『貧乏人の経済学』 読書録

いわゆる読書ログって奴ですよ。
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祭谷一斗 @maturiya_itto

夜に『貧乏人の経済学』一人読書会やります。今日午後8時~(予定)。別名、個人的なサボり防止とも言う。 amazon.co.jp/%E8%B2%A7%E4%B…

2016-08-22 15:53:54
祭谷一斗 @maturiya_itto

引用されてるアマルティア・センの貧困の定義が明確でよい。 「貧困はお金がないというだけではありません。人間としての可能性を全開にする能力(ケイパビリティ)がないということ」 「貧困が才能の許し難い無駄遣いをもたらす」(『貧乏人の経済学』p21、以下全て日本語版第二刷)

2016-08-22 19:40:50
祭谷一斗 @maturiya_itto

丁寧かつ具体的に問題を追う内容を指向してる。両極端で挙げられてるのはジェフリー・サックスとウィリアム・イースタリー。 「貧困対策という課題を具体的な問題の束としてとらえ、それをきちんと見極めて理解すれば、一つずつ解決していけるのだと考えて欲しい」同p17

2016-08-22 20:02:24
祭谷一斗 @maturiya_itto

今話題な件と関係ある箇所も。「(食費や医療費以外の)残金すべてが他の必需品に使われているわけでもありません。たとえばインドのウダイプール地方の典型的な貧困家庭は、アルコール、タバコ、そしてお祭りへの支出を完全にやめれば、食費はあと3割増やせます」p42

2016-08-22 20:12:22
祭谷一斗 @maturiya_itto

「貧乏な人たちにもいろいろ選択の余地があるようだし、可能な限り食べ物に使うという選択はしない」p42 ここからカロリーのみでなく栄養価の重要さ、それを個人で学ぶことの重要さを経由、「貧乏な人々が食料を選ぶとき、値段の安さや栄養価で選ばず、美味しさで選ぶのも当然でしょう」p58

2016-08-22 20:16:02
祭谷一斗 @maturiya_itto

これまでのところ、基本的にそこまで前提知識がいらないよう書かれてる本だと思います。文も論旨も簡潔明瞭で、知識があるならかなりサッと読めるはず。

2016-08-22 20:18:35
祭谷一斗 @maturiya_itto

(ただし、読み易いというだけで、情報量自体はかなりあります。根拠に逐一データを用いているので、当たり前と言えば当たり前)

2016-08-22 20:23:18
祭谷一斗 @maturiya_itto

ちょい訂正: △ 個人で学ぶことの重要さ ○ 個人が学ぶことと実行することのむずかしさ 要はフィードバックが薄い(すぐに効果がある訳ではない)ので、きっちり学ぶことがまずむずかしく、学んでも習慣を変えるのは困難が伴うのでまたハードルがあると。

2016-08-22 20:49:40
祭谷一斗 @maturiya_itto

「一般的に、貧乏な人々が生活を退屈から救ってくれるものを最優先しているのは明らかです。それはテレビ、あるいはちょっとした特別な食べ物だったり――あるいは単に砂糖のたっぷり入った紅茶かも知れません」p61

2016-08-22 21:28:22
祭谷一斗 @maturiya_itto

第3章はヘルスケアのお話。公衆衛生や予防接種について、正確に知ることのむずかしさが述べられている。「ヘルスケアの知識学習が本質的に難しいのは、何も貧乏な人々に限った話ではなく、だれにとっても難しいのです」p90

2016-08-22 21:31:59
祭谷一斗 @maturiya_itto

「何が健康にいいのかについて、誤解するのは実に簡単なのです」p91 「自分の健康についての正しい決断を責任持って下せるほどに賢く、忍耐強く、知識のある人など、だれもいないということを認識するべきです」p102 なので、デフォルトの選択肢を受益側に置いておくべきと。

2016-08-22 21:35:46
祭谷一斗 @maturiya_itto

予防接種を含めた、予防のむずかしさについても触れられてる。たとえば一種類の予防接種を受けても全部の感染症を予防できる訳ではなく、また予防が完璧とも限らない。ゆえに効果の実感はむずかしく、接種拒否にも行きやすい。

2016-08-22 21:47:10
祭谷一斗 @maturiya_itto

第4章は教育について。教育は“最後の数年”の方が“最初の数年”より効果的と思われているがそうではない。実際は「1年間教育を受けることで増える収入はおおむね年数に比例」「普通の仕事にしかない人にとっても教育は役に立っている」(p126~)。

2016-08-22 22:12:16
祭谷一斗 @maturiya_itto

この誤解はたとえば、子供のうち出来のいい(と思われる)一人にだけ集中投資すると言った害を生むと(p127~)。

2016-08-22 22:15:28
祭谷一斗 @maturiya_itto

p139~p144から教育についての〆。まず基礎能力に焦点を絞る、カリキュラムとクラスの進行度別再編成(特に遅れている子供のフォローは効果的)、教師の補助にテクノロジーを導入するなど。

2016-08-22 22:20:29
祭谷一斗 @maturiya_itto

第5章は家族計画のお話ですね。第一部(本の半分)がここまでですので、ここでいったんお終いにします。

2016-08-22 22:22:39
祭谷一斗 @maturiya_itto

思春期の子供への「禁欲プログラム」は行っても「妊娠率は同じ」p159 一方で、知らなかった情報を教える(きちんと判断能力があると見なす)のは効果がある。年上の男性は性感染症のリスクが高いことを教えると、妊娠率は減りコンドームの使用率も上がった(p159)。(いったん〆)

2016-08-22 22:34:30
祭谷一斗 @maturiya_itto

思春期の子供は(乏しい情報の中でも)それなりにきちんと判断しているので、禁欲的な脅しではなく判断材料を与える方が効果的、 てのはいろいろなことに言えそうですね。 twitter.com/maturiya_itto/…

2016-08-22 22:38:28
祭谷一斗 @maturiya_itto

読みやすいしモリモリ勉強になるけど、よく考えたら政策レベルがメインのお話だな。もちろん、個別の具体例満載よりもよほど当てになる本ではある。

2016-08-22 22:54:34
祭谷一斗 @maturiya_itto

今日はこれの残り(第二部)読みますかね。また8時くらいからかな。 ※第一部読んだ時の内容&引用はリンク先につないであります。 twitter.com/maturiya_itto/…

2016-08-23 12:50:17
祭谷一斗 @maturiya_itto

第一部(1~5章)が「個人の暮らし」で、第二部(6~10章)が「制度」。>『貧乏人の経済学』 msz.co.jp/book/detail/07…

2016-08-23 12:53:56
祭谷一斗 @maturiya_itto

第二部はこちらのツイにつないでおきます。 twitter.com/maturiya_itto/…

2016-08-23 19:26:52
祭谷一斗 @maturiya_itto

第二部(6~10章)は「制度」と題してるだけあって政治政策レベルの話が多め。第6章は保険制度。逆選択(リスクの高い人ほど加入する)とモラルハザード(保険が行動を変える)を題に……てなるほど、途上国は国民皆保険が無かったりするのか。 amazon.co.jp/%E8%B2%A7%E4%B…

2016-08-23 20:14:44
祭谷一斗 @maturiya_itto

リスク分散の点からも、政府の介入(保険の義務化や補助など)が必要との立場。加入者が多ければ多いほど、危険度の低いひとも加入する=リスクが分散される。

2016-08-23 20:18:00
祭谷一斗 @maturiya_itto

「フィードバックが薄いと適切に学ぶことがむずかしい」旨が随所で記されてて、これ別にヘルスケア領域だけじゃないなあと。

2016-08-23 20:28:06