが、前の件があるしな…ここは黙って通…）ﾆｬｰ 提督「…ニャー？」 Bis 「よしよし、良い子ね…」 猫　「ニャー」 提督（あれは…捨て猫か？） #ドラゴン長門

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Bis 「…」なでなで 猫　「ｺﾞﾛｺﾞﾛ…」 提督（…穏やかな顔して撫でるなぁ…あんな顔したビスマルク初めて見た…） 猫　「ﾅｧｳ…」ｽﾘｽﾘ Bis 「…」にへらぁ～ 提督「！！！？(ビスマルクの口元が…緩んだ…！！！？あ、あいつあんな顔するのか…)」 #ドラゴン長門

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Bis 「…///」ぎゅう～ 猫　「ニャ～」ｽﾘｽﾘ 提督（い、意外な一面を見てしまった…言っちゃ悪いがすごく意外だ…かわいいなあいつ…） Bis 「…ねぇ、猫ちゃん」 提督（猫に話しかけ始めたよ！？） Bis 「…私、どうすればいいのかしら…」 提督「！」 #ドラゴン長門

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Bis 「…私は…ただ認めて欲しかっただけなのに…」 提督（…ビスマルク…） Bis 「…猫ちゃん、私の翼を見て綺麗だと思う？」 猫　「ニャ～」 Bis 「…そう…私もこの翼は好き。でも、同じくらい憎らしいわ…私の栄光と絶望を両方持ってきた…この翼が…」 #ドラゴン長門

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Bis 「私はこの翼で、私と言う存在を知らしめたかった…世間に認めさせたかった…そもそも、それが間違っていたのかもね…あの男の言う通り、私はきっと、不純な動機で艦娘になったんだわ…その証拠に私は、何も答えを出せずに燻ってる…」 #ドラゴン長門

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提督（…俺の言ったこと、そこまで気にしてたのか…） Bis 「でも私にはこの道以外には無い…辞めることは出来ない…でも…私にもいつか轟沈する日が来る…来ないとは言い切れない場所に、いつまでもいれるのかどうか…」 提督（…そういうことか…） #ドラゴン長門

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Bis 「…ふふっ…猫のあなたに言ってもわからないでしょうね」 猫　「ニャ～」 提督（…これもまた意外な一面だな…でもこれ聞いてるのバレたら面倒なことになりそうだし…ここは通り抜けて…） バシャッ Bis 「！　誰！？」 提督「！！？　やべっ水溜り…！？」 #ドラゴン長門

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Bis 「提督…！」 提督「…よ、よぅ…(やべぇこれまた殴られるんじゃねーの？これ病院送りになるんじゃねーのかこれ)」 Bis 「…今の、聞いてた？」 提督「そ、その…悪気はなかったんだ…」 Bis 「…そ」 提督「…？そ、それだけ？」 Bis 「？　なにがよ？」 #ドラゴン長門

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提督「いや！いや！なんでもない！なんでもないんだ！」 Bis 「…そう」 提督「ﾎｯ…」 Bis 「…」なでなで 猫　「ニャー」 提督「…捨て猫か？」 Bis 「ええ」 提督「…かわいいな」 Bis 「…そうね…本当、かわいいわ…羨ましい…」 #ドラゴン長門

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提督「…なぁ、ビスマルク…」 Bis 「…なによ？」 提督「……死ぬのは怖いか？」 Bis 「」ｹﾞｼｯ 提督「いて！？」 Bis 「もうちょっと他に言い方無いの！？」 提督「な、なにも蹴ることないだろ！？しかも濡れた靴で蹴りやがって…！」 #ドラゴン長門

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Bis 「ふん！ええそうよ！怖いわよ！」 提督「開き直るのかよ…」 Bis 「うるさい！あなただって死ぬの怖いでしょ！？」 提督「…死ぬ、かぁ…」 Bis 「…なによ、その反応は…」 提督「そうだなぁ…戦場で指揮を執る身だし、最初は嫌でな…」 #ドラゴン長門

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Bis 「最初はって何よ？そもそも、嫌なのになんで提督になったのよ？」 提督「深海棲艦を何とかしなきゃいけない。単純にそう思ったのがきっかけだ」 Bis 「…本当に単純ね…それくらいなら私だって考えるわよ」 提督「そうだな。でも行動を起こす動機はそれで充分だった」 #ドラゴン長門

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提督「最初は戦場と関係ない技術屋のほうに回ろうと思ったんだが…選考から漏れて、代わりに指揮官育成コースまっしぐらだ」 Bis 「辞める手もあったんじゃないの？」 提督「まぁな…でも父さん曰く、俺には才能があるらしい。道が逸れたなら、良い機会でもあると思ったんだ」 #ドラゴン長門

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提督「だが就任前…ある事件が起きた。あの長門達の居た鎮守府が襲われた事件だ」 Bis 「！」 提督「そこの提督が行方不明…まぁ大方死亡したって話を聞いて、しかもその鎮守府を俺が担当することになって、自分も死ぬんじゃないのかって、いい大人が泣いて喚いたよ」 #ドラゴン長門

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提督「嫌で嫌でしょうがなかった。でも艦娘達は俺達提督よりも危ない場所に行ってる。ここで逃げるのはその人達に申し訳ない…そう思ったんだ」 Bis 「…それで、着任したと？」 提督「ああ。最初は自分を奮い立たせるのに精一杯で、その上指揮できるのか不安でいっぱいでな…」 #ドラゴン長門

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提督「だが後日…長門達の姿が変わって、アレだよ」 Bis 「…アレ、ね…」 提督「…でも、それでよかった。俺はあいつらのおかげで吹っ切れた。あいつ等と一緒なら怖いものはない、何でもできる…そう思えたんだ」 Bis 「…信頼してるのね、あいつらのこと」 #ドラゴン長門

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提督「ああ。だからビスマルク、信じてみないか？」 Bis 「え？」 提督「俺達を信じて欲しい。今のお前はかつての俺だ。俺達を信じてくれたなら、きっと乗り越えられる。俺達を信じて、共に戦って欲しい。お前が抱える不安や悩みは、俺達が受け止める」 Bis 「提督…」 #ドラゴン長門

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提督「お前を沈ませやしない。俺も長門達も、お前を助けるために全力を尽くす」 Bis 「でも、あの蜥蜴女とは…」 提督「長門はそんな冷酷なヤツじゃないぞ？あいつは仲間を見捨てない」 Bis 「仲間…」 提督「ああ、仲間だ。ビスマルク、俺達と仲間になろう」 #ドラゴン長門

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提督「…まぁ、すぐにとは言わない。生死に関わる問題だし、ゆっくり考えてくれれば良い」 Bis 「…ねぇ」 提督「ん？」 Bis 「…あ…ありが…とう…」 提督「！！？」 Bis 「？　なによ？」 提督「お前が礼を言う…！？こ、これ雨降るんじゃ…あ、もう降ってた…」 #ドラゴン長門

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Bis 「失礼ね！どういう意味よ！」 提督「だってお前、今までからしてそういうお礼の類とか言うとは…」 Bis 「…今はそんな気分ってだけよ」 提督「さいですか…相談の礼ってことか？」 Bis 「ち！違うわよ！今のは相談とか、そういうのじゃなくて…！」 #ドラゴン長門

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提督「なんだよ、今更恥ずかしくなったのか？」 Bis 「は、恥ずかしがるわけ無いでしょ！？た、ただ私に悩みなんて…！」 提督「変なところで意地張るよなぁお前…」 Bis 「い、意地なんて張ってないわ！！」 提督「そういうところだよ、意地っ張り」 Bis 「うっ…」 #ドラゴン長門