北朝鮮の核実験に対する解説【川崎哲氏】2016/09/09

9月9日日本時間の午前9時半頃、北朝鮮が5回目の核実験を行ったと報じられている。この実験に対するPEACE BOAT共同代表でICANの川崎哲氏の解説まとめ
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Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

北朝鮮が5回目の核実験をしたと報じられている。度重なる国際社会の批判や警告にもかかわらずの暴挙であり、許されない。 出口はあるのか。私は基本的には、第一にグローバルなルールの強化、第二に地域的な政治交渉だと考える。

2016-09-09 13:00:23
Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

第一のグローバルなルールの強化とは、まさしく今動き始めている「核兵器禁止条約」の実現だ。いかなる国の核兵器の開発、保有、使用をも禁止し、保有国には全面廃棄を命ずる。 既存のNPT体制はもはや穴だらけだ。北朝鮮、インド、パキスタンなど「NPT外の核保有国」が核軍備を増強している

2016-09-09 13:05:08
Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

これから新しく作る核兵器禁止条約は、NPTを上書きするものではない。しかし、NPT外の核保有国に対しては、核兵器の放棄を決定し、新たな核兵器禁止条約にしたがって保有核の廃棄と解体を命じていくしかない。彼らに「NPTに戻れ」とだけ言い続けても、彼らはそれを飲まないだろう。

2016-09-09 13:08:52
Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

NPTで公認された五大国が核保有をしたままふんぞりかえっている今の体制のもとでは、後発国が「我々にも核兵器を」と主張することを防ぐことができない。核兵器は誰の手にあっても許されないという普遍的な規範を確立しない限り、核拡散は止まらない。だから核兵器禁止条約が必要なのだ。

2016-09-09 13:11:44
Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

第二の課題は地域的な政治交渉である。米欧がイランの核開発を制限させた昨年の取引のような、何らかの政治・経済的取引を北朝鮮と行って事態をおさめなければならない。無視、放置を続けていれば「もっとこっちを見て」とばかりに危険な挑発を繰り返すだろう。彼らと向き合い、交渉すべきだ。

2016-09-09 13:15:26
Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

交渉することは弱腰ではない。北朝鮮が必要としている体制の安全の保証を提供しつつ、包括的な経済協力と引き換えに彼らに核兵器の開発の停止と放棄を約束させる。そして、今後国際社会がつくりだす核兵器禁止条約に彼らが加入することを迫る。加入と引き換えにさらなる政治的・経済的利益を提供する。

2016-09-09 13:18:58
Akira Kawasaki 川崎哲 @kawasaki_akira

こうして、グローバルなルールたる核兵器禁止条約の実現と、そのような非核ルールに北朝鮮を加入させていくための地域的な政治・経済的交渉を組み合わせることによってしか、解決の道はない。安易な対北軍事的威嚇の強化論や、日本の核武装といった極論に流されてはいけない。

2016-09-09 13:24:13