性犯罪事件について90過ぎのお祖母さまが語る「正論」がかっこよすぎて痺れる

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 一時間以上は聞いていたのですが、できるだけ祖母の言いたいことを損なわないようにまとめる努力はします。

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@chomoco02233 さて、祖母が嫁いできたころ（祖母は軍人の娘で、気性がしっかりして明るいところを祖父から見初められました）、村は夜這いの風習がまだあり、性にとてもルーズだったそうです。朝になったら隣家の夫と妻が入れ替わって新しい夫婦ができてたというようなこともあったと。

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@chomoco02233 しかしそういう笑い話のようなことばかりではなく、襲われて泣き寝入りする女性もやはりいたそうでした。祖母はやがておかしいと感じるようになりました。村の誰が強姦魔かということはやはり皆がわかってたそうです。よその人間が入り込んでくることもあったようですが…

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@chomoco02233 。でも村内のつきあいなどもあって告発には勇気がいるし「おまえにも原因があった」と言われるし、警察に訴えてもちょっとしたやんちゃ程度の説教で終わりになるしで、被害者たちは泣き寝入りする。そういうとき、たとえば女性が外にいれば「外にいたから悪い」と言われ、

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@chomoco02233 屋内にいれば「戸締りが悪かったのではないか」、戸締りが完璧だったら「もっと抵抗できたのでは」というふうに、必ず何かしら言われていたそうです。でも、どれほど女性たちが気を付け続けても、一年３６５日、生活していれば畑とも行き来するし、牛の世話にも行くし、

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@chomoco02233 小店に買い物にも行くし、川へ洗濯にも行く。よそのおうちにおしゃべりに行って、ついうっかり遅くなることもある。そのすべてにおいて気を付け続けられないことは、レイプも仕方ないと言えるほどの罪なのか。身を守りたければできるだろう、と言う人もいたそうですが、

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@chomoco02233 その人も「いつレイプされるかわからない」という発想で家族や恋人のそばで完璧に守り続けるわけではない。そんなことは誰にもできません。じゃあ強姦事件は必死で逃げ続け、被害者になったら諦めるしかない悲劇の類いなのか。そうではない、と祖母は思ったそうです。

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@chomoco02233 根本的な原因は、襲ってくる人間だ。それを何とかしないから事件は続くのだ、と祖母は村の状況を見ていて思いました。もちろんたいていの男性はまともな人です。だけど強姦する側は犯罪の認識が薄いので、例えば寄り合いなんかで、真面目な青年に

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@chomoco02233 「女なんか引っぱたいて黙らせれば言いなりになる」とか吹き込むんだそうで、そういうのを男らしいと思い込むような空気もあって、恋人の気持ちを考えて待っているような優しい男性をバカにしたりする人もいたそうです。

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@chomoco02233 そこで祖母は強姦事件ひとつひとつのきっかけになるのが個々の被害者たちの隙であったとしても、長い目で見れば、強姦犯及び、それをわかっていながら「女のほうで気をつけて」と放置して、襲われたら被害者を責める村の習慣、それこそが本当の原因だと考えたそうです。

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@chomoco02233 それ以来、誰かが「被害者に隙があった」と言ったら「悪いのは襲った犯人だ」と言うようにしたそうです。ささやかでも、女性ひとりに気を付けさせるより「強姦は許されない」という空気を作るべきだと考えてのことです。病膏肓に入ってるような相手はともかくですが。

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 実際、母の話では、村で強姦未遂があったときに「被害者にも隙があったんじゃないの」と警官がにやにやして言うのを聞いた祖母は、「○○さんは身持ちのしっかりした人ですよ。侮辱する暇があるなら、犯人を捕まえるのに役立つ質問をしたらどうですか」と遮ったそうです。

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@chomoco02233 （ただ、これができたのは、祖母の気性だけではなく、祖母が村の知識階級かつ地主であった檀那寺の奥さんという特別な立場にあったからということは否めません。普通は表立って言いづらくてもしかたないとは思います）（地主というのは、お寺のご先祖が開墾した土地を

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@chomoco02233 村の人たちに耕してもらっていたのだそうで、戦後『マッカーサーに田畑をとられた（祖母談）』ので、いまでは別に地主ではありません）

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 今では時代が変わって、強姦していた人も亡くなり、強姦が犯罪だと浸透してきたので、村でも起きなくなった（ついでに夜這いも）そうです。 もちろん祖母は女性たちは警戒をしなくていいと言っているのではありません。わたしも気を付けるようにとは言われています。

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 でもとにかく祖母が言いたいのは、被害者の側の油断と、犯人の責任、これは次元がちがう、ということだろうとおもいます。被害者側の落ち度は見せかけの原因というか…それでできることは対症療法というか「そのとき・その場で・その人が」被害に遭わないためのものです。

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 そしたら多分、犯人はほかの犠牲者を探し、結局はほかの誰かの身に事件は起こるわけです。強姦するという意思を持っている犯人こそが犯罪の主体者で、そこをなんとかしないかぎり、本当に強姦事件をなくすことはできない。祖母は「ガンみたいなものだとおもうのよ、

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 目の前の症状ばっかり言っててもガンは治らないでしょう。ガンそのものを何とかしないといけないのよ」と言っておりました。そして「自分たちは何をしてやれるのか」「これから被害を減らすためにできることはなにか」と考える。これが周囲の人間ができることで、

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 事件時の被害者の落ち度をあげつらうより建設的で、被害者を増やさないことにもなる。何より被害者を静かに回復させてやれる。おそらく祖母にとって強姦事件は「一人の女性が身を守れなかった」のではなく、「皆が彼女を守ってやれなかった」ということなんだろうなと。

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 小さな村のできごとすが、概ね祖母の考えは、現在も起きている様々な事件にも応用が利くことのように思います。 今回のツイッターで祖母が喜んだのは、皆さんのご親切と、「まず犯人の責任を問うべきだと考えている人がたくさんいる」と知って嬉しかったからだと思います

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 以上が、祖母の話の大意をざっとまとめたものです。 祖母は、これからもひ孫と遊んだり、友達と文通したり、クロスワードパスルを解いたり、新しい本を読んだり、時々は怒ったり落ち込んだりしながら、元気に過ごしていくと思います。

やぎきち @chomoco02233

@chomoco02233 祖母にあたたかいお言葉を下さったみなさん、本当にありがとうございました。祖母も私も皆さんをお騒がせすることは本意ではありませんので、これにて祖母の話は終わりにさせていただきます。どうぞ皆様もお元気で、とは祖母からの伝言です。以上です。<(__)>

やぎきち @chomoco02233

最後と言っておいてすみません、２点だけ追記します。まず話のきっかけになった事件ですが、詳細はフェイクを入れています。大昔に起きて報道もされなかった事件について「日常から少しはみ出しているが、誰でも起こりうる状況」というニュアンスだけ残して変更していますのでご了承ください。

やぎきち @chomoco02233

もう１点「男には我慢できないのではなく、男には我慢できないと思って育てるから我慢しなくなるだけだ」についてですが、これが男性蔑視に見えるとしたら私が祖母の話をまとめる際の取捨選択のミスです。祖母が言ったのは「あなたは男の人を猿だとでも思っているのか、ほとんどの男の人は分別があり、

やぎきち @chomoco02233

他に人がいないからと襲ったりなどしない。強姦犯の発想は犯罪者のものだ。『男には我慢できない』のではなく、『男には我慢できない』と思って育てるから我慢しなくなるだけだ」というようなことで、強姦は「元気な男性」ではなく犯罪者の発想だとはっきりさせ、許さない意思を示していかないと