経産省のクール・ジャパン政策の賛否論、文化政策の意義と展望について

AKB48など日本文化の輸出を後押しする経産省のクール・ジャパン政策の賛否論、そして文化政策の意義と展望について現代美術キュレーターの渡辺真也さん @curatorshinya と意見を交しました。 議論のきっかけになるような喚起力のある対話が出来たと思うのでまとめてみました。
4
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

クールジャパン戦略を取ると、日本は輸出コンテンツを気にするあまり自己暗示に陥り、オリエントがオリエンタライズするのと同様の形で、日本がゆがんだ形で日本化してしまう。これはイマジネーションの欠落であり、表現としての失敗でもある。結果、日本にとってもマイナスになると思う。

2011-02-09 11:46:58
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

世界を高校の教室に例えてみよう。クラスに漫画やアニメ、アイドルのグラビアなどを持ち込んでみんなの文化的注目を浴びようとしても、最初は面白がって読んでくれると思うけれど、ほとんどは途中で飽きてしまうだろう。最後までついて来るのは、クラスにおけるある種の弱者数人だけだと思う。

2011-02-09 11:49:55
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

アイドルとかも、ある種の弱者ビジネスだと思う。そんなビジネスに国家が文化政策として介入して輸出を促進することは、やはり健全だと思えない。もしやるのなら、行政は、コマーシャルの人が活動しやすくなる様なインフラ整備に特化すべきでは?

2011-02-09 11:52:18
泰平 @taihei

? RT @curatorshinya: 世界を高校の教室に例えてみよう。クラスに漫画やアニメ、アイドルのグラビアなどを持ち込んでみんなの文化的注目を浴びようとしても、最初は面白がって読んでくれると思うけれど<略>最後までついて来るのは、クラスにおけるある種の弱者数人だけだと思う

2011-02-09 12:20:53
泰平 @taihei

?? RT @curatorshinya: アイドルとかも、ある種の弱者ビジネスだと思う。そんなビジネスに国家が文化政策として介入して輸出を促進することは、やはり健全だと思えない。もしやるのなら、行政は、コマーシャルの人が活動しやすくなる様なインフラ整備に特化すべきでは?

2011-02-09 12:20:56
泰平 @taihei

吉野家やマクドナルドが経済的弱者の為のビジネスというならばわかるけど、例に挙げられたコンテンツビジネスを弱者ビジネスと括る意味がわからないし、例えそれが弱者ビジネスであったとして、輸出を推進しない理由がわからないです。オリエンタリズム云々はさておき @curatorshinya

2011-02-09 12:27:09
泰平 @taihei

日本のアートシーンを盛り上げたいのはわかるけどこれじゃ説得力がなさすぎる

2011-02-09 12:38:48
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

私は、AKB48などのコンテンツを、日本国が税金を使ってプロモーションすることが、倫理的に正しいと思えないのです。@taihei さんは、どんどん輸出して行くべきだと考えますか?

2011-02-09 17:09:11
泰平 @taihei

@curatorshinya お返事ありがとうございます。勿論、税金は是非アートにと思いますけど、それはさておき、僕は例に挙げられたコンテンツビジネスがなぜ弱者ビジネスと括られるのか、そして例えそれが弱者ビジネスだとしたらそれがなぜ文化政策として相応しくないのかを伺っています。

2011-02-10 03:05:33
泰平 @taihei

@curatorshinya この高校の教室の例えでは、アートに最初に興味をもつ人は何人いるのでしょう? http://bit.ly/esfbHk また、残る人は強者なのですか?日本の特撮物が好きな金正日は弱者ですか?この例の論理展開がスノビズム的な思考停止にしか聞こえないのです

2011-02-10 03:05:52
泰平 @taihei

@curatorshinya 大衆芸術しか世界に輸出されない現状に対しては僕も危機感を感じていますし、オリエンタリズムに依拠しない日本発の表現を常々模索していますが、一方で、大衆芸術が世界に受け入れられ、アートがダメな理由もわかります。現状から学ぶところは多いと感じています。

2011-02-10 03:06:14
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei 私がコンテンツビジネスをある種の弱者ビジネスだと書いたのは、このビジネスが社会の強者を相手にしていない為。教室のメタファーは、このコンテンツビジネスは、おたく化してしまう弱者を相手にすることとなり、文化政策として行き詰まるだろう、という例として持ち出しました。

2011-02-10 09:28:57
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei 金正日は寅さんが好きで、よく物まねをするそう。きっと日本文化の儒教的な所に魅かれていると思うのですが、もしそうなら、日本における儒教文化、さらに特撮に関してドナルド・キーンが述べている怪獣型文化の歴史的考察をコンテクスト化し、ハイカルチャーとして輸出すべきでは?

