TRPGシナリオ作成法・起承転結(作・あさまさん)
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TRPGのシナリオ作成について、これからしばらくつぶやいてみるよ。シナリオのオープニングからエンディングまでを『起承転結』の4段階に分けて、それぞれ気を付けるとよい点やテクニックなどについて書いていくよ。
2016-09-04 10:20:09【起】オープニングで大事なのは、これから始まる物語が、いつ・どこ・だれの物語なのかをきちんと示すことなんだ。こんな人物たちによる、こんな枠の中で行われるお話しだというイメージをまず明確にすることで、プレイヤーも動きやすくなり、セッションの迷走を防ぐことができるよ。
2016-09-04 11:14:45そしてその、いつ・どこ・だれの3つなんだけど、それらがスペシャルであることも大事なんだ。物語って、ある特別な出来事(非日常)を切り出したものだからね。シナリオを作っていて、何か思いついたら、時々「それはスペシャル?」と自分に問いかけてみるといいよ。
2016-09-04 11:15:15個々の思い付きをスペシャルだと思えるものに変えていくだけで、シナリオがより面白くなることって多いんだ。例えば、遊園地を舞台にシナリオを作ろうと思いついたら、
2016-09-04 11:15:52世界最大級の遊園地のオープニングイベント、参加者は角界著名人と抽選に当たった幸運な一般人(PC)」てな感じでより特別感を出してみるんだ。吸引力が出てくるでしょう?
2016-09-04 11:16:34事件が発生し、解決するまでが物語だから、【起】では当然、事件が発生するんだれけど、この時「自分の身に起こったら嫌だなぁ」と心から思える事件を起こすと、よりプレイヤーを物語に強く引き込めるよ。
2016-09-04 11:16:58「他人の問題だよなぁ……」と思われてしまうと、引き込みが弱くなるんだ。これは、ドラえもんがすごく参考になるよ。藤子不二雄は偉大だよね。
2016-09-04 11:17:18オープニングでは、日常を描写しよう。平凡で安全だけれども刺激がなく、何かが不足していて不安定、そんな日常を描いておけば、これから始まる非日常と、エンディングでまた戻って来る(ちょっぴりよくなった)日常との対比で、PCがした体験の意義を示すことができるからね。
2016-09-04 12:09:14【承】オープニングが終わったら、非日常への不可逆な旅立ちが始まるよ。問題が解決するまで、もうPCは日常へは戻れない。もどしちゃだめなんだ。閉鎖空間に閉じ込めちゃうという基本テクニックもあるけれど、いつでも使えるというわけじゃないよね。
2016-09-04 16:35:19そこでプレイヤーにそう思わせるために、PCに対して3つの力を加えてやるんだ。その力とは、過去から押す力“動機”、未来へと引っぱる力“目的”、それらを思い出させる現在の力“痛み”だよ。どれもPCの精神的な推進力なんだ。
2016-09-04 16:38:03例えば「恋人が病気で苦しんでいるので助けたい」(動機)「病気に効く特別な薬草を手に入れる」(目的)「恋人が日に日に衰弱していく」(痛み)、これだけの推進装置を装着したPCは、最後まで止まらないし、止まれないよね。
2016-09-04 16:38:23簡単にことが進むお話は、面白くない。目的達成が危険で難しいほど、登場人物が困るほど物語は面白くなるんだ。現実では、簡単に成功したいし、困るなんて嫌だ。でも、物語の世界でそれをやってしまうと、盛り上がらないんだ……。
2016-09-04 17:20:54だから目的達成のためのハードルは、上げてやらないといけない。【承】は、そんなすぐにはたどり着けない山頂に向かって、段階的に坂道を登っていくイメージだよ。では、そこで何が必要になるかというと、障害への対処と目的達成のための準備なんだ。
2016-09-04 17:21:22PCにどんな障害を与えるか、どんな準備をさせるか。プレイヤーを退屈させないためには、ここをどう面白くするかが重要なんだ。目的や動機がPCとぶつかるNPCが絡んでくると、より盛り上がるよ。ここは掘り下げると長くなるからこの辺にしておくね。
2016-09-04 17:21:41【承】で気を付けたいのは、物語の加速と振幅だよ。クライマックスという山頂に向かって、物語の展開や場面をより早く、ダイナミックにしていくんだ。オープニングですぐにビルが大爆発したのに、クライマックスでは時間をかけて小屋が爆発するだけとか、がっかりするよね。そこは必ず逆がいい。
2016-09-04 17:44:49同様に深刻化と拡大化にも気を配るといいよ。PCに関わる個人的な話だと思っていたら、どんどんと問題が深刻になって、PCの行動の結果が、大勢の人に影響を与えるようになってきたというシチュエーションはどきどきするし、本当に盛り上がるからね。
2016-09-04 17:45:15【転】クライマックス、最も危険で最も盛り上がる物語最大の山場だよ。ここで大事なのはシンプル化なんだ。PCのたったひとつの決断、たったひとつの行動、それが全ての決着につながる。そんな集約をするんだ。多くのTRPGではラスボスとの戦闘になるだろうね。
2016-09-24 10:16:24その場合、例えばラスボスを倒すことで、友の無念をはらすこと、ヒロインを救うこと、敵の悪事を未然に防ぐこと、人々を救うこと、それらがすべて一気に解決すると明示してやるんだ。ここは全力を出すところだとプレイヤーに事前に伝わるほうが盛り上がるしね。
2016-09-24 10:16:37PCは物語の主人公だから、『その時、その場所で、彼(女)だけがそれをできた』そんな特別感もあるといいね。いつでもよかった、どこでもよかった、PCじゃなくてもよかった。それだと、ちょっとさみしいでしょう?
2016-09-24 10:16:48【結】エンディングで大事なのは、“報い”だよ。困難に耐えて努力してきた者には幸福を、悪逆非道だった者には相応の罰を与えるんだ。すべての主要登場人物に対して行いの結果をその需要度に応じて適切な長さで描写するんだ。
2016-09-24 10:21:49【結】で事件は解決し、危険で不安定だった非日常は、安全で安定した日常へと戻るんだけど、オープニングの日常よりも、エンディングの日常はちょっぴり良くなってるといいね。それが今回行った冒険の価値、がんばったPCへの大切な“報い”となるんだ。
2016-09-24 10:21:59エンディングは長々と描写しないことも大事だよ。余韻はお土産。クライマックス興奮が冷める前、余熱を残した状態で幕を閉じるんだ。そうすることで、プレイヤーは、生まれた物語を反芻し、また登場人物たちのこれからの日常に思いをはせてくれるはず。きっとね!
2016-09-24 10:22:14そんなわけで、【起】【承】【転】【結】に分けてシナリオ作成時に気を付けるとよいことを書いてみたよ。書きためせずに考えながら書いたから、つたないところもあるけれど、少しでもTRPGのシナリオを作っている誰かのお役に立てれば幸いです。
2016-09-24 10:22:28