じつは花を食べている。イチゴは果物?野菜?

イチゴの来歴などについてつぶやきました。
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がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

さて、寝る前にイチゴの話を始めますね。

2016-08-16 22:33:58

まずはイチゴの分類について。

がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

さて、久しぶりに野菜の解説をしてみよう。今回取り上げるのはイチゴにしてみたい。イチゴは果物では?と思われる方もおられるかもしれないが、日本の園芸における分類では草本性作物(樹木にならないもの)は野菜に分類される。なので、メロン、スイカなども野菜ということになる。

2016-08-16 22:34:35
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

現在栽培、流通されているイチゴはほぼバラ科バラ亜科オランダイチゴ属(Fragaria ×ananassa)。ラズベリー、ブラックベリーなどのキイチゴ属や日本に自生するキジムシロ属のヘビイチゴは別種である。なお、ヘビイチゴが有毒であるというのは俗説で、食用可能だが食味的に適しない。

2016-08-16 22:36:10
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

現在の栽培種であるイチゴは、他のオランダイチゴ属の野生種に比べてはるかに大果で多収である。しかし、どのようにしてこのような栽培種が成立したのかは明確な記録はない。わかっているのは大果系のチリ種と北米産のバージニア種がフランスで交雑してできたらしい、ということまでである。

2016-08-16 22:36:38
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

ともあれ、栽培種のイチゴは8倍体であり、一般的な野生のオランダイチゴが2倍体であることから考えると、果実や植物体の大型化にはこの倍数性も関わっていると思われるが、栽培種が成立した時代性から考えて染色体の人工的な倍化は不可能で、自然倍化したものが選抜された結果だろう。

2016-08-16 22:37:31

イチゴの原産地、来歴は?

がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

近代的栽培種の片親となったバージニア種は、16世紀ごろから北米への探検者や入植者によってヨーロッパへ持ち帰られ、それまでのヨーロッパ在来種に比べて大果で鮮やかな赤が受け入れられ、栽培品種まで育成されるようになった。

2016-08-16 22:38:06
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

もう片親のチリ種は18世紀初めにフランス海軍属の技官によって南米より持ち帰られた。当時の南米航路は過酷で真水の確保もままならず、持ち帰ることができたのは5株だけだった。その5株はすべて雌株で結実させることができなかったが、これが近代栽培種の誕生につながることになった。

2016-08-16 22:38:31
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

チリ種は、ヨーロッパ(フランス)の気候ではなかなか開花せず、開花しても持ち帰られた株はすべて雌株だったため花粉がなく結実できない。そこでバージニア種の雄株を混植してその花粉で結実させることにした。

2016-08-16 22:39:11
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

その時、収穫しきれなかったりしたために落果したものなどから落ちた種子(痩果)が発芽し、自生していたものから今までになく生育が旺盛で大果の株が見いだされ、種として固定されて近代栽培種になったのではないかと考えられている。

2016-08-16 22:39:42
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

このようなことから、近代栽培種の起源は1730~50年ごろのフランスブルターニュ半島プロガステル町と考えられている。日本ではオランダが起源と考えられていて、オランダイチゴ属という名前が付けられているが、これは江戸時代にオランダを通じて導入されたことから生まれた誤解である。

2016-08-16 22:41:23

日本では。

がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

日本におけるイチゴは、日本書紀に「いちひこ」の記述が見られ、キイチゴやヘビイチゴなどを総称したものと思われる。また、枕草子には「いちご」の記述が2か所存在する。なお、日本にはヘビイチゴのほか日本海側を中心とする高山地帯に「ノウゴウイチゴ」というオランダイチゴ属の自生種がある。

2016-08-16 22:41:49
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

我が国への園芸作物としての導入は、文久の初めごろに川崎道民が遣米・遣欧使節団に随行した際に園芸作物の種子を数種購入し持ち帰ったのが始まりともされている。これを1863年に伊藤圭介が翻訳して文書にしたのが確実な導入の最古の記録と言われている。

2016-08-16 22:42:21
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

我が国で初の営利栽培としては、1893~94年頃に東京や横浜で始まったとされているが、当時は外国の珍しい果物という認識で、一般には普及しなかった。また、欧米ではいくつかの栽培品種が育成されていたが、当時の輸送経路では苗を持ち帰るのが困難で、導入は進まなかった。

2016-08-16 22:43:01
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

そこで、福羽逸人はフランスから栽培種の種子を購入し、そこから育てた実生苗から1898年に選抜育成したのが日本初の栽培種「福羽」である。この福羽は長きにわたって日本の主要品種となり、水田裏作の露地栽培や石垣栽培などに用いられた。

2016-08-16 22:43:30
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

その後、イチゴの育種は国をはじめ、各県の関係機関や企業、また個人によって盛んにおこなわれるようになり、品種登録出願件数は21世紀に入って168件となっているが(平成28年8月1日現在)、自分のような栽培指導を生業としている人間でもそのすべては到底把握できていないほどである。

2016-08-16 22:44:02
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

営利栽培が始まった当初は露地栽培が多く、イチゴの旬と言えば初夏であったが、1950年代後半からプラスチックフィルムを用いた施設栽培(ビニールハウス)が増加し始め、また、休眠が浅い品種を利用して秋に花芽を分化させ、年内に収穫を開始して初夏まで取り続ける促成長期栽培が始まった。

2016-08-16 22:44:45
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

現在ではイチゴ出荷量のピークは全国的には1~5月になっており、もともとの旬である初夏にも出回ってはいるが、需要はクリスマス~正月商戦に高まる傾向になっている。果実品質でも、株がしっかり出来上がったころで、低温でじっくり着色する1~2月が食味もよく、現在では旬と言えるかもしれない。

2016-08-16 22:45:58
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

ちなみに、日本のイチゴ生産量は2013年の統計で世界でも10位であり、大きな産地であるといえるが、そのほとんどが家族労働による施設園芸に支えられており、労働生産性が高いとは言えない。とはいえ、独自品種も多く、独特の発達を遂げておりイチゴ生産大国と言って差し支えないと思う。

2016-08-16 22:46:46
がんちゃん(ファイザー2回接種済) @gan_jiro

というわけで、今日のところはここまでです。また近いうちにまとめますので、追いかけるのが面倒な人はそれをお待ちくださいね(笑)

2016-08-16 22:47:40