2011-02-10 09:30:53
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei 弱者ビジネスを展開しては、徳を積むことができず、結果、その輸出の主体である日本が、世界から信用されなくなり、相手にされなくなるでしょう。私はそういう局面の矢面に立たされてきたので、それだけはどうしても!避けたいのです。

2011-02-10 09:31:18
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei 私は、日本が正確に理解してもらえる様な文化輸出をすべきだと考えており、セルフオリエンタリズムを助長する様なビジネスを国家が展開すべきだとは思えません。

2011-02-10 09:31:43
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei アートは概念的なものである、という近代的なルールを日本が正確に理解して、世界のハイカルチャーに対して有効な文化戦略を取ることを、私は希望します。

2011-02-10 09:31:55
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei しばらく考えたのですが、やはり金正日は弱者だと思う。世界を一つのクラスに例えれば、彼は教室の隅で友達も作れず、オタク化してしまうタイプの人に限りなく近いかと。

2011-02-10 09:37:52
泰平 @taihei

@curatorshinya つまり、仰る「弱者」とは経済的/権力的な意味でなく、批評言語を持たず、強者とのネットワークを有しない者。X=閉鎖性=おたく=弱者=ローアートであり、Xで文化戦略を取ると徳を失い、果ては世界の信用を失うから輸出に反対しているという事でよろしいですか?

2011-02-10 15:15:35
泰平 @taihei

@curatorshinya 突然ですが僕は野茂が95年に米大リーグに移籍し活躍したことで日本人はグローバル市場で戦う自信を獲得したと感じています。しかしその移籍自体、経済的な伸び代の模索を迫られていた米球界事情がなければ実現しなかったものと言われています。

2011-02-10 15:15:47
泰平 @taihei

@curatorshinya 資本主義の競争原理には賛否ありますが、僕はその仕組を考えた西欧の文化環境ですらその仕組上で公平に裁かれ、淘汰やパラダイムシフトが余儀なく許容させられる仕組としてある種の希望を抱いております。人種差別問題もこの仕組で徐々に、合理的に改善されています。

2011-02-10 15:16:01
泰平 @taihei

@curatorshinya そしてその資本主義自体が緩やかなパラダイムシフトの只中にある今、WWWの理念やマイクロファイナンス・プラットフォームの将来を考えると、市場のポテンシャルは、むしろ今まで文化として正当に扱われなかったヒエラルキーの中間層にあるのではないかと感じます。

2011-02-10 15:16:19
泰平 @taihei

@curatorshinya その意味ではローアートや大衆芸術など、西欧文化史的観点では評価されていなかった(しかし日本人としては自然に許容できる)文化の輸出には意義があるように感じています。それを踏まえ、ハイアートもその様な観点で文化を再考すべきなのではと考えております。

2011-02-10 15:16:37
泰平 @taihei

@curatorshinya 税金は是非アートに使って欲しいという思いは共有していますが、その根拠としての「弱者ビジネス」の短絡的な批判には違和感を感じますし、その論理展開ではハイアートを盲目的に肯定しているだけで、長期的な文化展望としては魅力が少ないように思ってしまうのです。

2011-02-10 15:16:49
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei 少ししんどいですが、一つ、具体的な例を挙げて考えてみましょう。外務省が海外にゴシック&ロリータファッションを広める為に派遣している「カワイイ大使」というのがあります。この場合、ターゲットとなるのはゴスロリに興味を持ち、日本製品を購入する潜在性を持つひとでしょう。

2011-02-10 16:01:00
Shinya Watanabe 渡辺真也 @curatorshinya

@taihei なんだかコムデギャルソン論争みたいですが、私はこの日本の文化戦略の結果、ゴスロリに興味を持って日本製品を買う潜在人口は、その国の社会において、強者だとはどうしても思えないのです。さらに、日本が国を挙げてキワモノ的なものを輸出することに、強い抵抗があります。

2011-02-10 16:06:02