- motoyaKITO
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こんな夢を見た。 異界の門が開く世界。そこから小さき魔獣、大きな魔獣が、通りすがる世界。だが、ただ通りすがることばかりで、人類に危害はくわえられない。ごく稀に、踏み潰される建物がある。そんな災害が、50年前からずっと続いていた。
2016-09-10 10:28:1540年前、魔獣研究をしていた若き女性博士が魔獣管理官に抜擢された。栄転というより、白羽の矢だった。博士は、魔獣から街を守るために異界の門の位置を郊外にズラす研究や、魔獣たちを誘導する研究をしていた。その研究成果として、本来の目的ではないが、魔獣を射殺す銃を開発した。
2016-09-10 10:31:52政府は、10年間、民間からの苦情に頭を悩ませていた。博士の研究成果は、それを終わらせる力がある可能性を感じさせた。 彼女は、退ける研究の経費を国から助成されることを条件に、魔獣を射殺す仕事を引き受けた。 だが、来る日も来る日も、魔獣を射殺す日々が、彼女の心を蝕んだ。
2016-09-10 10:34:33射殺され続けて5年目から魔獣たちは、さらに強大なる種を、人類に差し向け始めた。徐々に強くなる魔獣。いつか射殺すことはできなくなると、博士は政府に訴えた。だが、なしのつぶてだった。 そして、30年前、悲劇が起きた。超巨大魔獣が人類を襲ったのだった。
2016-09-10 10:37:28博士は射殺す出力のでない銃で果敢に立ち向かった。四足歩行の強大魔獣は、街を文字通り、蹂躙し尽くした。そして、最後には、その一つ目から強烈な光線を撒き散らし、完全に街を焼き尽くした。 博士は立ち尽くすことしかできなかった。
2016-09-10 10:39:40この日を境に、博士は人々から忌み嫌われた。無能と罵られた、魔獣に対してやり過ぎたと責められた。博士は政府に対して憤り訴えていた言葉が、街が消滅したことで今まで理解できていなかった大衆にも理解できた。 だが、大衆の矛先は博士に向けられた。言刃は博士の心を切り刻んだ。
2016-09-10 10:42:30魔獣を射殺す銃で、博士は人を撃った。まずは子供を撃った。魔獣を射殺す力はあるが、人体には耐え難い痛みを生み出す力があったことを博士は知った。 何度も何度も、幾人もの人々を撃った。タガが外れた博士は、人を射ることを、しなければならないことだと考えるまでになった。
2016-09-10 10:48:06博士逮捕から30年経った。 魔獣に壊滅させられた街のあった土地は、今では魔獣が繁殖するようになった。幸い、その廃墟群からは出てこない。犯罪者たちも逃げ込み、暮らしているとの話はあった。 魔獣たちは、人間を捕食するなど直接的な危害を与えないことはわかっていた。数年前までは。
2016-09-10 10:53:20犯罪者たちと共存するようになった魔獣たちのなかには、犯罪者たちを捕食するものが出てくるようになっていた。 人間を食糧とする魔獣があらわれはじめたのだ。 今は、犯罪者たちが餌となっているから、危険指定魔獣生息地区の他に被害は出ていない。だが、どうなるかはわかったものではない。
2016-09-10 10:56:00政府は、博士を解き放った。 無期懲役の扱いだったが、彼女の研究の後任はいなかった。そして、彼女は狂人と成り果てていたが、研究をすすめていた。彼女は、どんな魔獣をも駆逐する手段を見つけ出していた。 その成果を示すことを政府に約束し、彼女は魔獣生息地区に向かった。
2016-09-10 10:58:22その方法とは、己を魔獣化することだった。 博士は魔獣の肉片から遺伝子構造を分析し、それに対抗しうる研究をすすめていた。その過程で、偶然の産物として、あらゆる生物を魔獣へと変化させる薬物を開発した。 彼女はもう、人間であることに疲れていた。魔獣への恨み辛みも限界だった。
2016-09-10 11:01:26その日、彼女は人間を辞めた。薬を打ち込んだ彼女の体は、肉の翼を生やし、強靭な肉体へと作り変えられた。 そして魔人と化した彼女は、魔獣を食い散らかし、ついでに犯罪者たちをも食い散らかし、危険指定区域のありとあらゆる生物の天敵と化した。
2016-09-10 11:03:56今でも、あの地区の危険指定はされたままだ。あそこには彼女しかいない。だが、彼女を止めることは誰にもできない。 人類は、己の保身のために死刑囚を差し出しているという。それを食い散らかすことで、彼女はあそこから出ることはない。
2016-09-10 11:06:56ただ、死刑囚の数を無くさないために、政府は罪の厳罰化をすすめた。死刑囚を増やすために、軽微な罪すら許されなくなった。 悪循環の果てに、国自体が世界から見放されてしまった。あの島がどうなっているのかは、誰も知らない。
2016-09-10 11:10:02@motoyaKITO なるほど、そいつはちげぇねぇぜwwwついでに博士の親族の話とか、危険指定区域にクラス犯罪者、政府高官のお話とか肉付けしてったら、それなりのモノ書けそうだなって思ったw
2016-09-10 11:15:16@MA_STEAMPUNK 博士、親族から見放されたり、それが元で迫害されてそうだよなあ。 あの地区のスラム感すごそう。マッドマックス。 政府で、政治材料にされてそうだよね。派閥争いの。
2016-09-10 11:16:53@motoyaKITO 自分がみたらげんなりしそうだけどね。こうやってきくと物語だから(´ω`)
2016-09-10 11:18:20